真田がリョーマに雷を見せたあたり

ここのところは今をもって納得がいかないんだけどね…。

ほら真田ってたぶん本誌では幸村とは相いれない人間だったと思うし、まったくタイプの違う、しかしトップに立てる2人が一つのチームにいたことが不運だったと思うのです。つまり高耶さんに対する直江みたいなもんでさ。最初はすっごく直江が苦しいと思うのだ。400年もたてばああだけど、若干14歳の真田君(笑うところ)にそれを求めるのは酷ってもんじゃないかい?

話は脱線するが、そういう関係っていいじゃないか。真田は幸村には決して勝てないというプライドにまみれてああだったけど、幸村は幸村で真田を「追ってこい」と思っていたのかもしれない。テニスというコートで一人孤独に勝ち続ける幸村は、追ってくる存在である真田を見て初めて自分を確信できるような。

不二先輩ももしかしたらそうかもしれない。弟が追い続けてくれる自分であることを求めていたら。

ただな、だからってその行動はどうなんだ。

幸村は部長だ。実際部長らしいことをしてたかどうかは思いっきり疑問が残るが、それでも責任とか、そういうものを負っていたのは彼だ。前を行く彼が不敗であるからこそ立海は常勝に向かえる、それがどれほどの風を受けて立っていたか。幸村が無敵すぎて忘れそうなことである@マリリアード。

幸村が倒れた時だって、幸村をあくまで「部長」にして真田が「部長代理」になっていたわけで、だからこそ真田は「真っ向勝負」が出来たのだ。それを真田は完全に忘れてるからこそむかつくのよね。

わかりやすく言えば白石だ。「ぶっちゃけ完璧ほど詰まらんものはないけど」それが彼の本音かもしれない、でも「勝って確実にチームに一勝を刻みつけることが使命」と理解してテニスをしているのだ。

SQでもそうだってわかった、手塚だって。「自分のためにテニスをしなさい」と言われるくらいなのだ。

べっさまは…まあ跡部は実はようわからんが、それでも勝つために手塚の腕に持久戦を持ちこんで、終わった後に相手をたたえる、それくらいしか出来んのだ、部長というやつは!!

なのに、だ。真田はその重圧から無縁じゃないか。真っ向勝負にこだわるっていうのがな!あいつは(だんだん書いてるうちに腹が立ってきた)自分でも無意識に幸村を隠れ蓑にしてる気がする。幸村の立場に一度立ってみろよってんだ。

悪気はない。負け試合を「部長が倒れたからしょうがないよね」なんて言われたらはっ倒すだろう。でもそれはただひたすら「負けたことに言い訳を作ること」に怒るんだろう、あいつは。「幸村が倒れたせいにされた」ことに怒るんじゃなくて。

というのが本誌の真田。いや一時期は旦那にするなら真田みたいな男とか言ってたくらいタイプなんですが、なんでこんなに怒れてくるんだ私。あれか、大好きな時期を過ぎたら嫌いな所が目につくってやつか。

で、だ。アニプリはなんだか知らんが「真田→幸村」だったらしいな。

「俺にはテニスしかないから」とか言った、とか。「結局最後は、自分を信じるしかないということを」

若干14歳にして何悟ってんだよ幸村。それは中学3年生の至る境地じゃない。そうだ、それが世界の真理かもしれんが、それでもまだ夢見ていい頃だろう、仲間がいると。

しかし、ここでテニミュを見るとだな、えーと。

まず最初の王子と兼ちゃんの関係がだな、あまりに理想的だったのだよ真幸的に!

人見知りの兼ちゃんに強引ともいえるアプローチをかけて夫婦になった王子(合ってるはずだ)。しっかりしてる兼ちゃんに頼っているような天然王子。真田はしっかりしてる=好きな幸村を支えられる的な男の理想に酔いしれる=ますます増長するししきり始める、と。で幸村はにこにこ見守ってる。どっちがどう大人なのか、はかり知れん2人であった。

ていうかもうなんつーか、病の妻に対する昭和の夫だもんな。

次、まっすーは、バクステを見る限り王子並みの天然ではある(ただし方向が違う)

でもまっすーは演じたのは世紀末覇者だ。断じて病弱妻ではない。原作からして幸村の二面性は不二先輩もびっくりなレベルなんだから、タイプの違う2人で演じるのはよい判断だったと思う(なぜか上から目線)

んで真田は幸村のいない立海をずーっと背負ってたってことで兼ちゃん。兼ちゃんはミスターテニミュとなるくらい、テニミュを支えていた。

なんかそこで、ミュージカルと↑my原作解釈に齟齬が生じた、と思う。兼ちゃんの成長っぷりとか支えっぷりがすごくって、真田まで幸村不在の立海を支え続けた気になってしまうのだ。

ちげぇだろ、と私は思う。

神の子っていう称号はかなりの高みで、誰もたどり着けない境地で、真田もそう思ってしまっていたら、そりゃライバルに雷見せちゃうし真っ向勝負でも勝つそれが立海とか言えちゃうと思うのだ。それは真田の甘えにすぎない。てめえ同じ年の男に甘えてんだぞ?無意識に。

でも死に物狂いでリハビリして、三連覇に超こだわって、「動きが悪すぎるよ」とか言っちゃう幸村は、はっきり言って生身の人間だと思う。周囲に神の子という姿を見せつけて、イラつくことも威圧的になるくらいで立海を率いていくけど、冷静に考えろよ14歳でついこの間退院した病み上がりだぜ?周りだって「えっちょっと荷物持とうか?」になるだろ?

それを受けたら幸村は弱くなることを知っていたんじゃないか。幸村が弱いということはつまり、立海が弱くなるということだ。ただでさえ幸村不在の立海が負けたんだ、そこで部長も病み上がりってそりゃ周囲の目線もぬるいものになるだろ。部長として、それは耐えられなかったんじゃないか?そうじゃなきゃネット踏んで止めないよ。真田の負けをまたしても皆の前で見せるわけにいかなかったんじゃないのか。

で、そこでミュージカルは、やっぱり幸村は一人高みにいたような気がするのだ。「俺を叩きのめせよ」と。高みにある自分に向かってこいよ、と。

ただ負ける幸村は見たくなくて見れないというアホな欠点のために、いまだに負けるシーンのミュージカルが見れていないのでなにも語らん。

負けたシーン。そういえば幸村は「現実テニス」であった。で、円卓ショットで「ボールは決して分身しない」とかなんとか言っていたのに負け方は2つに割れたボールを打ち損ね、た…んだったか?1回は拾えたけど2回目は拾えなかったとかそういうのだった気がする。そういえば真田が無責任になんか叫んでたな。まあいいか。

なんつうかさ、まあボールが割れるのもありえんが、やっぱその場合、その試合(というかそのポイント)、無効なんじゃね…?と思う。いやもういいけど。このみんが言いたかったのはそんなことじゃないのはわかっている。ただ越前リョーマ、おまえが部長だったらもうちょっと色々背負ってたと思うし、絶対テニスを楽しむなんて境地には至れなかったと思う、ぞ…いや至れたかも。リョーマって相当周りに遠慮しないし自分よければいいタイプだからな。天才だから。

あ、だから章名がgeniusなのか。努力は天才に勝てないよ。まともな神経の奴は天才にはなれないよ。楽しめるなんてKYなこと出来るのも天才だからこそだ。

なんかもう眠くなったので寝ます。