遠国散る恋華〈後編〉

 

姫神さまに願いを―遠国散る恋華〈後編〉 (コバルト文庫)

姫神さまに願いを―遠国散る恋華〈後編〉 (コバルト文庫)

 

 

平ちゃんはわざわざ軒猿にカイさんを教えていたのか、カイさんは平ちゃんに保護(?)されましたが、目覚めてもテンとのことでぐるぐる…。そんな一人芝居をちゃんと聞いている平ちゃん偉い。どうにも平ちゃんがなにかたくらんでいようとも全力で平ちゃんを信じてしまう私。きっとミラージュで信じきれなかった名残かもしれないのです。(おーい

 

保名はあれだけハルさん編で天然なお父様なのに、小野のタカさんに連れられて地獄に来てちゃんと葛葉を呼ぶところが、すごいです。カイとはまた違うね。こういうところ。「あなたが、幸せであるように」と、いつでも想うことはそれなのだ。

カイさんはいろんな人にケツ叩かれてようやく「俺は、おまえがほしい」と言えました!(ぱちぱちぱち…っておい)

 

葛葉さんも言っています。強情な女なんて、損をするばかりよ。

しかし葛葉さんすさまじき根性ですね。八幡の神が拾ったのは見込んでのことでしょうが、保名が好きで、清明が忘れられなくて、だから将門に絶対の勝利をあげられなくて、最終的には自分の手で殺さなきゃいけなくなったのに、将門ちゃんは根性で戻ってきたから、名前をあげて、もうそこから動けなくなった。

好きな人がたくさんいたっていいじゃない。魅力的すぎたんだもの。でもそんな魅力的な男がまわりにいたってことは、自分も魅力的だったのよ?と思う。

もう死んでしまった保名にも、自分で殺した将門にもないもの、生きている存在としてのカイを求める決心がつくまで、…いやー、長かったわー。

ああでも将門ちゃんかっこいい。尚隆みたい。

求めるたびに死の旅路が待ってるあたりすごいけど。やばいやばい、うっかりテンションあがってやっちゃってカイを地獄に突き落とすとこだったわ☆なテンさん。

 

勘助は風林火山があまりにも内野さんが素敵すぎてこっちが動けませんでしたから、あのあやしげな笑みしか浮かんできません。もっとも御屋形様命!なところは変わっていませんが。

 

かくのごとく川中島が絡んできましたが、ううん、この戦いに交えてカイさんとテンさんの過去の伏線を見事に解決したなあと。すごいです、純粋にこの物語が。

そしてよく考えなくとも、あれは透波たちの戦いでもあったかと。うふふふふ。

もしかしたら後世の創作かもしれぬと思いつつ…平ちゃんったらなんてアブないことすんのよ!本陣に自分からつっこんでくなんて愚かもいいところだわ!!(テン口調で喋ってみました)

 

世間は、ちろりに過ぐる ちろりちろり 何ともなやなう 浮世は風波の一葉よ