Missing 神降ろしの物語

 

Missing〈13〉神降ろしの物語・完結編 (電撃文庫)

Missing〈13〉神降ろしの物語・完結編 (電撃文庫)

 

 

としやくんマジ半端無く怖い存在になったわけですが、いやもうね、稜子ちゃんと亜紀ちゃんが救いです。頼むからこれ以上異常者を増やすな。

でも最終的には普通の俊也君だったと思う。普通じゃないけど、一番わかりやすい狼さん。親に心配かけてんじゃないよ。(最後さあ、どうせ助からないなら俊也君も異界に行けばよかったのに)

 

『できそこない』について。たぶん亜紀ちゃんが一番嫌いなタイプなんじゃないかなと思います。「欠けている」ものがあって、現実に耐えられなくて、異界に心奪われて、異界ですらも耐えられなかった。現実の方がよほどやさしいと思う。そんな弱い人間は嫌い。弱くあることを肯定するのは嫌。

 

成長すること。文芸部の人間はある意味、空目がもう少し組織的に効率よく動くことを考えればよかったと思うのだけれど、空目が基本的に他者を信用していない限りそれは無理だった。亜紀ちゃんは組織全体を見て動けば冷徹でいられたかもしれないけれど、それはそれで違うんだよね。魂の形じゃないんだなあ。

 

…っていうか、黒服とか、いたね(いまさらながらに)すっげえフォローだけさせられてる気がするのだが。

 

亜紀ちゃんは最後にうまく育てば、犬を使って空目に協力できる立場だったわけですね。うーん、どうじさまがここに至るとは思わんかった。所詮人にまぎれて生きるしかない、と。どう考えても一番変わることが出来なかったのは彼女ですが、それでも生きる覚悟を持って、幸せに生きていくことに多少の妥協を覚えながらも安住することを是としてくのではないかしら。

 

魔っつん…!やばいよあんた男だよ。ここにきて株が急上昇ですわ。(武巳の株が上がることがないんだけど)もう正直武巳の想二君をいけにえにすれば全部丸く収まったじゃん。武巳君…あーでもここで武巳に期待しないのが空目だもんなあ。ああもう、この馬鹿者。

そして追憶者になった武巳。正直稜子ちゃんの方が賢いとは思うのだけれど。一番最初に鈴なんぞ持たんかったらよかったのか。いやでも最初から武巳君は『異常に憧れる』とかいう変人大好き設定があったからなあ。

稜子ちゃんが最後にはハブられてた気もしますが、…彼女には保護者もいるし、一番幸せであってくれてよかったです。希ちゃんも無事だよね?