Missing 神隠しの物語

 

Missing 神隠しの物語 (電撃文庫)

Missing 神隠しの物語 (電撃文庫)

 

 お久しぶりのmissingです。最近懐古主義に走っています。だってほら…人って、いつまで生きられるかわからないからさ。十分に満足しておきたいのですが、最近は欲の皮が張りすぎています。

 

さて、このシリーズは最初、絵が素敵で興味を持ったのでした。なんて言ってもあやめちゃんの髪質が最高なんだ!(表紙)

そして電撃デビューでもあったので、電撃文庫の字体も初めてでしたので、この話の雰囲気にあっていて面白かったのを覚えています。怖いっての。

you are no where. you are now here. 似て非なるもの。そして彼らはかく語る。

 

神隠しというと何故か、千と千尋の神隠しを思い出します。あの物語の裏テーマとしてまことしやかに囁かれる「君が忘れても僕は覚えてるよ」はものすごく…怖い。です。

神隠し伝説は要するに人攫いだったと思いますが、では何故人攫いをそういう言葉であきらめなくてはならなかったのか。脅されたとか、集団からの無言の押し付けとか、そういうものが関与していそうで、怖い。

 

登場人物としては亜紀ちゃんが好きです。大体空目を「恭の字」って呼ぶところからして、お前もサイコに近いと言いたくなります。

 

俊也君が一番好みですが(何をさらっとww)、「悲しくなった。死とは、こんなにも…」というのが、今の私に一番当てはまります。村上春樹の「死は生の対極ではない。生は死に内包されているものだ」という。

 

これから組織やら何やらが出てくる小説なのは重々承知の上で、やはりこの話は1巻にふさわしい物語だったんじゃないかなと思います。もっとも最後には風呂敷を広げ過ぎていたような気もしないでもないけど。(だってあの終わり方悲しいんだもん~)