Missing 目隠しの物語

 

Missing〈5〉目隠しの物語 (電撃文庫)

Missing〈5〉目隠しの物語 (電撃文庫)

 

 

そうじさま、降臨。

正直そうじという名前を見た時、いくら漢字が違うからといっても、総てを司るどっかの誰かさんを彷彿とさせて笑いがこみ上げてきました。そういえば表紙の武巳君の服装は完全にあさぎ色ですね。

…まあそれはともかく。

 

こっくりさんがヒステリーというのの話は亜紀ちゃんも言うように事件化したことで知られるようになったわけで。

 

亜紀ちゃんのプライドがある意味ラストの目隠しを完成させてしまったような気もするのですが。逆に言えばそうなる可能性もあるにも関わらず亜紀ちゃんがちゃんと生きていることは素直にケモノだなあと思うわけです。

この物語では、文芸部の面々以外はいつ死ぬかわからんというお約束があるわけですが、前回の話が大迫家一族ぐるみだということでまだ納得できたものの、今回の話は…親御さん、どういう気持ちになるんだ。

 

ドラマCDはこれの続きで、「呼び声の物語」として、月子さんの話だったのですが、この話を読む限り、月子さんと亜紀ちゃんの間につながりはないな、と。あのCDで最終的に亜紀ちゃんが異界にとらわれたことを思えば面識あったのかと思っていたのですが。

思い起こせや ま白き月よ 己が命を賭してまで 夢幻を還すは気高き魂♪ というあやめちゃんの歌が唐突に始まったことを今思えばびっくりものです(当時はまったく気にしていなかった)挙句に亜紀ちゃんが月子さんに説教たれますからね。オチは「反魂曲」です。(別に知ってる人は誰しもそう命名すると思うぞ。名づけられし暗黒らしいのだろうか)

この話読むと、月子さんは忘れられたくはない(コンプレックス的な意味で)と思うが、怪異そのものになることには抵抗を覚える(プライド的な意味で)から「たすけて」なんだろうな。

 

ドラマCDのおまけは百物語で、陛下は怪異譚をことごとく論破していくけれど、最後の武巳の実体験、「あなた、憑いてるわよ」「それじゃ、気をつけてね」と見えない女の子に言われる(そうじさまが憑いてる?)話は完全にオカルトだね、というオチでした。

買ったんじゃなくて、付属?のタロットカードの絵が綺麗すぎて友人に借りたら意外に面白かったのさ。