黒と茶の幻想ツアー

JALのツアーで屋久島に行きました。屋久島の縄文杉まで連れて行ってくれるツアーです。
ツアーの前に、JALから電話がかかってきて、雨具と登山靴のサイズ確認をしました。雨具はゴアテックスだと高いのかな?私はケチりましたけど。
結果的には天気はよかったので、防寒具としての役割を果たしてくれただけで十分でした。
一番安いので82800円、田代別館宿泊。

■1日目

黒と茶の幻想」の4人はフェリーで屋久島に行った(おそらく恩田陸が飛行機嫌いの為)が、私たちは飛行機である。
鹿児島まで行って、さらに屋久島行きに乗り換える。
鹿児島空港はやたら土産屋に試食品が置いてあり、満足。と思っていたら、
屋久島はただいま強風のため、鹿児島に引き返すことも考えられます」
とアナウンスが。
その場合は篤姫ツアーin鹿児島にしよう・・と覚悟はしつつ2階へ行くと、にこやかなおねーさんが近寄ってきて、
機内の重量バランスの為、座席を変わっていただきます」
・・・。

そして飛行機はプロペラ機だった。鳥が引っかかると落ちるアレだ。
いまどきの日本にこんな飛行機が(ry
しかし機長さんはうまかった。小型機のほうがきっとうまい人が乗っている。
バランスがどうのと言われた割りに、スチュワーデスさんに桜島開聞岳佐多岬馬毛島種子島と案内されて左右に動き回る私たち。
屋久島は確かに強風だったが、その割りには揺れなかった。飛行機からみて明らかに木々がおかしい方向に流れてるのにその中に到着する素晴らしさ。

同じ宿にいくひとたちと同じ車に乗る。ついでに相当なまりの強い名古屋人のおっちゃんズと仲良くなった。

屋久島のお土産屋さんに併設しているところでツアーの説明を受けます。
黒と茶の幻想ツアーするんだーい」というJALお任せ、何も考えないで来たため、いきなり「誓約書」みたいなものを書いてくれと言われて本気でびっくりしました。うん…なめてたんだよ。。
この時私はまだ未成年だったので、いきなり親に連絡してサインしました。要するに山入りみたいなもんですね。明日入りまーす、このツアーのこのガイドさんと一緒にのぼりまーす、もし帰ってこなかったら探してね、でものぼったのは私の意志だからそこんとこヨロシク!みたいな感じ。
登山靴は今となっては必要だったかどうかは不明だが、それでも2月の屋久島には必要だったと思う。
今となっては靴はよければ確かに安心感があるから。

お土産屋さんをぶらぶらして、一応明日10時間歩くんだから…とそこから2時間くらいかけて歩いて旅館まで帰ってきました。お喋りしながら。いける、いけるよ!なんてテンションで夕飯を食べて、明日が早いのですぐさま寝ます。

■2日目

原作では屋久杉ランドなどに行っているが、私たちはただひたすら縄文杉を目指す(そんなツアーを申し込んだ)

4:40にガイドの日高さんがホテルに迎えに来る。当たり前だが真っ暗で少し肌寒い。
登山口まで他のメンバーも乗せ、夜道を突っ走る。屋久島にはほとんど信号がなく、対向車もこの時間だといないので、やりたい放題。オレが法律だ、といわんばかりの日高さんの運転は潔い。

6:02に登山出発。荒川登山口より延々とトロッコ道が続く。
にしても利枝子はこの登山の前夜に蒔生と話し合い(殴ったあれ)などやって「あんまり眠れなかった」なんぞと言っているし、やたら4人は喋っているが、そんな余裕はない。登山口からしばらくは懐中電灯が必須の暗闇で、不安定なトロッコの枕木の上を踏むのはそうとうきつい。

それでもしばらくすると日がのぼり明るくなってくる。関係ないが私は1日のなかで16:10と日が登る直前の薄ら明かりと日が沈んだ残照の時間が一番好きだ。

 

屋久島はふもとは亜熱帯だが頂上は亜寒帯で、つまり日本中の気候が味わえる、らしい。午前の登りは曇りで午後の下りは晴れという絶好の気候で、「日頃の行いの絶対値」のおかげ。

