私は思いあまってテニスで十二国妄想をするくらいには十二国が好きなわけですが、その中でも特に好きな雁主従の馴れ初め編です。
王の中で誰が好き?ってなったらやっぱり尚隆かなあ。麒麟の中で誰が好き?ってなったら迷うことなく供麒ですね。(歪んだ愛)
しかし尚隆っていうのは、普段はぼんくらだけど大事な時に働く男みたいなイメージがありましたが、ちょっと待て、と思いました。
確かに今回、元州はキナくさかった。だがしかし、その口実になってしまった、たとえば堤をもっと早く作っていたら、ということを思わないでもない。そりゃもっと他にやることがあったと言われればそれまでですけど、手が回らなかった部分が間違いなくあるはずなんですよね。これを期に一気にやってしまったのはすごいけど、じゃあ最初からやれよ、と。
もしかしたらそういうことも含め、尚隆は楽しんでいたのかもしれないですね。あの、ご石集めてた頃の彼なら。まだ飽いたわけじゃないから違うと思うけど。
「虚海の果てには幸福があるはずではなかったか。」ねえよ。そんなものねええええよ!!!
昔は六太の言うとおり、そして尚隆が示すとおり、王というのは民がいなくては成り立たないもの、王は所詮民の下僕、みたいなイメージで読んでいました。ただ、今になってみると、更夜の「王を取り上げたって人は集まって王を作る」というのも正しいと思う。なんだって自分でやるのは疲れるから。より強いものにぶら下がって生きのびるのが楽だから。それが思考の停止への安住でも。
そして「国が欲しい」と言った尚隆はまぎれもなく王としか生きられない育ち方をしています。ああ、そういうことなんだ、って思う。生まれながらの王であるのが尚隆で、そしてよく考えたら戴王もそうだった…ような。こうしてみると尚隆は臣下の置き方が上手かったのだなと思いました。
「…あまり心配をかけるな」「では俺は、尚隆がいいと言うまで、目を瞑っている」
はいごちそうさまでした!!(遥か昔に作者様が語った未来が彼らに訪れるならば、辛いのはフォローの入らないくせに一緒にいすぎた彼らなのかもしれない)