<あたくしのことは…>
―ぺらり。
<プリンセスとお呼び。>
電車の中で読んでいて笑い死にしかけるかと思いました。電車で笑わないようにするには大変な努力が必要とされるのですよ。
このような女に、自然は美を与えてはいけない。
『あたくしに不可能はなくってよ!』
ダナティアのわがままという武器はもう使い物にならなくなってきて、本当の実力を試される時がきた。その第一歩が魔術師となる道であり、そして皇帝からのこの依頼なのでしょう。
彼女はずっと婚礼と墓場から逃れられないことを熟知して、目をつぶって通りすぎるのではなく、戦うことを選んだ(いやしかしその相手があれ…)。
「過剰防衛だ!!」
それが彼女の生きる道で、そうしたのは兄たちとはいえ、これだけわが身に返ってくるとアレですよね。
「殿下の愛は、深い」とこれまたわけのわからないことを言う。
「あのひとは、相手の見返りを期待していないからな。あれは無償の愛だ」
こういう人、どこかで見たような覚えがあるのですが…。誰だろう。天上天下唯我独尊の皮をかぶった、アガペーな人。雲雀さんかしら?跡部様かしら?(どっちもか)
「一度しか言わないと言ったでしょう?」
―人はつねに、おのれが信じたがっているものを信じるのだ。
それが真実であろうと、なかろうと。
このダナティアの言い方は使えるな、と思いましたし、今まででも使ってきたような気がします(ex.嘘は言っていないもう同義だと思う)。でもこの理論は正しい。おのれが信じたがっているものを信じるから思いこみが起きるので、きちんと言っておこうと思います。(ごまかしたい時は使える)
<調停者>の異物。将来的にそんなものとどうこうせなならんくなるということに、それにはダナティアが魔術を修めていた方が都合がいいことに、皇帝は気づいていたのかしら。