黒と茶で確か「高所恐怖症」の話が出ていたと思うが。
これ寝ぼけてたから結構怖い。うっかり下を向いていると吸い込まれていく感じがある。


ロッコの終わりが、山道の始まりだ。
原作で崩れた橋が云々とあったが、いまはちゃんと整備されていて、トイレもある(ここが一番まともな休憩所)。
ちなみにこのトロッコ道は8.1kmであるが楽だった。高低差がそんなにない。
このトロッコ道までにいくつかあったもの↓
愛子杉
小杉谷中学校跡
(ここに通うという中学生はきっと健康的なのだ)
三代杉(帰りに見ることにした)

さて、大株歩道に。…歩道?
やたら節子の「上へ、上へ」というせりふがあったせいか、ただひたすらに上を目指せばいいと思っていたが、とんでもない山道だった。アスレチックというか、岩と木の間をぬっていくような。割と木製の階段があったが、それが雪のせいで凍っていてすべりやすく、そちらに神経を使う。普通に雪山登山(そこまで雪深くはないが)。
日高さんの適度な休息と解説のおかげできつくはないが、すくなくともウィルソン杉から縄文杉までノンストップでは行き着けない。原作であまりにさらっと書いてあってだまされる。

かなり大きい木もあるが(本州なら御神木)屋久島では名前もつけてもらえない。
屋久島は、島自体が花崗岩(確か)で、その上のわずかな土の上に木が生えているので、成長が非常にゆっくりで、年輪も指紋のような細さだ。

大株歩道入口よりあるのは↓
翁杉
ウィルソン株
(秀吉の命により、大坂城方広寺になった、その切り株。中に入れて、神も祭ってある)
大王杉縄文杉が見つかるまではこいつがTopと思われていた)
夫婦杉

縄文杉はそこ前だけ一応踊り場みたいになってて写真も撮れるが、蒔生ちゃんが中二病やれるようなところはきれいに整備されて入れないようになっていた。あんなことが出来る場所があるとは信じられない。
今になってして蒔生ちゃんのあまりの中二っぷりにびっくりするしあんな中二が結婚できたことにも衝撃だしさらに言うなら恩田陸だって立派な大人なのによくもうまあw

ちなみに。
縄文杉に気を取られ、じっくり逆さ杉を見た記憶がない(笑)今思い返せばあれかな、というのはあるが。
杉はよく倒れているし、その上にまた新たな杉は生える。阿形のようにおんぶ型に合体しているの(合体杉)もある。メデューサの宝庫だ。 (あなたと、合体したい…って幻聴が聞こえた)

ここまでが2.6kmなのにきついのはトロッコよりも高低差があるせいであろう。距離は1/4なのに。

帰りはさらにしんどい。膝を見事に痛めた。支えに腕を使いまくる全身運動。あれだけちゃんと彰彦が忠告してくれたのになあ。難しいぞ。

屋久島はもののけ姫のモデルでもある。

帰りに降りた川(安房)があまりにマッチしていた。あの、アシタカとサンの出会いとか、怪我したアシタカがサンに連れていかれたところとか、とにかくそんな川だ。日高さんがそこで岩の上に寝ていたが、完全にアシタカスタイルだった。
ちなみにシシ神のような木もある。ヤックルのような鹿も出る。

・・休憩だったので、屋久島の中心でジブリメドレー、をしてみた。
連れの視線が痛かった。

帰りに時間があり、日高さんおススメスポットへ。ガイドさんは休日に「1日で縄文杉まで何往復できるか」競争するとか。最高3回らしい。

帰りも運転は速かった。しかしそれが屋久島スピードらしい。途中2回ほどパトカーとすれ違ったがスルーだったし。
ちなみにまじでその辺にいるニホンザルが車に興味しんしんであった。
こいつらいずれ進化して車も作れるわ。

何故か夢を覚えている。1日目は姉貴と屋久島に来ていて、「化学落としても大丈夫」とか慰められた夢だった(ちゃんと受かってた)。2日目はピスメの新刊が出る夢だった。待ち望む本が出た夢は、必ず買っただけで読まないで終わる。そこまでの妄想力はないらしい。

寝る前にUFOの番組を見ながら、「鞍馬山の魔王尊は宇宙人で、横の庭にはUFOの模型があるんだよー」と言ったが鼻で笑われた。ホントなんだけど。

帰りの鹿児島から名古屋への飛行機が揺れて一番怖かった。しかも隣のおじさんが何故かストップウォッチでずっと時間を計っていた。何だったんだろう・・。

あの南国のおおらかさは愛すべき長所であると思うが、バスの悠長さはいただけない。まあ名古屋のバスでもイラつくからしょうがないんだけど。