花を愛でる人―姉崎探偵事務所 (講談社X文庫―ホワイトハート)
- 作者: 新田一実,笠井あゆみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/12
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
講談社WHからでている、新田一実さんのこのシリーズ。
まず第1部(って言い方はあってるのかな?)、霊感探偵倶楽部が12巻。
第2部(話は普通に繋がってます)、新・霊感探偵倶楽部(繋がってそうでしょ?)12巻。
第3部、真・霊感探偵倶楽部(繋がって…以下略)12巻。
そしてそして、姉崎探偵事務所(繋がってるんです!)が…完結しました。
12巻を超えて同じシリーズ名なのでいやな予感はしたんですが。
…大学に受かると同時に、なんだかいろいろな、終わると思っていなかったシリーズが終わり(EDGEも終わったしなー。)、切なくなったのを覚えています。
この新田一実さんというのは、里見さんと後藤さんというお二方のペンネームで。
視点を変えてるときはたぶん書いてる方が違うんじゃないかな、と勝手に思ってます。
で、このシリーズってラノベ…ですよね?講談社的には!だって恋愛&耽美じゃなく、新感覚NEO系だし?本番ないし?そうだ、胸張ってラノベだ!
…よし。
あ、イラストは笠井あゆみさんです。
1~3巻の頃は岩…なんでしたっけ。新選組もの、一さんと沖田さんの友情モノ「無頼」(魔都覚醒早く続けてくれ…)やら安倍清明モノ「王都妖奇譚」(…異譚だっけ?)を描いてらした方でした。
なんか健全っぽかったのに、笠井さんになった瞬間に色気が増しました。
イラストマジック。
というよりこのシリーズを追い掛けていれば、彼女のイラストの描き方の変遷が分かろうってものです。
このシリーズの第1巻「魔鏡の姫神」がそもそもの始まりなので(それはそーだ)、
設定だけ知りたい方は第1巻だけ読めば掴めます。
つまり、大道寺という霊能界屈指のお家の跡取りで霊能力者の、大道寺竜憲(超絶美貌で浮き世離れ)と、
たまたまその場にいた高校時代からの友人で雑霊を無意識に退治する能力のある、女好きな姉崎大輔が、
たまたま大道寺の親戚の律泉の家の蔵を律泉沙弥子に頼まれて(しかも確か沙弥子は大輔が好きだったハズ…)覗いたところ、
鏡に封じられていた古代の姫神、戔須良姫が竜憲の体に入り込み、同じく鏡に封じられていた、古代の男神、素戔嗚が大輔に宿ります。
しかも、姫神はまだしも、素戔嗚なんて姫神愛してますから、姫神の側にたまたまいた奴の体に入って姫神を守ろうとした、という。
オイオイ。
…それはいくらなんでも、大輔が可愛そうでないかい?
と初めて読んだときは思ったものです。
まぁ姫神を愛する素戔嗚の影響で竜憲命になって幸せそう(?)なんで、別にもういいですが。
姫神は竜憲と同じく慈悲深く、ときには「いやもうそんな奴にまで情けなんかかけなくていいよ!」という奴まで面倒みようとします。
恋人の素戔嗚も大輔も破壊神タイプなんで「おまえがそこまでする必要あんのかぁ!」となります。
ちなみに戔須良姫と素戔嗚は兄弟です。
島根のどっかに戔須良姫が祭られた神社があるとかないとか。
それにしても古事記ってのは日本最古の近親相姦でホモですね!
その他。
大道寺の1番弟子、鴻。好みでモノ言ってますが、素敵。
彼は現国魂の現世への窓口です。現国魂は素戔嗚の息子、大国主命です。しかし伯母である戔須良姫ラブです。
だんだんドロ沼になってきましたね。
そして姉崎修一。
大輔の実の兄で、天衣無縫傍若無人。ないつまでも若々しい方。で意外に面倒見がよく慕われるタイプ。
彼は異常なほど若い外見ですが、実は月夜見だったんだよ~、なオチがついてます。
私はこのお兄さまに関しては何でも有りかと思ってました。
その他、前の月夜見の体の大神とか。
天照の戦士とか。
なんかいろいろ。
さてはて。
この本は姉崎探偵事務所の1巻です。
つまり、真・霊感探偵倶楽部の12巻「黄泉に還る」で、姫神は目覚め(彼女は今まで竜憲に死んでほしくなくて眠ってたんですな)2人は本当に黄泉に還ってしまい、沙弥子はさっぱり覚えていないものの、修一と越後屋は覚えている、という話の続きです(越後屋は雑霊食べる猫ちゃんです)。
修一兄、めずらしくへこんでますよ。
嘉神(蠱をあやつるにーちゃん。いい人すぎてラブですよ;)に手伝ってもらうなんて。
そして戸籍もなーんもない2人の日常生活全般面倒みる兄貴。素敵。
つぅかおまえら、最終巻のアレは…ないだろう。こんだけ世話になっといて…
まあいいか…、じゃねえんだよっての!