徳利長屋の怪 名探偵夢水清志郎事件ノート外伝 大江戸編 下巻 (講談社青い鳥文庫)
- 作者: はやみねかおる
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/07/18
- メディア: Kindle版
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亜珠のことだけは覚えていた自分万歳。
最初には怪盗九印。クイーンが将来のゐつさんの息子だとしたら、面白いなぁ。。
亜珠さんの劇を見ていると、まるでるろ剣見ているみたいですね。流れ者ですから、みたいな。あれは政府に深くかかわった者の、幕末の亡霊の掃除的な意味において、すごく深い物語だったと思う。だって剣士じゃなくなった人たちは、政治という世界で戦わなければならなかったのだから。
柴と亜珠のやりとりには思いっきりときめきました。なんだあの格好よさ。一瞬新撰組かと思ったやんね?柴が局長かと、亜珠は土方さん、もしくは沖田さん(ただし同人にかぎる)とか。あの無敵の信頼関係が素敵ですね。
「竜さんのために、泣いてくれてるんだな」「僕は、梅太郎さんのために泣いてるんです」
最初に読んだ時はいやだから同一人物!とツッコミを入れていたけれど、そういうことではなかったのかな、と。坂本龍馬という、ある意味<日本のために尽くした象徴>みたいになってる存在ではなくて、夢水があったのは生身の人間である梅太郎だった、と。
個人のための革命、個人のための日本。そういうものを表したのはこの表現なのかなと思います。
「日本なんて国はないんです。日本に住んでいる人がいるだけです」
でも最近、ちょっと違うかもとも思う。日本はどうやったって島国だし、日本を象徴として見られてしまうのはもう仕方がなくて。だって日本を日本として、心底考えることのできる、考えて実行できるなんて住んでいる日本人だけだもの。象徴として、扱ってしまうのは仕方なくて、だからこそ一丸となるって発想は間違いではないと思う。ただ、個人の自由と、そして義務を理解した上でなら。
そしてたぶん国の上の方のひとというのは、ちゃんと考えてると思います。保身なんぞでやっていられるかっての。その方向性の問題。国民がどう思うかを、反映するのはむしろマスコミの責任だと思うのですがね。
真衣がまさかのお庭番衆にスカウトされたというこの実績。やばいわ…。庭掃除…いやまあやってることは掃除かも…相手は落ち葉とかじゃなくて人間だけど…。