序章
漁姫と姉姫。これだけ読むと、石長姫と木花咲耶姫思い出す(たぶん京極の影響)。
これで姉姫を許せたら妹姫は顔だけじゃなくて性格がよかったんだよという話だと思いますが、まあ冷静に考えて、憐れみにも似た感情を美しい欲しいものをすべて持ってる妹から向けられたら、妹命になるかキレるかどっちかではないでしょうか。少なくとも私ならキレる(←性格悪い)。
早春の街
沙織が修学旅行でウキウキしてんのに、その目の前で高耶の心配をする譲。いやもういい、そこに関してはあの阿蘇で諦めた。
でも沙織とかうまく育てばよかったのにって思わないでもない。彼女は40巻の後の世界で、どうやって生きて行くのだろう。だって1巻で彼女ってば骸骨殴ってるんだぜ…。あの深志の仰木もびっくりだよ。
挙句に何気に高耶さんの変化に気づいてるしな!
この、学校の話をする高耶さんの顔っていうか、諦めなのかなんなのか、とにかくその顔は、高耶さんのあの時の、岬の家発言を思い出したりして。痛いな。
なにかを喪失しなければ前へは進めないのかな。それはそうだと思うけれど、それは捨ててもいい何かなのか、それとも捨てたことを後で後悔するものなのか。っていうのがその時にはわからない。
置いてきた痛みたちへ
↑これ章名好き!曲も好きだけど!
美弥ちゃんに暗示をかけた高耶さんに対し、譲が『心配することもできないようにさせるなんて、それがおまえ大事なやつにとってどれだけ残酷なことなのか、おまえわかってないよ!』って言うシーンがあるんですが。
高耶さんもっと、もっとこの言葉を大事に!胸の奥にとって置いてください!!そうしたら24巻で直江が同じこと言わずに済むから!マジでお願いしますよ。
『おまえが背負ってるもの、少しでも軽くなるよう、力になるからさ』
譲も直江も、結局のところ高耶さんが大事で、高耶さんがいつも置き去りにしてしまうことを、彼に頑張って思い起こさせているような気がする。伊勢で譲が直江を受け入れたのも、そういったことがお互いわかっていたからなのかもしれない。
『オレは、この街が嫌いだ』から始まる日常のもろもろを、彼はこの街に置いていく痛みととらえたのかな。そして、
『責任のない傍観者の意見に、オレは耳を貸さない』『あいつをどうこうする資格はオレにだけある。ほかの何人たりとも、権利は与えない』
ちーさんこの頃からこんなに心配してるのに最後の最後まであれってもう…さすが三国一の直高野郎…(こら
こんな景虎様のノロケをもっともっと直江に聞かせてあげてくださいよ。京都以来もっと、景虎様の執着が激しくなっている。
でもこれだけの執着とか、『快感だ』と言い切るような景虎様が、まさしくあの女王様と呼ばれた彼の絶頂期だったような気がします。うん、この景虎様から逃げてる場合じゃないよ直江。後悔するよ!
名を呼ぶ、おまえの、腕がほしい。焦がれる、おまえの、声がほしい。あの歌、最初は、松本に埋めた高耶さんの折れたナイフ的なものがうんぬん、捨て猫的におまえがほしいのかと思ってましたが、この章から広島で限界を感じて動けなかった高耶さんまでを読むと、めちゃめちゃ彼の心が迫ってくるような気がする。
最後に、
『あいつの真実以外のものに、…オレは惑わされない』
とおっしゃってましたが、これだけはちょっとあなた、惑わされないって信じてたのに!という。この時の会話からあの大観峯の会話があったのか。
わだつみに消ゆ
瀬戸内に不知火がたくさんあって、霧と共に織田の軍艦が見える。そして広島。
これで橘氏は広島に行ったわけでして、そして家族と音信不通になるわけですね!やっべえそう思うと切ないよ。
『…心配なんかするかよ、ばか』この千秋のツンデレっぷりが罪がなくていいですね!!『腐っても仰木、留年っても仰木』私一瞬腐っても直江って言葉が頭をよぎりました。いろんな意味で。
あとちょっと景虎様の命令以外で動かない八海と直江の昔の会話を妄想して萌えた。こいつら絶対仲悪かった。
広島の船の上で、直江をしつこくストークする高坂。今は彼の行動がアレな理由だとわかっているはずなのに、それでもなお彼は直江をいたぶるのが楽しかったんじゃないか…そんな疑念が消えないw今回はフォローのために出てきたのでしょうが…。
時々高坂に、うちの主従がどうもすみませんと言いたくなる。何故か。
嘆きの楊貴妃
さつき初登場。男前だなあ。失神から回復した直後に友人を探してってなかなか。でも発言が古い。ジュリアナて。
『大和』を待つ人々
なんでトカレフ持ってるの八海。
えっと、『大和』を持つ村上、の奥の毛利、武田、一向宗。対する陶、についた九鬼、というか織田。
待って、待って高耶さん!あなた自業自得って言いませんかそれ!いや知ってたけど、あなたがそういう人だって知ってたけど、でも!それはちょっと言っちゃいけない言葉だ。
『俺じゃなくても、あなたは』『あなたに従う人間なんて、誰だってよかったんです』
おまえじゃなくてもいいって、たとえ嘘でもそれは今の直江に言っちゃいけない言葉だったと思うんだよ。
それは直江の衝撃はわかるけど、でもよく考えたら景虎様の衝撃の方が大きかったのかもしれない。力を無くして執着を無くした直江に。
しかし今まで回転してたのに速攻社交スマイルを浮かべる直江はなに。
忠節の士
『ひとをのけ者にすると、あとが怖いよ』全くもってその通りですね譲さん!!!すみませんでした!
