愛を掲げよ

あまりにも心が痛んできたので最終回を見て大いに笑うことにいたします。

 

「愛」。まあそらそうだろうなっていう最終回のでっかい字です。

 

人々の暮らしって兼続が生きてたあたりですでにうるおいはじめてたかどうかは疑問です。米沢は結局幕末まで貧困に苦しんだような気すらするので。

わらわらわら…と兼続に群がる若い家臣。かわゆす、じゃなくてなんか赤い鯨みたいでかわゆすなのです。にぱ~☆この家臣群がわかりやすくてね、兼続あんど景明は賢い、他は熱血馬鹿、ってまるで部活みたいでよろしいこと。みなさま白髪になっても元気ですね。私もこうありたいです。

 

景明さんがお亡くなりに。あの時代ぽっくり亡くなることもよくあったということですね。なんか皆様に振り回されていたようですが、その気苦労がたたったんじゃないですか。上杉をもとのようにしたかったっていうのは、やっぱり徳川の世になった弊害だったわけだし、一致団結してこの危機に挑んだとしても、色々とひずみは出てきてたと思うの。ほけほけ笑ってんじゃねーよじじい共。この子の死に際の演技好きですよ。

「そうか。…惜しい息子を亡くしたの」「残念至極にございます」っていうのの、景勝の声が素敵すぎるし(もう耳レイプやわ)、笑顔の中で泣いている兼続も切ないですわ。そのあとで、景明の好物を亡くなったのに作っちゃうお船もね。

 

ただ、「大小さまざまな事をお船に相談すると良い。北条政子も(ry)兼続の妻も、これに似たり」と、尼将軍とまで言われた政子さんにたとえられてるんですよ?お船さんは。いわば孫策の死後の周瑜じゃないですか?(え)そのお船さんがね、政治的手腕としてあまり生きてないですよ。このドラマ。利まつのまつさんだってもっともっと政治的に(立場的に一緒なはずなのに)絡んでたよ。そこが割と残念。利まつは色々なことがまつの手柄にされた話だったし、それを受け入れる利家も、まつのいないところで自分一人で頑張ったシーンもあったからこそよかったのだよ。かねたんマンセーすぎてお船さんがね。でーく、でーくになってますよもう。ああ残念。一人の女としての生涯だったけど、そこが主題に絡むほどではなかったのだ。兼続が愛と義を貫いたことで色々おきたはずの軋轢を、被った役だとしてもよかった。でもそれすらなくて、なんだか、ダメだ。感情移入できない。女として成功だったかもしれないけど、もうなんというか、スイーツ的生き方は嫌いなのです。お船さんはもとはスイーツじゃなかったのに、兼続と結婚なんかしたからおとなしくなっちゃった気すらする。結婚は人生の墓場だ。

 

「嘆いたとて、もう戻りはせぬ」わかってんだよそんなことは!もうちょっとマシな文句ないのか。ないなら黙って抱きしめとけよ!!「まだ何も果たしてなどおりませぬ」って言いたくもなろうよ。女の扱いが下手な奴だな兼続も。

で、その、お船さんが泣きながら作った料理をなに「気にするな」って振る舞っちゃってるんですかね。もう最低じゃないですか兼続。「にぎやかな方が気がまぎれる」ってまぎれるのはあなたの気だけだよ。天命天命言ってんじゃねえよ。それは男の言い訳だ。

 

さて家康様もご臨終に。これこそ戦国の終わりな気もします。しかしすげえな、庭…じゃね、吹き抜け?に面した寝所がかつてあったろうか。

いつ見ても笑える政宗の眼帯、の紐。なんかねじり鉢巻きみたいなんだもん…。これも最後と思うと。「言葉には十重気をつけよ」って口が軽いのがねえ、兼続さんの難点ですよね。

政宗と兼続って組み合わせがもう面白いよね。兼続と小十郎とかならめっさ萌えるのに。あ、死んでるか、もう。

直江状のことを覚えてるぞ、とかね、家康もまあ嫌味ったらしいですね。徳川に取り入ろうったってそうはいかんぞ、と政宗に言ったりね、ていうか政宗本当に何考えてるかわかんない無表情で怖いわ。

