足摺

足摺岬

椿の道(旧足摺スカイライン)を通り、アジト(足摺国際ホテル)を右横にスルーし、白山洞門も途中で流し、車を足摺岬の駐車場にとめる。
向かい側には金剛福寺があるがさくっとスルー。明日いけばいいと思ってた。

この道路が高耶さんが走って直江が追っかけた道です。看板が一瞬照らされる。 岬の方に走っていくわけですが、高耶さんはやっぱりなんでここに…と思わざるを得ない。
上に上にのぼっていったらいつか追いつめられることを、400年で学んで来たでしょうあなたは。
でもこのときの高耶さんは兵頭に「補陀洛渡海」の話を聞いて、鬼八の想いごと、400年ごと受け入れてくれるかなって思って岬に行く途中だったわけだから…。岬の上までのぼっていくのは、彼にとっては自然のことだったのかもしれない。
この時の彼はもうある意味ゆるやかな自殺路線だったと思うし、それはあの廃屋で直江と離れてからずっとそうだったけれど、生きたいという肉体任せでかろうじて生きていたけれど、拷問により肉体が弱ったから、精神が顔を出したようにも思えました。
鬼八の毒は人を傷つけるし、景虎という存在は怨霊の敵であって、居場所がなくなってしまったから死にたかった、のかと思っていたけれど、そういうのを超えて、救われたいから行こうかなと、悟りの境地で足を踏み出してしまったのかもしれない。

私は、幸福のための死なんてありえないと思います。直江はそう言い切れるけれど、己というものに対するエゴはやっぱり景虎様より直江の方が強い。強い人だと思います。
たとえ40年前に阿蘇であれこれそれやってブルースが途切れてしまったとしても、景虎様より直江の軸はぶれません。
その軸を信じきれないのは景虎様の「赤い月」事件に端を発する400年前の自己否定によるものだと推測します。
あれから直江が400年かけてその虚無をうめたとのことですけれど(いやしかし、あの尚紀ぼっちゃんを見ていてると不安がよぎる)、景虎様の中に常に「生を許されたい」という思いがあったとしたら、それが赤鯨衆との出会いで見事開花した…ということなのか?
それ以上に「謙信公からの追放」という名の独立と、鬼八を体内に取り入れたということはあると思うのですが。

それで直江を殺したくないと思って廃屋から離れたはずなのに追ってきて、しかも追ってきたことに対して喜びすら感じる自分に絶望して飛び降りたくなっても不思議はないと思います。でもここで追わない直江に対しても絶望する男ですよね景虎様は。やなおとこ。
ここまでして逃げる自分を追うからこその直江信綱であると、景虎さまは認識している気がします。
まあ景虎様は自分を追うものはとりあえず否定しておくツンデレさんですからね。余計燃えさせているんだけどね。ばか。

とかなんとか考えながら岬へ。展望台の前の階段を直江のごとく駆けあがることはせず一段一段。
最後の一段で高耶さんに「来るな!」と言われたってなんのそのですねこの人はまったく。
そういう男だってことはあなただって知っていて試していたんでしょう?


足摺は綺麗な場所でした。
海が綺麗で、果てが見えなくて、波の音が常にありました。
そして室戸のように閉ざされておらず(逆風ではなく)、開かれた場所でした。
確かにここからこぎ出したら、浄土にたどりつけそうな。

f:id:kfushikian:20200523233929j:plain
今が地獄ならやっぱり幸福のための死はあると思うけど、それならここで渡海してもいいかなって思いました。 (そしてそういう人は納得づくでよろしくお願いします)

そしてそこにある、最後の最後で痛い障害物。
を乗り越えてあの二人がどこでどういったかですけど、 やっぱり高耶さんは階段から登って右回りにまわるじゃん。そうすると直江と180度の位置(にはちょうど双眼鏡がある)にくるわけです。 直江は台を蹴って高耶さんを抱くと思うのですけど(それがたぶん一番近道)、それで強引に引き寄せると床に高耶さんが頭をぶつけるわけです。
想像してたより狭くない場所でした。
あとここ、うっかりすると忘れがちだけど、ミクちゃんが飛び立った場所でもあります。ミクちゃんと仰木さんが来た場所だ。(確か横目でポストも見たとおもうけど忘れた)
追記:忘れてたけど、ここ嶺次郎が高耶さんに青を見せたいとかクサいこと言ってたシーンでもあったね!四国大転換についての解説をおこなった場所でもありました。あー忘れてた。

あとは…廃屋はどこかという疑問がつきない…(たぶんあの山の中のどっかにあるんだろう)

足摺岬、いい場所でした。なんどでも、きたい。(運転技術ー!!!)

星のかけらを探しにいきましょう高耶さん

夕食後に、足摺岬スターツアーに参加しました。
翌日の白山洞門ツアーといい、なんだこのホテルは狙ってるのかと思いましたが、まあもしかしたら先人たちが同じことを繰り返したからですかね。

足摺国際ホテルからミニバンで走ること5分以内。足摺岬再び。
新月だからこそ、降るような星空が見えました。

空中みっしり、暗い星、明るい星、降るような星空って、あのことだ。怖いくらい。 新月の夜にはものすごい数の星が見えた。

あの虹の泉の高耶さんの告白以来、星空を見るとそのシーンしか思い出せなくなっていますが。実際流れ星は3つくらい…見えたかな。
山におちかけた白鳥も。北極星も。オリオンもなぞれたし(ほんとに赤い星)、シリウスもバッチリ見える。天の川もああ見えるなあ、と思うし、さらにすばるも(貸していただいた望遠鏡で)ひとつひとつの星までしっかり。
ちなみに人数が多いので最後取り残されました。のでしっかり!!!夜の!台座の写真とか。
夜でもごっこ遊びした。
夜にやってみたんですけど、私思いました、これ昼間より夜の方が距離感つかめない。階段からすっごく向こうの手すりまでが遠く見えるんですよ!だから夜の方が昼より障害物感が出ているんです。
ほんでもって水平線がみえなくて、暗くて、(いやまあ原作は満月ですけどそれはともかく)波の音しかしない。波の音がやけに響いています。だってまわりなにもないんだもの。灯台の光しかないんだもの。

金剛福寺

38番札所、金剛福寺
前日完全にスルーして走りぬけた場所ではありましたが、まあ足摺くんだりまで来ることはこでからの人生でもそうないだろうと思いまして。
朝のちょびっとの時間を利用して走ってきました金剛福寺まで。
ちなみに、白山洞門のぼったところの道路から足摺岬までは私が走って3-4分だったので、あの二人ならきっともっと早い! 

ところで今回完全にミラツアわーいという気持ちでいたため、忘れ去ってましたよ。お札集め。
嵯峨天皇からいただいた「補陀洛東門」の勅願を賜った場所。西方浄土の東の門。
朝だってのにたくさんの人がいました。