ライヘンバッハ

Meirimgen(マイリンゲン)にどうして行きたかったか、それはグリンデルワルドへの道筋にあるという理由以上に、シャーロック・ホームズが死んだ滝があると聞いたから!
コナン・ドイルがこの滝に感動して、わざわざここで殺したとあらば見にいかざるを得ません。だって書くことにうんざりして殺すだけなら、ドーバー海峡でもいいじゃないですか。なのにここ、スイスまでわざわざ来させたんだから、きっとすごいに違いない!

まずSherlock Holmes Museumに行こうと思ったのですが、あいにくお休みでした。
近くのお店で昼食をとった後、滝に出発です。
それがまたよくわからないところにありまして、ナビも困ったのか道をちゃんと示してくれなくて…色々悩みながら(ちょっとうっかり人さまの家に入りかけて、そこの家の犬に吠えられたりもしつつ)なんとかたどり着きました。

Reichenbach falle(ライヘンバッハの滝)へはふもとからケーブルカーに乗っていきます(10CHF)。
これがまた急なんです。しかもなぜか下りのケーブルカーには乗務員のおばちゃんが乗ってるのに、上りには誰も乗らない(なぜなら下で受け付けしてるのがお姉ちゃん一人だから)。
上るにつれて滝の音がひどくなっていきます。雨のせいではなくて、滝のしぶきのせい。
レインコートは必須!位置エネルギーすげぇ!!
シャーロック・ホームズの看板があるんですが、顔を出す合間にも容赦なく後ろから水が襲ってきます。勢いが半端無いです。襲ってくるんですよ!この下に滝壺があるだろうし、近寄ればもっと下まで見えたろうけど無理でした、命が惜しい(カメラも惜しい)。
この滝の左側に☆マークがあって、そこがホームズとモリアーティ教授がもみ合った場所だそうです。
別に私はシャーロキアンでもなんでもありませんが(正直「最後の事件」も読んでないw)、こういう聖地巡礼はわくわくします。日本に帰ったら読んでみようと思ってしまいます。
2次元だけど、ここまで人を動かす力があるなら、それはもう次元の問題じゃないと思うのです。行ってみたい、行って検証してみたい、行って気持ちに浸りたい…そういう気持ちが原動力で、私は(主に)ミラツアをしてるんだと思う。

滝の上まで上ることが出来ます。信貴山での空鉢さんまでの道に似ていました。たぶん距離もそれくらいだったんじゃないかしら?
ただ、あえて言おう。コカイン中毒患者にはきつい道のりなんじゃないだろうか。(あ)

ドドドドド…
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私はこういう風景が大好きです。峡谷とか好きなのも同じかも。あと路地も好き。
細いところを通っていくものに愛着を覚えるのかもしれません。

滝の近くにあるせいか、雨があがったばかりなせいか、道の両脇に生えている草木が瑞々しいのです。そして道が細い。素敵!
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この道を歩いていくと、どこかにたどり着けるような気がする。
ちょっと屋久島っぽいですね。
恩田陸の登場人物なら、ここで何を話すだろう。物語の最後でここを登りながら、前後で喋っている。事件が一段落した後で色々語りながらも(そして新事実が出てきながらも)前を向いて歩いている。
確かに物語にしたくなるような場所です。断じて揉み合わせたり滝壺に落としたりって方向じゃなくてね。