竹の花?赫夜姫伝説 英国妖異譚10 (講談社X文庫ホワイトハート)
- 作者: 篠原美季
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/06/14
- メディア: Kindle版
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アブナイ休暇!?って書いてあったら普通なんかこうもうちょっと色っぽい展開を想像しますよね。まさか本気で命の危険的な意味でアブナイとは誰が予想したであろうか。
今の時期では洒落にならない富士山噴火ですが、でもこの物語の中ではまだまだ現実ではありませんでした。だって震度6弱とかへえ…って感じになりましたからね!震度5強くらいで「あら地震があったのね」という認識になってしまったのだから慣れって怖い。
そんな富士山噴火で揺れる日本に来たベルジュ家の御曹司。現実は小説よりはるかに奇なりで、フランスというお国が日本に持ち込んだ危険な原子力的なアレについて、もう少しちゃんとベルジュさんは認識してほしいですね!(やつあたり)
さてさて、ユウリの核心の国、日本ということで(この日本は私のいる日本とは別次元ですからね!)わくわくしながら読んでいたら、やっぱり出てきましたね。家族。
ていうか、今まで一度もお母さんのお話が出てこないのがひっかかりますよね…。
あんなユウリを産んだんだからある意味全く普通の人ではないと思うのですが。お腹が大きかったお母さん。なんかどうもこういう表現を読むと、ミラージュと交じってしまって、そもそもユウリは、もともとお母さんのお腹の中にいた子を魂レベルで突き飛ばして生まれてきたんじゃないかなあ、なんて想像してしまいます。
そして「ユウリ」という名前が大事というように、ユウリが「ユウリ」であることを否定することが、彼の存在意義の否定となってしまうのでは、と。新しい名前をもらったらきっとユウリとしては帰ってこれなかったのかな、なんて。その生きることへの執着がセイラや隆聖からきたのならいいと思う。
亀戸天神で誘拐したんだから亀さんが出てきたのかしらね?
そして座るべき椅子ってのは月の王的なアレだったんだから…月…そう言えばかぐや姫も月に帰るし、月から来た存在であるところの…つながったようなわからんような…。
「なんのために」隆聖がユウリを呼び出した、というか、この世に生まれさせたのか、っていうのがよくわからないからなんとも言えない。。
アシュレイさんは一番いけめんでしたね!だってよく考えなくても隆聖が「どうにもできない」ってなってしまったユウリを助けたんですよこの子!?しかも自分のお役目より優先した!!
アシュレイさんありがとう。あなたがいなければユウリさんは還ってこれませんでした。でも不老不死のお薬って飲ませたらユウリさん老けないんですか?
「フランス対イギリス。ジゾールの再現」ってなんですか教えてアシュレイさん。なんとなくわかるけどさ。
で、シモンさんはなんで「ユウリの誘拐はオルムにハマった人がおこした」というのを「夢想でありえない」と言えたのでしょうか??
シモンは最初に「自分に愁派を送らない女性は初めて」とほざき、「誘惑する気かい?」と一緒にお風呂に入り、「こめはらと読むのかな」なんてボケをかまし、ボケと言えばビー玉を城に飾りたいと言い出し、最後に浴衣を作ってもらいと、完全に日本生活をエンジョイしていました。
「空間を贅沢に使って飾ることは、どれほど贅を尽くしても簡単に出来ることではない」という納得のいく台詞を吐かれ、かぐや姫伝説にツッコミを入れるなど、まさに日本にきた外人でしたよこの子。
そうそう、竹取伝説とはまた違ったお話でしたね。この当時の富士山の活発な運動への、隼人の巫女姫たちが竹を操るということで人身御供にされていた、その…結局…レクイエムじゃないですかね…。大和朝廷と隼人の姫が結婚して、というか人身御供って、あれそれは言ってること一緒ですねあのお話と。怖い。
「絶対というのは、この場合、モチベーションに対する原動力ということ」シモンさんのこの言葉心に響きました。。
あと、色がついて巫女は引退って…でもこの子たち掛け算ではないと思うのだけれど…どういうことですかね…?