長谷寺 2010.5

長谷寺は意外と奈良市内からは遠かった。次からは近鉄で行こうと思う。しかしGW中なだけあって、大和西大寺駅から平城京への人ごみがすごかった。道が見えない、ひたすら人で埋め尽くされている。メイン会場なだけはある。710年、平城京。なっとう食べて平城京で覚えたことを今更懐かしく思い出す。(1300年か)


長谷寺駅の次が榛原で萌える。ひたすら萌える。
いい天気だ。長谷寺駅から長谷寺までは少し歩く。露店が延々続くので食べ物に困ることはないが、帽子がなくて暑かった。
 
長谷寺はちょうどぼたんが花開いていた。ぎりぎりといったところで、日にやられた早咲きと、今が見ごろな花があったくらい。ぼたんが百花の王というのもわかるのだ。
咲き定まりて、静かにしといで。あんたは百花の王だから。 

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長谷寺の階段を上る途中にひとつ。宗宝蔵。「観音妙智力」と綱吉が書いた書があった。
丁寧だ。そしてお坊ちゃんだ。つまり綺麗。冒険もなにもないと言ったらそれまでだけど、それでも丁寧な人柄っぽくて好きだ。あとやたら出てきた雨宝童子は天照なのだろうか?あ、龍王発見。

階段の頂上が御本尊。今回は特別開帳ということで、十一面観音に直接触れることが出来た。
でかい。ひたすらでかい。圧倒される。観音像にもだし、それを作った人にも。12m35cmである。
無言の問いかけもされていない。顔見たらされてる感はあったけど、それよりもでかいから、目にとめてもらえるだけで嬉しいんだと思う。
ただあるだけで、結局自分は自分で救うしかないのだけれど、それでもガチでこれだけでかいものがあるだけで、少しでも救われると思う人がいるんだから、その思いで暖かいはず。
足に触れる。予想よりは冷たくなかった(いやもっとひんやりしてるのかなーと思っていたもので…)
…何が問題だったって、願い事が全く頭に思い浮かばなかったということだ。え、せっかくだしなにかすがろうと思ったけど、本気で何も願い事がない。うわびっくりした。観音様の周りをぐるっとして、出た。
 
通常公開の方もぐるっと見て、肩や指や頭を撫でて(撫で仏?)、しばしぼーっとする。
どこの舞台が完全に忘れてしまったので、ケイちゃんがよくサボってぼーっとした舞台になりきった感じ。でも前述の通り、何も悩んでいないという完全にただのアホ状態だったので、ケイちゃんになりきれてるわけがない。おいおい。
 
さらに上へ、上へ。奥の院とあって見逃したりしませんよ。
なにより五重塔(完成ver.)を見なければね。
立派なものでした。赤かった(なんでこんな小学生みたいな反応なんだ…)。。
うん、悲愴なまでの美しさを見ても、たぶんそれは痛いので。今の私にはこれぐらいじゃないと、精神がちょっと健全すぎて(?)

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十一面観音の大画軸はまあなんつーか、本物が見れない時だったら感動したんかなあってイメージ。そして室内に西国三十三観音御砂踏を作ったところがすごい。延々南無阿弥陀仏と唱えていきました。
女王の密室シリーズのよう、すべてが私でありすべてが無である。 
中で解説してくださったお坊さんが面白い話もとりまぜてくださった。ひとつ印象に残ってるのが、「曼荼羅にはたくさんの仏様がいます。私たち人間の多様性に対応するためです。」っていうの。どれが本当の自分?とか言ってる子に聞かせてやりたい。
彼に限らず、長谷寺のお坊さんがあまりにも格好よすぎて惚れました。全員素敵。もちろん観光的なこともあると思うけれど、それでも目が明るいというか深い。また室生寺とは違うんかしら。


長谷路でにゅうめんと柿の葉寿司を食べて、(結局その一食だけになった)綺麗なお庭に満足して、長谷寺から奈良へ。痛恨なのはその途中で結縁リングを落としたこと。えー、って感じよね。よりによって落とす?っての!リングよりも手が細かったのよ!!

奈良へ戻ったら、あとはいつもの通り、三月堂と二月堂です。特に三月堂はこれがラストとあってこっちの気合が入る入る。
三月堂に入り、ぼーっと眺める。いつものように色々舐めるように見たりするというよりは、観音様と日光月光をガン見する体制で。っていうか、隣で歴女?3人に話しかける名古屋出身のおじいさんの話をうっかり聞いていた。
観音像のあの姿勢は綺麗だなあーと。
上からちょっと見下ろしてる感だけど、それがナチュラルだから嫌味にならんのね。耳を傾けようという姿勢。あったかいなあ、と。むしろなんか「助けるよ、うん助ける。何でも言って?」みたいな感じに見えるのは気のせいか。こう、ずずいとな。むしろ月光菩薩の方が、「…ええ。」みたいな。
でまあ彼らがいなくなったあと追い出されそうな時間までぼーっと…月光菩薩をガン見してました。
前は表情が透徹していていいなあ、と思ったんだけど、もう話をきいてから腰付きにしか目がいかなくなった。腰、腰やばくない?なにあの綺麗なカーブは!!美奈子、ちょ、美奈子!(錯乱気味)
惚れたよ、完全に惚れたから絵葉書買って帰ろうとしたらないでやんの!マジか。うん、もうね、日本に生まれてよかった。十一面観音見たその日のうちに月光菩薩が見れるんだぜ…?
 
興奮状態で二月堂に上がる。といってもバスの時間があって、いつもいつも、いつも!見たことがないのだ「あなたをいとしいと思う気持ちによく似ている」空!残照までいるとかもうどんなやねんっての。
でもね、直江だけじゃなくて、たとえば亮介ちゃんも言っているように、どこでだってきっと美しいと思うの。で、直江的には月光菩薩からの、って感じだからここなんだよねポイント的に。奈良を一望できていいところやし。カメラを構えた女性はほぼ同類と思う悪い癖がついている。

帰ってきてバス内で寝て、起きたら見事に渋滞にはまっていた。ま、まあいいけど。