お伽話を語ろう

お伽話シリーズが文庫化していたので。いや確か新装版っぽい本も発売されていたような気もしますが、最近本屋に行ってないのでわかりません。

 

安住にとっては直径の血筋が千沙一人というのが弱点ではあって、なので後継者として千沙姫をもらった一清様はおされればなんだかんだと安住も加賀も治めることが出来たんじゃないかと思うんですが。

ヒロミちゃんはこのお話では一応“出来る子”的扱いを受けてたのに、話が進むにつれて何故あんなに出来ない可愛い子になっちゃったのでしょうか。。お香殿は相変わらずですが。

最後のお香殿とヒロミちゃんの会話?が好き。『ここには母しかいないよ、ほら言ってごらん』っていうの。お香殿も自分が妾であるが故にヒロミちゃんを養子に出さなきゃいけなくて、養子に出してるのに裏切られて、ヒロミちゃんの盾になろうって思ったんだろうな。突っ張ってる息子も好きだけど、こういう時くらい甘やかしてあげるお香殿はお母さんです。

 

わがまま姫の反乱。このお話一番和むー。好きー。

我がままに生きること』。いや千沙姫のやったことはやっぱりどう考えてもちょっとまずかったというか相手が御実家でよかったねというかって感じですが、それでもお呑気を極めて一清様のために動こうとする千沙姫は素敵です。

勘兵衛の『生かす命と、そのために奪う命があることを。それを決めるのが加賀様です』というのにはちょっとジーンときました。勘兵衛があの時何故加賀様=一清としたか、それは一和がどうのというよりは、いつ何時何があるかわからないからってことだと思います。つーか信じていたい。

それを『後悔はしていない』という一清様も。彼の立場としてそうであったことを後悔してはいけないのだから、そう思うのは間違ってはいないけれど、それでも千沙の考えを美しいものと思うのがいい。と思う。

…うん将来的に本当に後悔してない?って聞きたいけど。特に本編終了後とか。

 

お伽話がはじまる。は、…うんなんつーか今思い返してもやばい泣ける。

なんで描いちゃったかなー。やっぱあれか、ふえとかそういう間者がちゃんといるのに、なんで気づかなかったかっていうことですかね?

でも正直加賀にとっての金が大事だとしても、その盗賊騒ぎに乗じて軍が接近するのに気付かないわけはないと思うのですが…どうなんだ。まあいいか。そこじゃない。

人の恨みは連鎖する。そう考えると加賀と安住の関係は極めて良好でした最後まで。安住もなんだかんだで直系の姫一人奪われたんだからな。

『あの子は加賀を裏切ることはあっても、一清を裏切ることはないだろうね』鮎太は結構本気で一のこと好きだったもんなあ。

このセリフが出てきたあたり、一和様って平穏な世の中ではよき君主であった人だと思う。父はおまえ以外に跡をつがす気はなかったっていうのも本当だと思うの。じゃあなんで一清を生かしたかって、後継ぎとして一和は結構顔が知られてたと思うし、それに乱世にあってはたぶん一清の方が合ってたと思うんだよねー。

一清が夜、一人になって、昔父と母が使ってた几帳とか見て、もういなくなったことを実感する2コマがあるんだけど、それがすごい泣けた。泣けてびっくりした。私もいつか、家族を失うことがあるのだけれど、生前に使ってたものを見て、フラッシュバックさせて泣くことがあるのかもしれない。それはとても痛い。

最後の言葉が裏切り者!になってしまった一清も、それを言われても一が本当に好きだった鮎太も。泣くしかないわ。

 

あ、あとおまけ漫画。どうやって一姫作ったんだろう的な感じでしたが、一応やるこたやってたのねv

 

お伽話を語ろう (白泉社文庫)

お伽話を語ろう (白泉社文庫)