白月の挽歌

皓と十九郎のキス。
お互いに望みを知っていて。たがいのエゴも知りすぎていて、そして彼らは優しかった。
他人の望みをかなえることをあたりまえのように出来てしまう人たちだった。
高校生でこの相手のすべてを愛するように恋するってこの人たち大人だ。

きーさんは十九郎がどれだけエゴまみれかって知って。
でもこういうエゴの人たち私のまわりにたくさんいるから…ほら直江とか奉仕者」になることでは我慢できなかったとかいう男だから。
別にこの程度のエゴくらい許容出来てしまうんだなきーさんはいい男。
十九郎がどう思ってきーさんを育てたって、あのころはきーさんには十九郎しかいなかったし、その愛は十九郎自身を支えてきたよ。
すがったのはきーさんだし、十九郎は今までは決して最後に忍を選ばなかった。それが十九郎だったんだ。
秘密の薪さん思い出した。だってあなたしかいなかったけど、両親と過ごしたよりあなたと過ごした方が長くなっていたんだと。

「帰ろう」
って言えてよかったよ。
その時の十九郎の、満足した死に顔みても、夏江さんも待ってるし、帰ろうっていえるきーさん。
十九郎がどれだけエゴまみれでも、注ぎ続けた愛情はきーさんをこうやって成長させたよ。
十九郎は昏睡から目覚めたくなかったのかな。目覚めたかったのかな。死んでもいいとは思ってたよね。一番満足のいく人生の終了だったはずなんだよ。
でもそこで十九郎を生かしたのはきーさんの我がままだから、これからも十九郎はどんどんきーさんに我がままの言い方を教わってください。

この愛情あるエゴイスト…八戒だな。それかあれか?萩の時の直江か?
あのあと高耶さんが「オレたちの最上を」って言ってそこからの直江の成長も目覚ましいものがありますが。
いやでも十九郎はそういうのじゃないからなあ。
あのメンバーの中に神原さんがいるわけだから、別に力を失っても居場所はあるとは思いますが、これからどうやってかかわってくのかな。
一年浪人してまでいたかった場所、ちゃんと守りなよ。(普通にたぶん合格できたでしょとは思うからなあ。十九郎ならば)
里見さん基本姿勢が我がままですからね。そう里見さんって我がままなんだよね。だから周囲を振り回すけど、そんな里見さんがただの我がままじゃなくて、それはやっぱり夏江さんのおかげだと思うし、きーさんのおかげでもあるんじゃないかなという、温かさをちゃんと持ってる人だと思う。だからジョーアツとかハツリとかもちゃんとわかってるし、そうなによりみんなそんなことちゃんとわかってるんだよ。
そういう意味では十九郎って私とワルツをの人だよね。

駄目だまだなんかうまく言えない。
私が十九郎だったらもう目覚めなかったと思うよ。あれが一番人生の中で幸せな瞬間で、ハルナコとハナオの関係と同じだもの。