龍馬伝雑感

■主人公のキャスト

坂本龍馬福山雅治、というのはどうかと聞かれてもよくわからない、という方が正しい。

そもそも福山さんってミュージシャンで、周りに好きな子はいたが、かと言って今時音楽に興味なく、ひたすら歴史モノドラマばっかり見ていた私には異世界の人であったことは確かなのだ。そして探偵ガリレオで初めて見た時は、誰かに似てるな…と思ってずっと見ていたのだが、クセのない内野氏だということに気づいた(誰にも同意されない)。

wikiったところ普通に昔からドラマに出ている人だと気づいて驚愕した。ひとつ屋根の下はそのうちみてやろうと思う。しかし出演作品を見るかぎり、斜に構えたというか冷静な役が多い、ように思うのは気のせいか?あの顔だし?あの演技だし(えー)?

 

さて近頃の坂本龍馬役と言えばまずはJINでの内野氏だと思う。風林火山やエリザや蝉しぐれを見ているともう内野氏には演技力において一抹の不安も覚えないし、実にすばらしいというか、そうよ!とこぶしを握りたくなる龍馬だった。

篤姫の玉木さんは…うん、なんというか、革新的龍馬ではなかったというか、そんなに印象にないというか、まあなんというか、まだまだだねって…(あー)

新選組!での江口さんは、あの時点では私の龍馬は江口さんだってくらい龍馬。龍馬のイメージが完全に江口さんで固まったくらい個人的にはハマってた。

 

龍馬って、認知度が絶大で資料もある程度そろってるっていう、大河にはしやすいキャラなんじゃないかと。認知度が絶大ってことは、色々な龍馬像があらゆる人にあるってわけで、つまりどんなキャラにしてもたいていは受け入れてもらえる。「こんな龍馬もありだね」みたいな。そして歴史的には知られてることはポイントポイントがある、沿ったエピソードもある、っていう素材はそろってるしどんな味付けも受け入れてもらえる料理みたい。だからこそ料理人が見えてしまうんだけれど。

ちなみに個人的に「直江兼続→コアな認知度、コアなポイント、コアなエピ→まず素材から探さないといけないし、少数の知ってる人に統一された味付けがある」っていう点で去年の主人公は扱いにくかったとは思います。型を知って破るのは型破りだが知らないで破るのはただの無知と言いますが、型自体が型として成立していたか微妙なところではありましたし。まあそれを差っ引いても出来が悪すぎましたけどね。直江自体がコアでも戦国って時代はコアじゃないんだからさ。

比べると、篤姫って条件同じなはずなのだ。コアだ。でも言いたかないし認めたかないが、歴史好きな男+幕末が篤姫を思いっきりとりあげようとしないというか、所詮女よ雰囲気があるような気がしないか。戦国+男だから骨太大河を期待して超アットホームだったことに萎えただけで、幕末+女だから恋愛要素が入っていても大丈夫、みたいなところがあるような気がする。

うわあ、なんか屈辱。この発想に至る自分が。戦国+女とかもう、男はただの戦だけの脳無し筋肉馬鹿みたいな扱いの時すらあるから、この組み合わせは嫌いじゃない。だって前提として女尊だもん。こざかしい女だもん。でもそんな妻がいなけりゃ夫も立ちいかないのよっ!って。ふふふ、嫌いじゃないとも。歴史と思わないなら最高に楽しいドラマだとも。でもこれだけ堂々とそんなドラマが成立するのは歴史が絡んでこそ(民放ではさすがにストーリー的に文句がくるだろ)だから、好きだ。ベタと言われようと、私は好きだ。

でもその人物は選んでほしい。今まではただのこざかしい女タイプしか主人公になってないからいいが、これが日野富子とかでこういうストーリーされてみろ?暴動起こすから。直江をそのタイプの主人公にしてしまってキレたように、そういうタイプにしてしまってはいけない女性というのも歴史の中にはたくさんいると思うのだ。