朽ちる散る落ちる

 

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

朽ちる散る落ちる (講談社文庫)

 

地球儀のスライス」の時にはさらっと読み流したけど、恐ろしい話につながるものだな。あれは漫画での練ちゃんの服装にびっくりしたことが一番記憶に残っている。あとはあの電車模型。森博嗣の趣味だとこれまたさらっと流しましたが、なるほどねえ。

「宇宙密室」はちょっと詐欺やーん…と思わないでもない。一番大事なところが密室ってことじゃないのかい?誰か生存者がいたらねえ、普通の話やもん。ま、犯人が誰か、が大事だったからいいのかしらん。森博嗣が書くからなんか工学的トリックがあるんかなって思っちゃったわけで。それはしこさんが「きみ最終的にはメカに行きつくな」って言ってるのを指すのかなあ。

この本を買ってしまったのは(基本的には本は買わないのにね)、やはり最後の練ちゃんのせいだと思う。纐纈さんぽい服を着て仮面を外して、ある意味結構壊れた保呂草さんともやり合えるくらいな練ちゃん、最高じゃねーの。(一番最高なのはあの環境下で部活に入ってないことだけどね!いつまで東山に住んでるのよ練ちゃん!鶴舞に行けばいいのに)

へっ君の身を案じて動揺する紅子さんは素敵なお母さんです。へっ君はどうも子供時代からあんなんというか。でもまだ人間っぽいところは残ってるのよね。へっ君の主要な人格(とでも言うのか?)が喪失したのは遥か後の話やけど、じゃあその人格が作られたのはいつかなって思うと、今、まさにある気がする。で、今回ちょっと甘えたのは、そのほかの人格。まだこんなにも主張してたのよねっていう。

絵画が、それを描いた人はもう死んだのに、エネルギィを主張してくるなら、それは間違いなく、生きているということなのだ。…うん。そうだね。