ブラザー・サン シスター・ムーン

恩田陸の趣味丸出し本だなあ。

好きです。恩田陸史上3位くらいに入るかもしれない。

音楽に関しては私の中でグラスハート、というかヴァークロのイメージ。だからよくわからないのですねw

というわけで音楽やってる戸崎に関してはまったく共感できませんでした(こら)

 

綾音は好きだなあ。

この「書くのが業」というのもよくわかる。私は書くと言うより自分のおもいを表出することが業だと思っている。そうじゃなきゃ延々ブログ書いてない。

以前と好きな本が一緒というのが切なさ乱れうちなんだけど。ね。

ところで私の思考と、時に書く言葉が、綾音の章と妙に同じであるわけで、私はまだちゅうにびょうなのだなと思い知らされます。

女子大生である時の、「誰にも管理されない」という感覚は、今もまだ(働き始めてすらも)「管理されている」感覚の消えない私にはある程度しか理解できないものではある。

女性的だなあと思った。平たく言うと、気まぐれで、感情的で、強烈な自尊心があるくせに非常に小心者で、とても嫉妬深い上に異常なほど猜疑心が強いのである。

ただ「光の中に消えて行く」ことが、その誰にも管理されない自由と裏返しの恐怖であることはなんとなくわかった。というか進路を決める時にいつも感じていた。今まで乗っていたレールが今ここで途切れて、ここから打ち直していかなければならないことを。今まで打っていてくれていたのは両親であって、まだこれから先も打ちつづけられていく、それが歴史と理解するまでは怖かった。怖かったからみやちゃん小説まで書いてしまった。終わってないけど\(^O^)/

 

「私たち、別れるために出会ったのね」

おまえ冒頭で綾音は「こんどハコちゃんに聞いてみよっと」とまで言ってるのになんつー悟り方をしておるのだ!

心象風景。ナタリー・ウッド。正しい少女たち。

蛇の降る午後。柳の木。バインダーを弾く音。

三人が並んで座っている座席。優しい暗がり。

…「陽のあたる場所」

 

ちなみに私の青春は本と漫画で過ぎていきました。もちろん覚えているとも。

 

自意識過剰なのにコンプレックスの塊で、やっとプライバシーを手に入れたのに人恋しく、何者かになりたくてたまらないのに、足を踏み出すのは恐ろしかった。