政宗の不屈の闘志と生来の疑り深さを(なんつーこというのよEQ!)秀忠に」という家康に「お安い御用」と返す政宗。キャーかっこいい!「兼続、得意の愛と義を伝授せい」って、ああもうよくぞ、よくぞ言ってくださった大御所さま!この皮肉な感じ大好き。「戦無き世には、上杉のこざかしい理屈も政事のよき指針となろう」うーん強烈。こざかしい理屈ばっか振り回しおって、だから負けたんだろう!っていう家康素敵。実際そうですからねえ。と思ったら兼続「わが愛と義がなんたるかは、お教えすることはできませぬ。(この時の政宗の顔が、「おい言葉には気をつけろって言っただろーが」みたいな)志とはお貸しできるものではありませぬ」ふぉっふぉっふぉっって今にも言いそうな家康マンセー

こう…遠まわしに断わってんの、か?だとしても下手な言い方だなおい。言い返しにも、結局敗者なのが漂っていて嫌。所詮絶対的に勝者と敗者が固まった状態でなに言ったところで、痛くも痒くもないのだよ。家康もいくら前苦しめられたからって、ここで「もう裏切るなよ」と言わせちゃったらそれは太閤殿下と一緒になってしまうよ。そういう無駄な誓いとかそういうものを一切切ってきた人という人物設定(愛と義に反する人=家康みたいな構図だったから)なだけに、嫌味言ってる間があったらもちっと建設的な絶対権力のためになんかしてるんでね?と思うが。

 

お船さんに景勝がお見舞いに。病床ってことを出したいんだと思いますが、一枚羽織って袖を通さない着方に一瞬幸様を見ました。末期です。しかし老けた。老けメイクよくぞって感じ。景勝は口下手なのに頑張って励ましてる感があって、もうこぶし握りたくなります。馬とか、若いころとか、いつだよ。もう発言が滑ってKYになるたびに応援したくなります。なんだろう兼続の時はそんなこと全く思わないのに。「変わらず美しい」旦那のいない隙に弱ってる奥さんを口説く間男みたいですよ景勝さん。

 

「幼き頃より幾多の者に裏切られてきた。それゆえ多くの者をわしも裏切った。先に進むために心の痛みを捨てた。されど秀忠の冷たい目が、父上の生涯はなんだったのか、と。愛も義もない生涯に、なんの意味があったのかと。」家康さんがここにきてデレですよ。なにこの総受け風味な大御所様。確かに色々裏切られたけどそれによって幾多の出会いもあったでしょ。裏切り裏切られなんて日常茶飯事じゃん。心の痛みを背負ったのか感じなくなったのかはまあ置いておこう、個人の勝手だそれは。

しかしだな、愛も義もない生涯って家康公に言わせないでほしかった。個人的な感情ですが、愛知の三英傑に関してなにを言われようと私はマンセーですからね。鳥居元忠とかどうなんのよ。愛も義もなくて天下が取れるかよ。天下を取るのは天、地、人だとか前信長言ってたじゃん。人の和があったからでしょ。なにをしたって立派に天下を取って徳川260年の太平の世(太平と一概にはいわないけど)を築いたじゃねーかい。おまえがなにをしたよ秀忠。

「その秀忠様に次の御代を託された大御所さまの胸の内、秀忠様ならわかっております」「わしが果たせなかった父の役目、わしに代わって果たしてやってくれ 頼む」なんでこの期に及んで秀忠の親役をよりによって兼続がしなきゃいけないのよ。江はどこ行ったのさ。ていうかそんな憐れむような目線で家康見るのやめてくれない?兼続の結果は米沢でしょ。家康は天下だよ。仮に一万歩譲って秀忠がただのあほだったとしても、息子生きてるじゃん。兼続の息子はそりゃ兼続慕ってたけど死んだじゃん。

ま、まあこれで上杉の反逆はなくなったわけだし、兼続の愛と義の隙をついた家康のデレを見せかけて実は全く心許してないとかいう展開だったら納得なので、そういうシーンがあればいいなあって思って見てました。なかったけど。正直者(=愛と義信者)が自己満でうまくいく世の中でございってストーリーなら深かったのに。

一応ナレーションでフォローしてくれてるからいいとしましょう。

 

