天上の虹

終わってたんですね天上の虹!!!
私を持統帝ラブにした天上の虹がいつの間にか終わっていたので文庫版買ってきました。

天上の虹(11)<完> (講談社漫画文庫)

天上の虹(11)<完> (講談社漫画文庫)

  • 作者:里中 満智子
  • 発売日: 2015/11/12
  • メディア: ハードカバー
 

 ラストさあ、こういうときくらい大海人様来てくれるかなあとか思っちゃうじゃん?でも来ないんだよこの男は。来てくれることを期待したって絶対きてくれない。人生ってそういうもんだし、どれだけ後悔したって死んだ人は帰ってこないし、人生もっとやれることがあるって思っても体がついていかないことになるんだ。
はーあー。私は美貌の女帝を読んで以来氷高ねーちゃんもラブなので、元正帝がクローズアップされて嬉しいです。嬉しいんだけどさ。
いやほんと、ラストくらい大海人さまきてくれよ…
そういうシビアなところ好きです。

最初は父への反発はおじい様が謀反人として処罰された→遠智が気狂いになったことに加えて、有馬さまの謀反の件があると思うのだけど、有馬さまのことを最後まで忘れないでいてくれてよかったなあって思います。
いや美しかったから。

そして気弱な血はまさに遠智から草壁、そして軽へと隔世遺伝していくので、蘇我の血のあらわれとしてはこの上なく駄目な感じ…。それなら藤原が代頭してもしょうがないと思うのです。
草壁の弱さを阿閇がそれでも愛したから、軽はなんとか生きていけるようになりそうな(天変地異が起こっても騒がないようになったラストには成長が見えた)気もするけど結局早く死んじゃうし、つーかつーか紀ィのことそんなに好きでも無駄だよあの女割と実はビッチやで!
まあでもビッチはあそこで真実の愛なぞに目覚めなければ軽とうまいことやれたと思うので、上皇様余計なことして、とか思われてもしょうがないよね。
宮子ちゃんなんて軽の気狂いのせいで気が狂ったし。お気の毒としか言いようがない。
大伯は大田から優しさを受け取った姉そのものの存在ではあったけれど、きっと彼女がああであったから、大田は妹を恨んでないだろうな、なんて思いました。
大津ははやりすぎたし、やっぱりあの時代に大津のような天皇が必要だったかというとそうでもないだろうし。
でも大津の事件は最後まで尾を引いて、墓をつくろうだの寺をつくろうだの、安麻呂は私を殺していいだの、まったくもって上皇様甘いです。
ふざけんなって文机で殴りつけたあたりのイケメンさ。そりゃあ負ける。大津では負ける。

忍壁ちゃんが立ち直ってくれてよかったね…明日香ちゃん報われたね。最終的に結局一番の理解者として、傍観者であるが故の理解者として生きていた忍壁ちゃん。

一番好きなのは高市様です。長屋も好きだしあの一族ほんと好き。滅びゆく蘇我の最後の輝き。
いやそれはいいんだけど、人麻呂の独白で思い出したんだけど高市様人麻呂と青×してるね?蝶を思ってお耽美にしてもごまかされませんよ?十市以外の女を求めるくらいならいっそ男とか、高市様も結構な勢いでキチガイでした。
御名部様とか理想の女性なのになあ。もったいなさすぎる。
なんでみんな女は一人の人をずっと思ってるとか思うわけ。愛以外にも感情はあるんだよ。ねえ。十市

大海人さまの立場的にはいつまでも正妻に愛を求め続けられていてもってところはあるだろうし、そこまでもう愛とか恋とかじゃなくて、もう一人の自分くらいの勢いで扱っていたと思います。大海人が元気なときに「おまえがいないと考えがまとまらない」というくらいだから、大海人にとっての政策における太陽は、15歳のころから変わらず目の前にあって欲しい存在だったのでしょう。
そこでなんで寺なんだよ、と思いますけど、まあそれが存在する世界であったのかな?概念として?
割と坊主相手に天皇とか上皇が現実論とすり合わせて「仏がなにをしてくれますか」なんて聞いてきたら死ぬしかないと思うけどぼーさんまじぼーさん

氷高様の純真培養さ、純真培養の中大兄の血の体現よ!
いやね、氷高様は下々の者に好かれなくてもいいよだってあなた美人だもの。
下に好かれるって甘いってことで、それは統治者として必要な能力ではないからね。要はなめられてるからな。
新田部皇子そうとうふらふらしながら頭のいい男で、場所としてはジョーカーであったわけだけどそれでも言いたい 長屋の変でおまえなにをやったと
いいんだ…葛城王がちゃんとしてくれれば…