熊野を歩こう

朝8:55にロビーに集合して、大門坂駐車場までホテルの方に送っていただいて、そこで語り部であるところの大久保さんが待っていてくれました。
大門坂入口を左の道へ入っていきます。
なんだったかな…熊の話してた気がするww熊に出会ったらそーっと後退しなさい、万一あったら頸動脈押さえてじっとしてなさい、的な話だったと思う。でも熊に出会ったことは一度もないそうな。
那智の恩人であられる南方熊楠先生が滞在したところ、大阪屋旅館跡
那智の木は、「原始林」であるのに、政府が木を切ろうとしたことに反対した彼は、何度も投獄されながらも守ろうとしたそうです。明治維新に生まれ、東大を学ぶことがないと中退して米英にわたり、帰ってきたときは18ケ国語を身につけていたとか、昭和天皇にお会いした時にキャラメルの箱に入れて献上したとか、粘菌学者だったとか、そんな話を聞くにあたって、エキセントリックやなと思う。でも鎮守の森を守るには(国家発展と対立するだろうこと)それくらいじゃないとあかんということなんかもしれない。

神域に入る振ケ瀬橋前に「下馬」と書かれた碑があって、そこで歴代どんな上皇法皇もそこから歩かなければならなかった、という話を聞いて、いやいやあのお貴族様たち糖尿病患者じゃんきつくね?と。
渡りきったところに鏡石という名の丸石があって、熊野は自然崇拝から来たのだと思う。
そしてすぐの大門坂茶屋で市女姿になった女性が二人出てきて思わずほっこり。時代衣装で歩けるみたいです。胸のあたりが厳重に守られてる衣装なんだよーとおっしゃったガイドさんが、でもまあ肌蹴てた方がいいよねとか言いだして、いやいやここ神域ですから!と突っ込む私ら。

大門坂の入り口には夫婦杉があります。
一つの根から別れた杉ということで、屋久島にもそういえばそういう杉があったなあと思う私。
ただ何が違うって、この右の方(夫)の杉が枝を伸ばして左(妻)を支えていること。
なんだこの妻のツンデレっぷり。
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大門坂はもっと昔はうっそうとした暗い道だったらしいのですが、台風とかなんだかんだで今は光が入るようになってだいぶん明るくなったらしいです。
そのぶん石からは苔が消えてしまったのだけれど。
多富気王子跡
なんだっけ。仏教で言うところの童子にあたるとかなんとかおっしゃってたような。

みくまのねっと参考に。
一昨年の台風の影響がそこかしこにあります。でもそれが本来の自然の姿って言われればそうかも。
そういうのが日本の文化だと思う。石で作り上げて守っていくのが外国なら、砂で作り上げて自然に任せて形を変えていくのが日本。とかいう論説がセンター試験国語の1問目でしたw
昔の関所あと。今でいう¥200くらいと聞いてもうちょい取るんかなーと思っていたので拍子抜け。
病人の家族などがもうすがるものがなくなってお参りに来る、そんな状況の時は庄屋さんが一筆書いてくだされば、通行料は無料だそうです。(そんなもん自分で書けるやーんって思ってしまった。そして病人も近くに家族がいてほしいと思うんだ)
ここで通行税を取るのですが、振り向けば遥か遠くに滝が見える!那智の大滝が!!
滝は那智には48あり、だいたい日本では多いという意味で48滝と言われるらしいですが、本当に那智には48本の滝があるのです。その一ノ滝が通称那智の大滝
高さは日本最高(華厳の滝とか以上に)
ここで大門坂は終わり。
ふ、さほどでもねえぜ…と思ったのですが、まだまだ序の口でした。f:id:kfushikian:20200610222320j:plain