「これからは改めてよろしく頼むぞ」なーんて秀忠に言われちゃって、おいおい中川さんとかもうミュージカル界では神みたいな扱い(個人的視点)なのにこんなキャラ設定ない役でいいのかと思いつつ、政宗と兼続仲良すぎだろうとかもあり。「おい、そこの若いの、茶をたててまいれ」なんて廊下に座り込んじゃう政宗。「最後まで食えぬ親父だったが」と、なんか…「ふ、やるなお主」「お主こそ」というジャンプみたいなやりとりを重んじる政宗さんです。

「伊達様は遅れてきた天下人でございます、あと少しはやくお生まれになってたら(天下を取っていたかもと申すか)。ただしそのときはわが上杉がお相手になってました」とこっちもこっちでジャンプ節炸裂。ヨイショしつつギャグにするけど現実的にはもう徳川のものだからね、天下は。ふふふ、と笑ってる場合じゃないよ政宗公。殺していいよそこの男。

 

「あそこにおられる」なんかこういうパターン多いな。ひとつの話題してる間に声→振り返ると人が来る→新しい展開、みたいな。「乱世を知らない我々に戦の話をしてくださいませ」とかいきなり来る人たち。ここはどこですか仮にも江戸城ですよ。誰の家臣だ名を名乗られい。そんなに話を聞きたいなら落城経験豊富な江さんがいるでしょ。兼続って戦で名を挙げた将でもないじゃない。まだ政宗の方が適役でしょ。しかもいきなり声かけるとか無礼千万。百歩譲ってそこの垣根を越えたい向上心のある人と思えるが、しかしこれから戦国じゃなく太平の世ですが。秀忠の教え役に近づきたいって話か。ならまだわかるが。

そして怒涛のように増えていく聴衆家臣。その人直江状とか叩きつけた人ですけど家康亡くなったらもういいんですか。なんかね、恥ずかしい。なにこの信者。マンセーもここまで露骨だと恥ずかしい。愛と義の代わりに羞恥心を小早川に持ってかれたんじゃないですか。

 

まずは、信長さまじゃ。…そこで謙信公じゃないあたり、阿部ちゃんが草場の影から泣いてるよ。兼続はただの好々爺ですね。あー…。大体信長さまと会ったときは

 

猿に似ておられましたか!って笑いものにしていい人か。おい。愛知県人に喧嘩売ってるのか?人たらしなところはいいよね。KYOの幸村が、太閤殿下が好きだった、って一言で語るところ、私はすごい好きだったの。天下万民が好きなの。「平和のために戦をする。この世は金じゃ。民百姓視点がようやく安心できる国になったのだ。」ってもうなんかねえ。最初のセリフは必要悪と思えないでもないが、最終的に民百姓が安心できる国なわけなかろ。刀狩やら太閤検地はなんだよ。支配者と奴隷っていう価値観から抜け出せてないよ。

関ヶ原への負け戦は、なにより太閤殿下に詫びねばならぬ。っておまえがなによりすべき点はそこじゃない。関ヶ原は別に徳川VS豊臣というわけでもない。寧々さんとかまで詫びることになるぞ。とりあえずあの世に行ったらいの一番に謙信公に謝ってください。越後から米沢に国移しにあったんだから!!

 

そして関ヶ原で一番だったのは三成です、とか言うにこと欠いてもう。あの男ほどこの国を想い案じていたものを知らぬ。と。関ヶ原は別に想いの深さを争う戦いじゃないですよ。「この日本国を見つめる目を持たねばならぬ」と。言いたいことはわかるけどそれで負けたよね。負けて死んだらどんな理想も無に帰すんだよ。「生きて必ず我らの義を後世に伝えよ」と。伝えた相手がこの家臣団や秀忠だとしても、それで続いた徳川の世になにも還元されてないと思うがな。ついでに秀忠とかうっかり感動してるけど、なんか不良のたまり場に行って「熱い…」ってなる優等生みたいだから。悪い連中と付き合うのはやめなさい!って言いたくなる。三成=正義なんて言って今の太平の世を崩したら秀吉の遺言も果たせないでしょ。言葉は立派だけど何にも現実に即してないのよ。だからいちいちツッコミたくなるの。理想も語れないのは最悪だけど、理想だけ語ったって現実はついてこないのよ。小栗さんの熱演技を見れただけでよしとしよう。しかしこの家臣団演技ド下手ね。

後ろの秀忠に気づいてだと思うけど、「我らの義を後世に伝えるという三成との約束を果たせた」と超自己満。えー。その程度の想いじゃなかったと思うけど。ま、大河の前の視聴者に、ってことにしましょうか。

