永遠の娘

伽羅王が強いだけなら、亮介ちゃんは惹かれなかった。そこに、一人の人間として生きる斉伽忍がいなかったら。

 

忍さんってのは何者か。「オメガの空葬」で十九郎が忍さんに問いかけていますね、「あなたは誰だ、神か、それとも」と。しかしそれについては、忍さんはもうわかっているわけですね。「天の化身でなく、『アルファでもオメガでもない』と言えるなら」と。最初でも最後でもない存在?

 

その十九郎の態度にきーさんは戸惑い。

若木さんのblogであった、その後の十九郎の話も合わせて読むと、彼の、むしろ彼らの深淵な、絶望、というか孤独?を知ることになった気がします。そしてそれが一般であるような、うゎ、痛い。

っていうか(何度も言うが)、お前は受験だろ!

 

「そんなに簡単にフツウっていうな、バカ!」というハルナコの言葉が痛いです。

 

そして忍様は疲れるので開き直られるそうです。あぁ…。

ワガママ合戦では忍の勝ち、ただ長期にわたって忍がわがままを十九郎に聞かせ続けたような経緯があるからな、ってことですかね?非常に情緒的。もうあなたを傷つけるものにはならないから。

とらわれの姫は自由にならなくてはならない。そして冴子は自由を手にしつつある。自分の力と意思で未来を選ぶ。偶像から解放される。だとしたら十九郎はその姿にあこがれている。

すくなくとも、忍より前に忍より先に現実から逃げたりしない。「でもあたしは、永遠に忍さまの妹でいますからね」

 

そしてすごく静謐な諒と亮介ちゃんの会話。熟年夫婦ですか。

あっでも亮介ちゃんときーさんの会話も可愛くていい。彩ちゃんが入るとさらにいい。「俺は俺が一番可愛い。俺のこと好きなやつへの礼儀だから」っていうキレイさがいいんだろうなあ。

 

立ち止まらずに、そのまま走って行け。ふりかえるな。