わだつみの楊貴妃(中編)

私なんでこんなドMなこと忙しいのにしてるんだろう

「敗北者」の敗北

瀬戸内の小島でのアレコレ…今となっては笑い話ですけど再び読むと全く笑えませんこんちくしょう。
まず直江の格好に萌える。一人で高耶さんの服脱がせたりしてお世話して、自分も適当になんとかして、片膝立てて腕乗せて物思いにふけるとか。正座じゃないとかちょっと萌える。
そしてぐるぐるしている直江に声をかけたところで い た の か ってなった小太郎。
小太郎と高耶さんに守られる直江…そういえばこのあたりが唯一直江が直江らしくなかった時期なんだなって。あの高耶さん(景虎様)をどこまでも追いかけるその執着が感じられないし、護ろうって意志も生きようって意志も感じられないんだもの。
小太郎が直江に対して微妙に興味津津で笑える。好きだな。ツンデレだな!

この時に悪夢を見た高耶さんをこうやって起こしちゃったからあの悲劇になるわけですよね…つうかそもそもこの時だけじゃなくていつもいつもこんなことしてたからだよ。直江がいっつも目が覚めたら手を握っていてくれたからさあ!
することはあなたを守ることだけなんて当たり前のように言うから!もうやめて赤鯨衆のシーン思いだすわ!

それから直江の目が盲いた件について。攻め様が盲目になるとかなかなかのジャンルです。
…ん?攻め様?
直江が、…様?
新鮮すぎて違和感を覚えた。

オレのせいじゃない。あいつがすり減っていくのは。
そうやって他人のせいにしていくのか。自分のせいだって心の中では気付いていたくせに。いや気付いていないのか?気付きたくないから目をそむけることが景虎様には出来てしまうんだよなあ。
勝手に勝者と敗者の関係をおしつけて勝手に敗北を感じて見限っていく人間は。見捨てられることに対する怯えがある人間に対しては大した身勝手で卑怯な報復だと思う。

盲いた魂に

そしてごちゃごちゃ回る直江。
えええいお黙り!!
いかん私直江が好きになったとか言いながら根本では景虎様なんだわ。
というか、景虎様を弁護するのは自分自身を弁護するのと一緒というか、景虎様を否定するのは自己否定と同じことで、しようしようと思っても出来ないことだと言うか…。
してもいいんだけど、私は根本的に自分が可愛いので絶対最後まで自分を否定することはないと思う。
なんの話だ。
それにしても景虎様もいい加減めんどくさいと思うが直接的にめんどくさいのは直江もだわ。

いつか、五感のすべてを失う日がきても。
直江って本当にもう…ええ…。
つかこれまじでちょっと直江さん。これこれ直江さん落ちついて。あんたが高耶さんのこと何一つとして忘れたくないのはわかったから落ちついて。
これ喪失の恐怖に絶叫しているのは景虎様より直江だよな。
うん直江のこの叫びってずっと継続しているよね。よかった。よかったわけではないけど。
最後の最後に残しておきたいのは景虎様ってことだけでもういいや。