EPITAPH東京

また3月みたいな本だしよってからにして
エピタフ東京、という筆者の頭の中にある本について考えながら、東京という街をさまよい歩くお話。

著者Kというので、てっきり恩田陸さんの話かと思ったら吸血鬼ってなんだよ…という。
どうせ伏線なんて回収されないんです??知ってた。
吸血鬼の弟がいい。というかこういう妄想癖のある弟につきあっている兄とかむっちゃ萌えるやーん、と思っている。

こけしは子消しなんだよ。
高田さんみたいなこと言い出したな、よしどーんとこい!と思ってたら、

今も間引きは続いている。
産んでから間引くか産む前に間引くかだけの違いだ。産まないということも、最も効果的な間引きかもしれない。
さまざまな手段で間引かれた子供たちの代わりに、巷にはペットやキャラクター商品が溢れる。

とかつっらあああああ!そうだね、としか言いようのない。そういう恩田さんも子供いないんじゃ。

人の頭の中では勝手に音が鳴っている。その音が「耳鳴り」の音を消しているのかもしれない。
大人になって鳴らなくなった人は、逆に気になるのかな。

唐突な八王子城の話!
てる兄って本当に有能だったんや…てる兄が有能じゃなかったら、ここまで秀吉さんも頑張らなかったもんね。ああ素敵。半日で落ちるとかてる兄も想像していなかったと思うの。
最後まで政兄を思っていたとしたら美しい。てる兄よ。
八王子城ってまじそんな場所なんだ。秋になって(虫が出なくなってから)いこう。

くだん。くだんからの手紙っていう漫画あったよね…あの後味の悪さ。こわい。

それで劇中歌。なんかこういうのどっかで…あれか、木曜組曲的なやつか。木曜組曲の頃はもうちょっと恩田陸の脳内はしっかりしていたがいつの間にこうなった。

あの震災から作家はどのように変化していったのかなあといつもおもってて、だからやっぱり恩田陸も震災から東京五輪にかけてを「東京」というくくりでとらえてみたときに、巨大な虚無感、じゃないか、巨大獣みたいな気持になったんじゃないかしら。
少なくとも私は読んでみて思いました。
震災から筆を折ってしまった作家や音楽家を知っているから、まあとりあえず恩田陸がこういう形で世の中と向き合おうとしてくれてよかったです。

 

EPITAPH東京 (朝日文庫)

EPITAPH東京 (朝日文庫)

  • 作者:恩田 陸
  • 発売日: 2018/04/06
  • メディア: 文庫