まとめて論文3つ。

Diuretic Strategies in Patients with Acute Decompensated Heart Failure

非代償性急性心不全の患者に対する利尿薬投与について

ループ利尿薬は非代償性急性心不全患者の治療の重要な要素だが、これの使用に対する後ろ向きデータがほとんどない。

フロセミドの静注法を変えたものと、経口投与量を変えた試験をおこなった。

評価項目はAUCによる症状評価と、クレアチニンの変化でする。

結果、静注法については変化はみられなかった。経口投与を変化させた方では、高投与群の方では、有意ではないが改善傾向がみられた。クレアチニンの変化も有意差はなかった。ただし、高投与群では腎機能の一時的な悪化があった。

非代償性急性心不全患者において,利尿薬の急速静注と持続点滴との比較、高用量は低用量と比較したところ、患者の全般的な症状の評価と、腎機能変化の評価において有意差はなかった。

フロセミドを使うと心不全の改善はあるものの、高投与すると一時的な腎機能の悪化はあるが、クレアチニンの変化もないから、とりあえず使えばいいじゃない?ということか。

Clinical and Biomarker Changes in Dominantly Inherited Alzheimer's Disease

優性遺伝性アルツハイマー病の臨床とバイオマーカーの変化

循環器はともかく、神経内科や脳外科の領域はマジでわかりにくい。わかりにくいこと山のごとし。ただでさえ頭のいい奴が神経内科に行って、企業とかと組んで(うつ病とか受容もあってやりやすいんだと思う)機械使って頭いいことしてくるから!!くっそ一般人にわかりやすくしてくれます!?あとから見直してなんかもう目が拒否するもの。

アルツハイマーの病理学的なプロセスの成り方やその程度についてはあまり詳しく知られていない。その理由として一つには何年もかけて進行するためでもある。常染色体遺伝のアルツハイマーは発症年齢が予期でき、症候が現れる際の病理学的変化の順序や程度を決定することが出来るかもしれない。

長期的前向き研究で、128人に、ベースライン臨床認知評価、脳のイメージングとCSF検査と血液検査を行った結果を分析した。予想される症状発症から評価される年数を計算するために、ベースラインの評価による参加者の年齢と、アルツハイマーの発症の両親の年齢(発症時の参加者から親の年齢をひいた年)を使用した。病理学的変化に関連した順序と程度を決定するために、予想される症状の発症から推定される年数と関係する基準データの横断的解析を行った。

CSF中のAβ濃度は、予想された発症の兆候以前25年前から減少を見せていた。Aβの堆積はピッツバーグコンパウンドBを使用したPETにより計測したが、15年間検出された。CSF中のタウ蛋白が増殖していて脳委縮が増加しているのも同じく15年間検出された。脳の代謝低下と出来事関連記憶の障害は10年前から見られた。包括的認知障害はMMSEとCDRscaleによって算出されたが、5年前から見られた。患者は発症の平均して3年後に痴呆の診断基準を満たした。

常染色体遺伝のアルツハイマーは、進行性の認知障害も、CSF中のアルツハイマーの生化学的マーカー、脳のアミロイド沈着、脳代謝が10年単位の一連の病理学的な変化と関連していた。より長いデータを使うことが必要とされるし、孤立性アルツハイマー病患者に適応はできないだろう。

Long-Term Mortality in Childhood-Onset Epilepsy

小児発症のてんかんの長期的な死亡率

てんかん持ちの小児と死亡率の、前向きで十分に特徴づけられた長期的なコホート研究は今までほとんどなかった。小児期にてんかんと診断されたフィンランドコホート研究における長期的な死亡率を報告する。

1964年にてんかんと診断された245人の子供の人口をベースとしたコホート研究における発作の結果と死について評価した。このコホート研究は40年間前向きにフォローされた。突然の、予期できない死亡率を評価した。非常に高いコホートでの検死率によりほとんど全ての症例における特別な診断が可能となった。

60例が死亡(24%)、これは全体人口における予想される年齢、性別による補正された死亡率の3倍の確率である。亡くなった症例は、107人のうちの51人(48%、5年間小康状態(死の時点、もしくは最後のf/uから5年以上は発作が起きなかった)でなかった人のうちの51人)を含む。

てんかん症状でない理由(神経障害や外傷)は、また、特発性または原因不明(37%vs12%)群と比較して死亡率の増加と関連していた。(remoteが遠隔症候性という、つまりてんかんが間接的に関係しているということ??)

60人の死のうち、33人(55%)はてんかんと関連していて、18人は突然死、9人は発作、6人は事故的な溺死だった。てんかんと関連していない死は主にてんかん症状が出ていない症例(遠隔症候性??)に起こった。突然の予期できない死の累積は40年で7%、長期の小康状態でなかったり投薬されていなかった症例に限られていると分析されたのが12%であった。特発性、原因不明のてんかん症例の中で、14歳より若い症例においては突然の予期せぬ死はなかった。

小児期に発症したてんかんは、突然の、予期できない死を含むてんかん関連死の重大なリスクと関係している。そのリスクは特に小康状態にない子供に高かった。

てんかんがちょっと落ちついた(話題的に)かなと思って読んでみた。難しかった。小児期に発症するといつ亡くなるかわからんってことになるのかこれは。(死亡率も3倍、5年間小康状態を保てないと結構亡くなるなこれは)てんかんで亡くなることは意外に多い。な。