奥州の覇者

 

カンナ 奥州の覇者 (講談社文庫)

カンナ 奥州の覇者 (講談社文庫)

 

 

奥州の覇者って書いてあるせいで、覇者の魔境を思い出し、完全に政宗公のことかと思いました。

日本書紀にある、「撃ちてとりつべし」って、命令なのか意志なのか当然なのか適当なのか。受験時代の性か。そういえばセンター試験お疲れ様です。

 

天皇家総覧」がなぜ北朝五代が別に書いてあるのか。

アテルイは本当に降伏したのか。なぜ京都までついていったのか。なぜ田村麻呂は助命嘆願をしたのか。

 

坂上の一族は王朝序曲を読んで以来、結局は藤原に追い落とされた(でも勇将田村麻呂は人気)イメージがあります。

アイヌ語と日本語が近いっていうのは面白いですね。いつの時代のアイヌ語かははっきりしないし、今でも北海道の地名は一目では読めません。でも、近いっていうよりはもともとそーいうことだったんでしょーとか思うとwktk。ただ北海道のって、結構、外国語っぽいものも多くない?

大陸と混ざり混ざって日本人。アイヌと今は一言で言われているけれども、隼人や土蜘蛛や天狗や鬼や。大陸以外の者たちは各地に伝説として残っている。ゲリラとなりつつ。でも奥州平定の話は、アテルイやモレが大和朝廷にむかってきたからせん滅した、なんて習ってないですから、一応大和朝廷の侵略、という話になってるんじゃないか?

「将軍等申云。此度任願返入。招其賊類」うーん。ちょっと強引な解釈のような気がする…。やっぱ一応、文献をガン無視していいとは思わないっていうか。でもアテルイたちが、そのために京に行こうとした、というのはわかる。ただし、だからってトップが行くかな普通。。悪路王の話もよく出てくるけど、もしかして悪路王がトップでアテルイはその下くらいだったとか…?

でもこのあと、安倍氏はたぶん蝦夷だろうから、前九年の役のあたりまで脈々と王国を築いていたんじゃないかな。

そう考えると、奥州の覇者っていうのは、蝦夷の長であるアテルイでもあるし、後に征服した田村麻呂(含む大和)でもあるし、さらには安倍氏奥州藤原氏、…黒脛巾組、…なるほど。

 

所詮力は正義。正義なんてその程度のもの。だから自分が望む世の中を作るために、自分が好む正義を唱えて広げる。それが、宗教家と言われたんじゃないのかとふと思いました。

 

諒司さんは自分を田村麻呂にたとえていたのかなあとちょっと思いました。

 

海妖坊ってQEDの河童の時に出てきたまるで現代の河童なじいさんですよね。他県にまで鳴り響く変人ってどうなのそれ。

と思ったらエピローグでタタル&奈々も登場。変な参拝客。こっちも他県(の神社)に鳴り響きそう。

 

あ、カンナの意味が出てきた。「天」「雷」「龍」…雷っていうより神鳴りですわね。