不滅の王

 

 

 

この表紙のせいでオーラバは怖い話だと思ってた…。解説が『~編開幕!』みたいにあったし。長い、深い、ファンタジーだと思ってた。

コバルトと私の相性の良さに、もっと早く気付けばよかった。

 

序章の「地上の楽園」でもう泣けます。

これはたぶん、「永遠の娘」の後の話…だと思います。あの後の、ハルナコ。

幸せだったんです。世界が綺麗と感じられるくらい。

それで、ハルナコはハナオのことをまだ覚えている。“わたしたち”という形容詞で呼んでる。ならそれでいいです。

でも孟爺たちは悲しんで恨むでしょうが。そしてハルナコが死んだ瞬間に炎将も死ぬんでしょうが。

それでいいんです。

冴子ちゃんと諒がまあいい感じに進んでます。彼らの間で『進んでる』っていうのはいいことです。

正反対に『留まってる』十九郎君。

きーさんが前回の件で本人の心としては完全に吹っ切れたんで、あとはこの人との関係だけっすね。陽子ちゃんにも言われてますが。そういえば、陽子ちゃんと、亮介んとこの美術部の部長、山岸。あとハツリとジョーアツ。これくらいしか最近、彼らのまわりの一般人(妖者無し)いませんな。

でもきーさんは守りたい。十九郎は守りたい。でも出来ない。きーさんも吹っ切れる時期がちょぉっと遅かった。

ちなみに十九郎君のわけわからん長舌を解読して翻訳してくれるのはきーさんだけな気がします。

ハツリさんは生きてる人です。こうありたいです。って迷惑か。

そして忍さんと亮介の会話はすごく静謐でかわいくて有難くて素敵で傍にあって欲しいです。

 

なんとなく、炎将は不滅の子供です。勝呂さんには決してもう行けないところの人。

子供は大人になれるが、大人は子供になれないのですねぇ。