楽園の食卓(後編)

いやー、楽園の魔女たちも最終巻。

 

 

(あの瞳を知っている)

そう思った。

そりゃ知ってるでしょうよ!毎日毎日ずーーーっと一緒にいたもんねぇ?まさかまさかのごくつぶし。まさに「あたくしの感動を返してちょうだい」だ。

  

「どうぞ、なにも見なかったことに」

「できぬ」

「即答ですか、しびれます」

どうもこの巻は前巻の巻き返しを図るがごとく、サラが舌好調です。

サラは過去を取り戻しました。いやはや、ちょっと前に砂糖菓子~を読んだせいで、すっかり気分はストックホルム症候群

ナハトールの求愛もばっさり切って、今日も彼女は楽園の魔女ですね。いや、なんとなく「それほどかよわくありません」でナハトールのことを結構受け入れたような気がするんですがね。ナハさんは帰ってきてるんじゃないかな。

 

「私のこの愛のハゲにかけて」サラは宣言する。「おことわりする!」

「私の代わりに、ダナティア殿下にキスをとどけてください」

「胸に魔術師ですという名札をでかでかと貼って生きるのだ」

少し遠い目になって、「なんでもないのだ」

 

そしてサラとダナティアの関係もますます(おい)。そんな愛もまたしかり(え?)。この二人の関係はいまいち…。サラの思考がまだ読めません。

 

キスで黙らせるなんて、さすがフレイです。今のところ漫画でしかみたことのない風景がここに。

フレイ<両刀>アルフォイ少佐は「三十分で落とせない男女はいない」と言われた、とびきり豪華絢爛な笑顔で両手を広げた。

 

「安心していい、友よ。あの赤毛、女性だ」

一番楽しそうなカップルですね。ダナティアとオスワルド。孫までいる男に求婚。…殿下。ただなあ、一番アダルトな顔して一番アダルティじゃなさそうな人たちなんだよな。

 

調停者の力は四人の魔女に振り分けられました。たぶんそのせいで、永久欠番になっちまったんじゃないでしょうか。