姫神さまに願いを 〜久遠の夢の涯〜 (姫神さまに願いをシリーズ) (コバルト文庫)
- 作者: 藤原眞莉,鳴海ゆき
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/07/28
- メディア: 文庫
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「すべてが終わったら、あたしたちのことを誰も知らなくなるまで、一緒に眠りましょう」
それは人としての死に等しい。
そういえば熊本編での高耶さんもそうでしたね。終わったら、静かに過ごそうって思ってたのに。そこを考えると嵐のような直江の情があのときはただひたすら鬱陶しかった。(ええ!
信長にとっての於濃が、於市にとってのルイス。なんとしてでも手に入れたい相手。恐ろしや織田の血筋。墓標であり、自分の終わりを任せられる者。
信長が退屈をもてあましている時にまたしても於濃は。このタイミングがね。心憎いわ。
抱けば殺してしまうとは、かつてテンがカイさんに行ったことです。平ちゃんがあの頃はいたのよねー。
家康さんが成長したと何度も言いましたけど、その伏線がいちいち懐かしい。どこだっけ竹千代ちゃんと出会ったのは。あのときにまず生きてみろよと言ったのはカイさんだった。
信長は光秀さんのこと知ってたわけで、だから杯を信忠に渡したわけで。それは微妙な愛情だな。
光秀さんの深い因縁の解きほぐし方に恐れ入りました。冷徹すぎるくらいに考えてる。乱世を終わらせ、因縁を断つためにやったとしたらすげえ。
その相手であるところの信長さんにとってはまじどうでもいいことだったみたいですけど。
とりあえずあの信長にも老いということがあったのか。それはたぶんまた於濃さんが戻ってきたからだと思うけど。
「それがどうした、たわけ!もはや織田に天魔はいらぬ!俺とて織田なぞどうでもよい!」ああああ言い切った!こいつ言い切ったよ!!
「わたしは、あなたが欲しい」
いつもいつも何も欲さなかった蝶姫が唯一欲したのが最後っていうのがまた。
連れてゆけ、と。
信長はいつも於濃の手を引いてきたけれど、今回限りは於濃が手をひくんだなあ。
あかんもうほっとしすぎて懐かしい。
於市さんはーえーもう織田であることに誇りを持ってルイスを守ってやってくださいです。はい。好きに生きようあんたも。一緒に黄泉路に下るがいい。
はい。終わりました。終わりが拍子抜けと言われようとも。
平安編でハルさんがずっと言っていたように、子供を産み、血をつなげていくことこそ最高の呪だということでこうなったのは、納得です。
これでハルさんは一人神として残されちゃったわけですが。彼は彼で陰陽道の神という呪がいい加減消えないことでしょうから。