飛鳥 2010.5

橿原神宮前の駅内の書店で買ったのが、「飛鳥王国」と赤に金字ででかでかと書いてある飛鳥へのパスポート(チックなもの)。100円だったけどコースや解説やスタンプ欄や地図や、そして割引券もついていて(←はっきり言ってそれだ)お得である。ノリで買ったけど重宝した。いつまで使えるんやろ。また来てしまうじゃないか(踊らされてる踊らされてる)

孝元天皇陵を通り抜けて(誰だ?って思ったら欠史八代だった)、豊浦(甘樫丘)を右目に見ながら飛鳥川を渡り(ほとんど日上がっていた。大丈夫か盆地)、雷丘(持統帝の仮宮?)を抜けて飛鳥資料館へ。
ここで今キトラ古墳の壁画が四神そろって公開されているわけです。
待ち時間0分で入れて、しかも前述の割引券で-100円で(もう元が取れた)うはうはですよ。
中には復元の様子や、山田寺の展示もあって、ここで語り部のにーちゃんが、「昔は法隆寺くらいしかなかったから、法隆寺がすごいのかすごくないのかよくわかんなかった。でも山田寺が発掘されて、比較対象が出来たんだ」と言っていて、個人的には山田寺の方が(遠智の父だし)萌えるんだが一般的な人や逆に考古学的な人だとそういう考えになるのかもなあ、と。山田寺は土砂崩れで傾いていたし。

 

で、四神。最初にあったのは青龍で、まあなんつーか舌とか前足くらいしかちゃんと見えねーの。土砂やら雨やらが完全に覆いかぶさってしまったらしい。
でも復元予想図が一応書いてあって、そのにーちゃんが「これは私の彼女が書いたんですけど」とか言っていてほほえましい。。。あとで思ったが、たぶん高松塚の青龍に似せて描いたんじゃないかと思われる。

次が玄武。玄冬という言葉通り(ちょっと戴国みたい)冬。
武という言葉があるが、亀の甲羅が鎧のようだから、と。蛇と亀で一対(夫婦)らしく、ならばと考えて亀×蛇で考えてみた。(結構いける。鈍感だけどいざという時守ってくれる亀。いつもはツンツンしてるけどちゃんと亀に絡まってる蛇。…妄想が行きすぎた)
しかしだいたい描かれる神は怖い動物、と言われるが、亀は恐れられていたのかしら。亀石もあるし。なんなんだろうか。

次、白虎。なるほど綺麗だ。真ん中の泥が残念だがまあ仕方ない。それにしても首が長いと思ったら、青龍の型と同じだから、だとか。え、ちょ、the 手抜き…!いいのかそれで!
最後の朱雀。鳳凰であるから当然鳳と凰で一対だが、残念ながら鳳onlyとのこと。(近くに盗掘があったしなあ)赤がきれい。朱夏という言葉通り、夏であると。華やかだ。孔雀?のようだが昔は日本にいなかったろうし、じゃあ雉とかかなあ。

にーちゃん曰く、僕は青龍はワニではないかと思う、と言っていた。4kmはあったらしいワニ。しかしどこかで日本には昔ワニがいなくて、昔話のワニというのはワニ氏(大陸からの)の隠喩ではないのかという話も聞いたことがある。どうなんだろうね。面白いなあもう。

青龍も朱雀も、手も足も右が3本左が2本(逆かも)…なにかの伝承か?と。少なくとも一番の龍は5本爪なわけで(闇末参照)、やっぱり帝よりも位の低い人が葬られていたのか、と。なればどうしてあんな壁画を描いたのだろうか。
地下には十二神将や朱雀の大陸ver.や他の地の朱雀とのわかりやすい比較があって、火の鳥みたいだとしか思えんかった…。なんか目がエロいんだもん。西洋ではフェニックスと呼ばれたわけだし。
しかし高松塚の中には誰がいるのかなー。高市だったらいいけどやっぱ百済系かなー。同じように描いた人たちにも趣味ってものがあっただけなのかなーとか。(いやだったらそれはそれでどうなんだろう)

 

そこからちょいと歩いて飛鳥寺へ。小6の時の望みをようやっと果たしたと言える。
仏さんの顔と体の妙なアンバランスさ(主に首やら角度)に疑問を思っていたら、そもそもそれらは後付けで、顔や指や、もう現存はほとんどしていないんだとか。止利仏師はそもそも父は高山にいた渡来人の息子(3世だと思ったが)。
作ったものの、鎌倉(?)に雷が五重塔に落ちてだいたい焼け、仏も焼け、顔に傷がついたりと。歴史をたどってきた仏だなあと思う。ごたごたした中ではない、入ったらすぐってところ、あの近さもいいと思いつつ、個人的には止利仏師はスタイリッシュタイプじゃないなあと思ったり…武骨(えへ)
すぐ近くに入鹿の首塚があり(行く途中にものすごくでかい蛇に横切られた)、おでんと言われる理由がわからんでもないような。甘樫に帰ってきた首。首とも胴とも言うようで面白いけれどね。どちらにせよ、百済など渡来人をかくまって?この広大な地を蘇我氏が守ってきたのは事実だと思うのだ。
 
飛鳥寺の目の前のそば屋さんでお昼。そば遊人 豊田政信って書いてある。小さいお店で、30分前に予約必須だと思われる。でもおいしかった。系列で橘寺の近くに珈琲「さんぽ」の宣伝をされたが、通ってみたら思いっきり臨時休業していたけど。

f:id:kfushikian:20200612223224j:plain

 
色々飛ばして橘寺へ。ここは昔行ったことがあるところ。しかし行ったら思いっきり野焼きしていてびっくりした。
橘寺が聖徳太子が生まれた寺だと言うのなら、聖徳太子は実在しないという説を考えればどういう位置づけをすればよいのだろうか。としばらく考えていた。
二面石を見ると、左がなんで悪なんだろうって思う。
 
相変わらずの亀石の置きものっぷり(だからどういう伝承なんだろうか。地震とか?)や鬼の雪隠俎と来て(今鬼は鬼と名付けられる者という総称と考えるけど、霧が出てきたら鬼に食われるという仏教思想にも近いものがこんな近くに存在していいのか。ただの墓としたら一体誰のものだったのだろうか)飛鳥駅へ。
時間があったので、飛鳥駅近くのコッコロカフェでまったりして帰る(隣の珈琲館が空いてなかった)。飛鳥駅のさびれ方は尋常じゃない。