ミラージュにおける殿

 

 

自分が愛知県出身であるせいでしょうか、どうしても信長は憎めないです。

という話をしたらあるミラージュファンの方に「それじゃああなたが景虎様に感情移入するのはよくわかるけど、たぶん一生直江を理解することは出来ないよ」というような意見をいただいて、なるほどそうなのかな…と思いました。

最近ずんどこ直江視点で想うことが進みますが、相手が信長になると思考が勝手に切り替わるというのでしょうか。あれだけ言葉を発する直江に対して何で理解できないことがあろうやと思っていたら、本当に理解できてないことに愕然としたというか。

『あなたは私のこと何もわかっていないじゃないですか』と言われて近寄れなくなった感じです。

景虎様と直江の対比関係として信長と光秀を挙げてみたところで、じゃあ何がこの2組で違ったのかと考えるに、やっぱり直江が臣下でなくなる、ということ、そしてその時に景虎様が直江に『最上のあり方』という形を示したことで、勝者と敗者の関係性に縛られなくなった、というのかなあと。

ていうか光秀が最終巻でようやく好きって言ったけど直江は延々いつでも景虎様の幸福のために決断してきたしな!

いやでもそこで光秀に何言われたって信長がどうなるとも思えないというか…。

結局お蘭や平手の爺やお市の方の、常の信長への想いを信長が受け入れられた、のが、彼の幸せに繋がったのかなあとか。

でも最期の『闇戦国はなくならない』というのは、ふりこを止めることの難しさ、を確かに彼も感じ取っていて、高耶さんは信じられた未来を、信長は信じられなかった、のか、なあ。直江が信長の手を取ることで、信長も信じられたらよかったけれど、そう簡単にはいかないとも思います。うーん。

『そうやって、なにもかも、愛せぬものは砕いて橋を渡るのか』っていう元春の言葉(大好きです)のように生きてきたわけですし。

あの後、光秀と信長が話せたらいい。ですけど。結局すれ違いで終わってしまったというか。

生きることは大事だ。未来は紡げないから。