夏のレプリカ

夏のレプリカ (講談社文庫)

夏のレプリカ (講談社文庫)

 

どうして続き物ばかり買うんだ…と思うけれど、好きなワンシーンがあったからし方ない。好きなシーンがあるだけで本は買えちゃうんだなぁ。

素生がいるせいで買ったんだ、きっと。

 

萌絵の口紅が緑っぽい妙な色って…いやいやいや。萌絵ちゃんのファッションセンスって時々飛んでる。

 

杜萌と素生の関係(鍵をかける2人)については一番下世話な想像をして、まさかあたると思わなかった。「いけないのは、貴女です」ってまぁ確かに誘惑したのはそうだよね。

殺した。杜萌、というか家的には殺したんだよね、たぶん。兄貴を。いるふりをして。家のために。

ただ最後まで、杜萌が自分に目隠しをしたのが悲しいかも。殺したっていう告白は理解した上でなのかしら。

で、ラストの兄様は一体なんだ。一緒にいた女と暮らしてるんか?家族の納得ぐるみで家を出たと思われるが、女は誰。

ネックレスを必ず杜萌に渡すんだろうな、萌絵は。萌絵は、杜萌が綺麗な兄をちょっと捻れるくらい愛してたのを知ってるからその純粋性を失わないように嘘をついた?

にしても蓑沢の家族は杜萌に甘すぎる…。そして杜萌は逃げすぎ。萌絵もそうだけど、ってことは2人はコインの裏表?とりかえられる夏?

 

杜萌が犯人だというのは一番最初に読んだ時に意外で印象に残っているので、そこを意識した読み方になったなぁ。

だから共犯?主犯?であることは途中でそう思ったからよいのだけれど、萌絵の恋愛について散々な評し方をした杜萌自身の理由があれやもんなぁ。自身に向けた皮肉?

萌絵は友人としての目線から客観的でない、と指摘されたけど、最終的にその視点から結論に至ったのだから、50/50なんじゃない?

 

へっ君とせっちゃんはいつの間にこんだけ仲良くなったんでしょうか。犀川先生が世津子さんにだけ兄貴な感じなのが素敵ですね。

しかしせとちい…まさかのせっちゃん家の片付けをしてるとは。なんつか、一番大物なのはせっちゃんだ。

せっちゃんの妊娠も、たぶん犀川先生の喪失の一部のきっかけ…なんじゃなかろうか、と。生きるとか、そういう、身近な。

そして犀川先生との恋愛?を、非論理的に語る萌絵は確かに変わった。父母の喪失を語る萌絵は少しずつ解放されている。

 

名前が逆。せとちいのことも気付けよ、なら。

ここの表紙裏に書いてあるのよね、春夏秋冬。

 

「いいのよ、殺しても」って、誰に言った?