自分が直江にしてやれることはなくて、直江がその感情から逃れることしかもう道はなくて。
っていやああああああああああああああああああ!相模の話はちょっとやめて!!無理!
まてまてまて。落ちつけ自分。そこじゃない。そこが発端だけど。
直江と景虎が勝者と敗者の関係をひっくり返すこと。それは景虎が敗者になることで、彼にとって敗者とはあの相模でのことなのだ。おまえに抱かれてやる、と。
勝者であり被害者であることが、永遠の確かな鎖であって、景虎様にはそれを怖くて外せない。
だからもしかしたら湖の底により深く沈みたかったのは景虎様の方で、直江は結局こんな時期から何度も何度も景虎様を救ってきたわけで。だからこそ景虎様は直江を手放せないんだろうけど。
どれほどこの関係が苦痛を伴うものでも、終わりのない彼らには『それが最上』。この時点でも景虎様はそう思っていて、だからあの炎の中での「最上のあり方を!」というのは、まさしく今回の事件で追いつめられた景虎様が考えついた答え、ということなんじゃないか。直江を失うということが真実味を帯びた瞬間に。
…こう考えるとあの30年前の織田との戦いで景虎様は美奈子がどーのと考えていたあたりまだまだ余裕ですね!(えー
山中殿!!おおおおお相変わらず大人の色気がありますね!(元春様と同じくらい好き)
ていうかこの二人好き。いや普通に。山中は忠節の士だし、元春さまは三本の矢だから。同じくらい譲れないから戦ったっていうのが。もう最高。
霊界からの召集令状
英田さんの話ちょっと怖くない?死んだ叔父が召集令状落として去ってくんだよ?立派な怪談だろ。
さて完全に高耶さんの修学旅行もポシャりました。これが思い返すと最後の城北高校の行事というかお話だったわけですね。このあたりからいろんなものが最後最後って思えてきます。高耶さんの(一応の)安息の日々も…最後…。
最後と言えば、ここで広島港に置き去りにされたと噂の直江のウィンダム。あーそうだよねー。。誰か回収したとしたら上杉になるわけですが、それは親の金で買ったろ直江。いつもゴールドカードだけは持っていてね直江。そうじゃないと夜叉衆悲惨なことになるから!(いやねーさんは意外に金持ちの娘説ありか)
小太郎だーvってなんて間の悪い時に来るのあなたはいつも…。。。。今まさに直江が回転しながら伏字すら使わなくなってイロイロ言ってんのよ!!
私、最初は彼らは勝者と敗者の関係からヤるヤらないって言ってたんだと思ってて、景虎様もこの時点ではそう思ってたフシがあるけど(トラウマ持ちだからそういう思考回路になったんじゃないかと)、直江の方では高耶さんを好き、愛している、癒せる自分になりたいのに、的なアレコレがあったってことで、根底では結局さあ、好きだから苦しんでたのよね、という結論に(私が)至るまでに、ちょっと年月がかかりました。そのうちにある「思えば幸福な痛みでした」的発言を、その時は展開がすさまじすぎて納得してたけど、好きだからヤりたい的な悩みもあったんじゃねという。うんいやなんとなく。。違う気もしてきた。でもウブな高耶さんに向かって18禁的な発言を繰り広げる意味にこれがなかったら、直江なんてただの変質者になってしまう…。いや否定は出来ないけど…。
反射的に(力もないくせに)高耶さんを庇う直江が愛しいです。
天魔の海
背後から高耶さんをナチュラルに抱きよせてます直江。小太郎、これが…正しいのだよ…(遠い目)いつだってチャンスは逃さず密着です。
そして信長復活!いやあ楽しそうだな殿!こーいうところが好きです。殿の。どんだけ楽しいのあなた。
フェリー木端微塵にしたところで、次回、nothing to loseに続く!