運命が出会う夜

いつも黎深に向けているのと同じ、つくりものの微笑みで。

やっぱりどう考えても悠舜はスーパー中二病だと思います。まじで。

 

っていうか私は静蘭ファンなのを承知であえて言いますけど、いくらなんでも全てを清苑公子のせいにするのは図々しいってもんじゃないの?あの子がいくつだったと思ってるの。朝廷っていう小さい世界で、世界を広げられないでいたのはあんたらも一緒でしょうに。腐敗した官吏だって一因。縹家だってそう。もっと言えば王が鬼姫との約束をどう考えていたかだってそう。王の周囲にこれだけの人材がいて、太子がこうなることも清苑公子がこうなることも、そしてその結果として王が亡くなったあとに乱がおこってこれだけの人が死んだことも、全部全く防げなかったなんて言い訳にならないよ。

少なくともやっぱりあの乱であれだけの人が死んだこと、これだけは旺季サイドの決定的なミスだと思うのです。最終的にそれが、悠舜を劉輝側につかせた理由なんじゃない?旺季はそれを平気でいられる人間だったってことが。

霄太師はそもそもああいう人間だったので別に動かなかったってまあねえって感じですけど。

ああそれにしてもたぶん大丈夫だと思うのだって清苑には劉輝がいるんだもの!誰かそういうパロディ書いてくれまじで!

 

…いかん、悪夢の国試組の話だというのについ。

 

彩雲国には捨てられた子が色々出てきますが、悠舜も結局拾ってもらった人からの脱却、が最後の結論だったのではないかしら、と。静蘭もコウもそれを頑張ったし、あーまあ一応藍様にもそのケはありましたが抜け出たし、最後まで出来なかったのは彼じゃねーの!と思うのですが。

別に毎夜掘られてたわけでもあるまいに世捨て人やってんじゃねーよ!!

 

あああでもやっぱり悪夢の国試組はいいですねー。。なごむ。まじなごむ。

悠舜もさあ、なんだかんだ黎深にペースを崩されているのがね。仮面はいつのまにか自分そのものになるんですよ。

黎深は悠舜を気に行った理由というのは、やっぱり兄に似てた(自分との距離の取り方とか、優しい嘘をつくところとか)からじゃねーかなーと。

と考えるに、鳳珠筆頭にその他の人たちは普通に友人やれてるあたりで、本当の意味での「世界と黎深」になったんじゃないかなー。

だってこれだけ腹黒中二病なとこ見せられたらもう悠舜になんの愛情も抱けねーよ…。だから燕青を王にしとけばよかったのにさー。。。

 

あ、そして鳳珠はもとから結婚したかったくらい大好きですが、飛翔の株がウナギ登りですよ。こういう兄貴に弱いんですよね。

あと本当に合格した人たちは鳳珠の顔に頓着しなかったっていうのもわかりました。

 

悠舜が黎深に怒った理由って完全に私怨ですよね。

でもそれでいまだかつて「間違った悪かった反省」の文字がないとか言う黎深が反省したんですよ!!子美さん素敵です。

黎深も無駄に適応能力が高いものだから…本当に天才って言われてたのか不安になってくる。まあ龍蓮と一緒と思えばしかりなんだけど。

 

鳳珠が悠舜が悪意ある言葉を言われて(でも本気の死ねって言葉だった)、泣くほど不安定になり、素直に泣いてしまって「悔しい」って言えるのに、どうして黎深は言えないかなーって思いましたが、まあ育ちの問題ですよね彼の場合。

 

黎深がもうドンドンただの我がまま若様に見えてくる件について。彼最初の頃「すこぶる有能だが政治に興味がないので忠臣にも奸臣にもならない」とか言われた人じゃなかったか?あれ?若き日の過ちってことでいいの?

でも「心の潤いが足りない」ガキにしたてたのはどう考えてもお兄ちゃんの件がトラウマすぎたって感じなので…。残酷すぎる。もしかしたら黎深も、見えないところで「九十八番目の幽霊」だったのかもしれない。

 

飛翔って素敵ですよね。「鳳珠がいれば生きた人間の目玉は潰れ、文仲がいれば亡者も退散」。鳳珠も厳密には全員の目を潰せるわけではないし、文仲も亡者には効かないと思う。

っていうか悪夢の国試組の鳳珠の顔、黎深の行動はともかく、その他にもたくさんキチガイがいたと思うと感慨深いっす。

 

「最終兵器文仲殿装備!」こんな状況下でも「殿」をつけてるあたりがさすが鳳珠です。

いつもはしっかり者を自認していても、やはり一番年下だ。多分黎深がいたら意地でも騒がなかったろうが、年下二人だとつい素が出たらしい。兄弟がいたら末っ子に違いない。

鳳珠ってそう言えば末っ子っていうか年齢は相当下なんですよね確か。まあ宰相が柚梨ってあたりで驚きましたけど、おいおい私の男を見る目は間違ってなかったんじゃんかよーって思いました(なんだそれ

くっはーやっぱりじゃあ鳳珠のヨメになるわ!

まあ一緒に墓穴を掘ろうじゃありませんか。面白すぎやし。イケてる寺男になろう!

「何が何でも受かりたいっていうのは、そういうことじゃないだろう!そんなの、全然、普通じゃない…!!」

 

戦後生まれ。戦後に生まれたってことは突き抜けた明るさや素直さや能天気さを持つことで、…それってあんまりよくないことじゃって思わないでもない。

 

「こんな四十オヤジ」…なに?この時の王って40代なの年齢?

この王の戦は誰が終わらせてくれるのだろう。終わらせたのは結局縹家…というか鈴蘭…というか清苑…なんじゃ…?

まあ王の自分の掟にしたがっただけって言われればそうかもしれないけど。そして鬼姫の頼みもあったと思うけど。

静蘭も燕青も、自分の戦は自分で終わらせた。

 

最後は「さよなら子美ちゃん永遠にッ」ポクポクポクチチチチーン!で終わった。

私こういうお経で送ってもらいたいなあw

 

何かいいことをすると、相手から『お礼』というものが返ってくるらしい。悠舜の無自覚かつ徹底的な放置政策が勝手に実を結んだのが、この時であった。

黎深が彼の世界に乗り込んできて、そこから出て行かなかっただけだ。

でもまあ、もう少しだけ付き合ってもいいかと思う。休暇中の間は。

だからどうして最初から最後までスーパー中二病なのあなたは。

 

彩雲国秘抄  骸骨を乞う

彩雲国秘抄 骸骨を乞う