どうでもいいけど三成、なんかこの髪型、藤竜に似てる。ていうかそれだ。髪型のせいでどうも総司思い出したのよ!納得。双方イケメンだし。

 

初音。び、びっくりした。つてって、どんなつてたどったら南蛮船なの。いや、いいんだけど。っていうか弟さんのことはいいんですか。強い人のもとに行く設定どうなったんでしたっけ。なら家光のところにでも行きなさいよ。戦乱の世じゃなくて太平の世では初音さんのようにふらふらと人生設計もせずに生きてきた人には生きづらいのだろうか。おみっちゃんの夢をかなえるためとか。弟の夢はいいのか。

ていうかもういいよ兼続。おまえが三成好きなのはよくわかったよ。好きなんだろ!!お船とどっちが好きかって言われたら三成なんだろ!ごちそうさまでした。個人的には下剋上好きなので兼続と景勝の絡みが一番ですけど、でもここまでらぶらぶしてくれたらもういいです。言うことはない。三成マンセー。ひとつくらいそれを全面に押し出した大河があってもいいよな。

 

なんで隠居なんだーっていうのは全く正論だと思います。兼続正直自分の決めたこと推し進めすぎて回りに冷たいよね。自己満っていうか自己満っていうか。あ、久しぶりにギャグ。ほ。

 

「越後の景色をみてくるといい」ってあなた、入鉄砲に出女!そんな無茶な!

…出れた。飄々と越後にいるよこの夫婦。もう兼続が好々爺過ぎて頭馬鹿になってますよね。ていうかお船さんすげえよこのメイク。このドラマ、みんな一応老けるよね、よかった。春日山をのぼってるのか?えっとたぶん2時間あれば確実に上まで行けます。っていうか「どうじゃ」っていわれて一瞬固まったよ。なにが?って思ってしまった。越後って言って山見せるなよ。びっくりしたじゃねーか。春日山はねえ、いい場所です。でもあの当時には色々建物あったと思うの。城とか屋敷とか。なんでこんな…今の春日山みたいになってるの。

「心に生きづく者たちがわしらをここまで導いてくれた」とか言ってますがそれは勝者が…たとえば家康が元忠に言うと心に響くセリフなんじゃないかと。死んだ人は生きてる人の心で生き続けるって言ったってねえ。

 

米沢までお船さんをラチってきて、景勝さんとの会話見ていて、本当に景勝さんが天下人って言われても納得、って思いました。ああ格好いい。

まさかの岩屋設定引っ張ってきた(爆)あの春日山毘沙門堂設定は黒歴史かと思っていたわ。変な伏線回収せんといて。離れたところにないと頼っちゃうからっていう景勝さまをいますぐ極楽浄土に連れて行ってさしあげたい。「苦労をかけた」って…幸様!待って真田はその苦労がなきゃ存在価値もなかったんだから大丈夫よ!もう死ぬみたいよね兼続。最終回らしい回想シーンのオンパレードなんだけど、もうなんつーか、景勝×兼続と思えば全く違和感なく楽しめました。愛のメモリーと思えばさあもっと!っていうか。かっこいいよ景勝。なにこの無上の信頼。わしは、その盾となる、とかね、やめてこれ以上惚れさせてどうするっていうの。

 

大河の公式HPに妻夫木さんのインタビューが載っていたんですが、ああ確かに仏っぽかったって思います。でもね、未来ある若者としてはそんな境地に至るより先にしなきゃいけないことがあるのよって。あと景勝の義、と兼続の愛。…逆じゃね?景勝が表だってのことをすべて引き受けたなら、景勝の愛と兼続の義、なんじゃないか?愛愛愛。まるで愛乞食だ(by蒔生)。

 

そういえばもみじってなんの話だったっけ…。いやストーリーの軸なのは覚えてるんだけど。えっと、冬(=米沢)を生き伸びる木(上杉)のために散っていく葉(無くなる直江家)の象徴だっけ。主君に尽くす家臣、みたいな?大丈夫、木はもみじあってこそ、もみじが一番目立ってるから!木そっちのけで!よかったね!

 

私が完全にスイーツが嫌いになったのも思えばこの大河があってこそ。人生設計も狂ったぞ。どうしてくれよう。