犬夜叉

気づいたら終わっていてびっくりした。私の中学の漫画歴はここから始まったのだな。

20巻ぐらいまでは買って読んでいて、確か犬夜叉が桔梗とかごめのどっちも選べないとか言い始めて、結局かごめが折れて二股を許した、みたいなあたりがすっごく好きでした。桔梗は犬夜叉が好きで、奈落(鬼蜘蛛)は桔梗が好きだから殺せない、とかいうドロ沼状態。だがそこがいい。

最終的なあたりまで桔梗が出てくるかと思っていたからちょっと悲しい。ただ普通の女になるというか、そういうことが望みで、犬夜叉が好きで、それだけの女性だった。奈落を倒すこととかじゃなくて、人(琥珀)を救うことを第一にしたのは、それが最初の桔梗だったんだと思う。巫女だった頃の。ある意味犬夜叉は桔梗を変えた男で、変えられたことでいいことも悪いこともあったけど、それで後悔してにないならいいんじゃないかなって思う。

ただあまりにも奈落…鬼蜘蛛が哀れだ。桔梗が好きで、だから桔梗が好きな犬夜叉をも狙う(かごめの件はあったにせよ)なんて、小学生か!って行動だ。奈落が結局桔梗が好きだったんだぜ(ヤンデレ)という感じでよかった。奈落は正統派なヤンデレすぎる。

そういう意味では椿もヤンデレだった。桔梗は基本的にツンなのでねじくれた愛情を受けやすかったのだな。

琥珀君はもう最後まで出てくると思わんかったから、生きててくれてよかったです。まじに。変なネガティブに陥るわけでもなく未来に生きてくれてよかったこと。

珊瑚ちゃんと法師様はついにというかなんというか、孕ませすぎだろ。おいおい。ラブラブで何よりです。いつか琥珀君と暮らせる日が来るといいよねとかほざいていたのは他ならぬ昔の私なわけですが、幸せそうでなにより。でもね、風穴のない法師様なんてただのエロ親父だよね。まあね、一応ほらあれですのよ。戦闘のカンとかそういうのはあるかもしれんけど、あのお札もまあインチキだし(たぶん)楽しく生きていってくれそうですわ。

 

そして殺生丸いやもう大好き。(まあそうだろう。あれはいい男だ)犬夜叉と違って友達が少ない分(あ)数少ない出会いを大事にしてるよね。だいたい爆砕牙ってほとんど反則だよ。

なんだかんだ言って、ある意味親父さんは犬夜叉の方を心配していたんだと思う。愛情の深さじゃなくて、半妖だからこその心配。信頼してないとも言えるけど。殺生丸には自分を追いぬく強さを、犬夜叉には自分の強さを。それぞれの分け与え方というか。だから背中を預けるように信頼していたのはもしかしたら殺生丸の方じゃないかと。

殺生丸を考える上で、犬夜叉…というか父親との関係性は外せない。むしろちょっとエディプス・コンプレックス気味でないかいと思うくらい。ただね、…両親とも愛情表現がわかりにくいんだよ!!かわいそうじゃんあれだけめんどくさい性格になっちゃってさ!

で、もうひとつが自分が妖怪であるというプライド。雲雀恭弥にも共通するものがある。自分の大事なものがはっきりしていて、誰かに言い訳をしようとも思わない。自分の力への、存在へのプライド。最初は犬夜叉への敵対心からなる、ちょっとゆがんだものだったけど、りんちゃんやら神楽やらとの話で、爆砕牙を手に入れた時の彼は、本当に透き通ったプライドを持っていたんじゃないかな。そこが好きだ。

 

犬夜叉山口勝平のイメージそのものだったのに、また随分と成長したよね。かごめを追って最後に四魂の中に入り、ちゃんと見つけ出したり送り届けたことは偉いとしか言いようがない。

四魂というのはある意味、この世に人がある限り、憎しみの連鎖は終わらない、振り子は止まらない、というのの象徴だったんじゃないだろうか。

「高校卒業してすぐ、お嫁に行っちゃったんだ」にはウケた。まじかー!いやなんか最後なんで井戸が通じたのとかちょっとツッコミ処はあるがまあいいやおめでとう!!!

お義兄さん」と言われた瞬間の殺生丸のイヤそーな顔がいい。りんちゃんがもし万一お嫁に行くことになったら、この男、ちゃぶ台返しくらいしそうである。