きらきらひかる

 

きらきらひかる (新潮文庫)

きらきらひかる (新潮文庫)

 

 

やっぱ好きだなあ江國さん。

というか江國さんの小説でセックス出てこないの初めてな気がする(言いすぎ)

 

勤務医だからって毎朝9:10に出勤すればいいようなサラリーマン生活ができるわけないでしょー!!どんな気楽な勤務医だよ。ピッチはどこいった。入院患者の急変もないのか外来はどうしてるの。

睦月は内科医なのでポケットベルはそんなにならない。そんなわけがあるかー!!まさかの設定きたー!!ポケベルすごくどうでもいいことでピロピロ鳴るわよ。しょうがないことわかっててもいつなるかわからない状態なんだから。

 

安物のシャンパンに泡をたてるマドラー。睦月のような存在。素敵な贈り物。

僕がでかけている間、この子は僕を待っていたわけじゃないのだ。そういう存在が奥さんであると嬉しいよね。私が夫だったらそういう人がいい。適度な自立とか全部放り投げていける存在を。

 

なんにも求めない、なんにも望まない。なんにもなくさない、なんにもこわくない。水を抱くと言う。いいじゃない、水を抱くような生活。何も残さず、さらさらと。

「このままでこんなに自然なのに」と言い切る笑子。基本的に患者であることに間違いないほどの断定の仕方をする人です。「紺くんが睦月の赤ちゃんうめるといいのに」だよね!私もそう思う!別に育てるから。産みたいわけじゃないの育てるから。

そうすればみんなの子供になるから。紺くんが殴って、そんな風に追い詰めたことに対して殴った。やっぱ紺君はこの時点で笑子ちゃんを幸せにしたいと思ってしまったんじゃないかな。

水を抱く気持ちっていうのは、それをお互いにコンプレックスにして気を遣い合っていることの窮屈。

コンプレックス同士が補い合って結婚したところで上手くいかないわけですよね。

 

銀のライオン。それを美しいと思って言ったのか儚いと思ったのか、それでも生きてると思ったのか、笑子さんの考えは測り知れません。

笑子はどうしてこんなにあっさりと覚悟をきめられるのだろう。きめたい。でもその手の病気の人、きめちゃうよね。あーあって思う。ただ捨てられるから捨てたい時はえらい。