第一次世界大戦については、天愛で読んでいて、学校で習ったように「オーストリア皇太子暗殺事件(サラエボ事件)が引き金になった」という単純なものではないんだというのはわかっていました。
ただ、日本人はあいにくこの大戦においては、大戦特需とかそのあたりの話しかやりませんからね。自分の国が戦場でないとかるーくすます日本ですね。あーあ。
でもまず、WWⅡはなにかというと、そりゃあもういろんな専門家が述べているでしょうから、いまさらこちゃこちゃ言うことでもないでしょうが、この話の中では、「古き時代と新しき時代の転換期」といえますね。
「レッドバロン」ことマンフレート・フォン・リヒトホーフェン。彼の師であるオズワルド・ベルケ。
そしてヘルマン・ゲーリング。この話では痩せていて人間的な彼ですww
彼らが率いるドイツ帝国の最精鋭戦闘機隊JG1。
彼らを見ていて、日本が、ドイツと合ったのがちょっとわかりました。たぶん日本に受け入れられやすい精神の持ち主だなあと。
そして、第二次世界大戦まで考えると切なくなってきます。
ウーデットはナチスドイツ空軍では高官の地位に就いたけれど、1941年にピストル自殺。
「レッドバロンの弟」ことロタール・フォン・リヒトホーフェンは、ナチスドイツで空軍元帥にまで出世します。でもどうも華々しさはないですね。手記もそうですが(ていうかブラコンだ極度の)
ヘルマン・ゲーリングは、政治運動に参加た挙句、ヒトラーに次ぐナチスドイツNo.2として贅沢三昧な暮らしをして、そうそう美術品を大量略奪したのもこいつでした、結局ニュルンベルグ裁判で、戦犯として処刑される寸前に自殺をしました。
となんだかドイツに延々肩入れしそうですが、そんなだったらそれはそれで…いやいや。リックの明るさが全てを救ってくださるでしょう。
…としか言えないけど…
そりゃパジャマで出撃したロッドとか、敬虔なカトリックなのに妻子持ちとか、ピロシキのシーンとか(マジ泣きできるわ)、回りの面子見ていても笑えるけど。
やっぱり、戦闘飛行機おバカさんなリックが救ってくれました。
でもそのおバカさんさが時に悲しいです。だって最終的に「空の騎士」ではなくただの殺戮者にならざるをえないんですから。魅力に取り付かれた彼はエースのなることに目標を定めて行動していますが、シャーロットの件もあって、結局戦争は殺したもの勝ちっていうことに出会ってしまった(ように思えました)
作者さまのコメントに、
「周囲ではいろんなものが壊れていきます」
「痛いこともすごく多いですが、やはりそれは直視せなあかんと思うのです。夢に生き、夢に殉じた空のバカどもが、もし年若い読者さんにとって、何らかのきっかけになってくれれば、作者としてこんなに嬉しいことはないです。
またこういう、20世紀ネタはやりたいです。今度は刺客くるぐらいのバカを!」
とありました。刺客への責任は取れませんが、是非!やっていただきたいと思うのであります。コバルトやティーンズには、そのくらいのバカさが必要です。(褒めてます)