ファルシェスの砂時計

すげえええええええ!!!!!

感想はこれでした。さすが、私をかつてスレイヤーズにハメた張本人が「これ、なかなかいいよ」と言うだけはあるわ。

胸はでかいはパンチラはあるわ、と思ったけど全然気にならん、むしろ嫁に来いこんちくしょおおおお!!

 

なんだかんだでわかってないくせにここ一番で使える台詞をガウリイ。情報を吐かせるために残していた悪人が自殺しようとしたのに巻き込まれそうなリナを間一髪で抱え込むところとかもう、わかってるね!としか言いようがない。テンション上がるってこれは。

そして最後、まずあと一撃が届かないというリナに「言ったろ、一人で抱え込まなくていいって」と剣を奪って投げるところ。萌え死ぬかと思いましたがまだまだ序の口でした。

人の幸せって重い、そんな想いを抱えて一人引導を渡そうとするリナの手に手を重ねて、「重いもんいつもおまえは俺に持たせてんだろ」ってとことかもう最高じゃないですかさすが保護者!!今回ちゃんと働いてますもんね。一人で背負うなって。あーなんだこれ。このガウリナ。ありがとうありがとう!!!

 

そしてルークですね。正直ルークたちとゼルたちが直接絡むって、あまり二次元でも(…同人界って意味で)成功してないんじゃないかな?皆アニメの影響もあって、あの二つのパーティを別物に考えてた気がする。それを違和感なく仕上げてくださったことでテンションあがりました。

「同居人」はお元気ですか?というゼロス。そーそー、これも見たかった!ゼロスにしてみれば自分の大親分でしょうに。でも今は人の中にいるから、だからこういう言い方するのかな?どっちにせよ萌えました。

ルークは気づいてるのよね。存在に。そしてミリーナも最後にルークが竜破斬を一瞬ぶっちぎったことでなんとなく理解する。もしかしたら今までの旅でもこういうことがあったのかもしれん。でもミリーナはいつものクールでルークを受け入れた。素敵ですね。

このストーリー、個人的にはあの二部の後、何らかの理由で彼ら二人が助かった後、みたいな印象で読んでいたんですが、それは頭がパラレルに寄ったせいですね。本当に。いやだってあの二部っていろんなストーリーがつながってたんだもん。でも降魔の道標で一つの区切りと考えることが出来る(シェーラから覇王への流れ)とすれば、この話はその後とセレンティアの間、とも思える。どっちにせよ、この先の悲劇を理解した上でのストーリーです。(…あ、帯に第二部の話って書いてあった;)

だとしたら、ルークもミリーナも薄々(ルークは薄々どころじゃないか)同居人について察していて、さらには今北の魔王として存在する彼が何で覚醒したかも当然知ってるはずだから、ミリーナがどれほどの想いで最期を迎えたか、っていうのが悲しい。すごく。そしてルークも、わかっていたからこそ止められなくて、でも止めてほしかったんだ。うわもう泣けるわ。今回の相手は後のルーク自身でもあるんだから。あーもうもう。

「一人の女が俺に生きろと言った」のあたりで、もしかしてミリーナは何もかもわかってたんじゃないかと思いました。ルークは同居人のインパクトのせいで色々吹っ飛んだけど、ミリーナとともに過去も素性も知れない人物ですからね。アメリアやゼルが色々(メディアも相まって)剥がれたのとはまた違う。

 

アメリアはいつも通りの元気娘(むしろフィルさんに近づいてる)だけど、頑張って王族やってる姿が伝わってきました。く…、成長したな。

ゼルもばっちりアメリアのフォローです。よく考えたらメディアではもうらぶらぶな感じまで出してる二人ですけど、原作ではゼル自身はむしろリナとガウリイとの出会いの方が彼の中で大きな割合を占めてるんじゃないかって思う。そこの微妙な空気感は割とばっさりしてました。

 

さりげにすぺしゃるの魔弾の話が出て来たり、ナーガがまたしても出て来たり(個人的にはアメリアにちょっとでも気づいてほしかったぜ)と伏線も完璧。