喪神の碑(いしぶみ)〈5〉エリノアの光輪 (角川文庫―スニーカー文庫)
- 作者: 津守時生,小林智美
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1991/10
- メディア: 文庫
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全力でまとめると、ナヴァル叔父さんはユフィが好きで好きでだからもうラフェールが憎くなって殺してしまったということですか?
ナヴァル叔父さんからの「誰が言わずとも、私が言ってやる」といい、このシリーズ(喪神と三千世界)の連中はなんだかんだとアダルトチルドレンが多いです。だからこそそこから脱出していくロヴやカラマイや姫さんが愛しいわけですが。
「ちょっとフィラルまでって、何をしに!」「暗躍」ああああルシファードもこういうこと言うやつだよねえええええ!
「あきらめなければ、夢はかなう」ロヴ君がマリリンの天使だったのは彼の台詞からまぎれもない真実だとわかる。この語り口はマリリンがルシファに名前について語った時にも似ていて、マリリンはやっぱりラフェールの呪縛から解き放たれなかったんだなあ、と。フリーダムになってすらもマリリアードの方は自由にはなれなかったんだ。
まさかのロヴ君との共鳴によってO2の感情が呼び覚まされた説。なんかどっかで聞いたぞ、と思って、そうだルシファや。ルシファの感情も結局押さえつけられたもので、PHによって動かされていたんだよねw
しかし最後の封印を解いたのはマリリンの死でした。オリジナルマリリアードの死によってキレた時はロヴ君が助け、MMが死んだ時は…あれ、死んだ時だっけ?ショックで色々な感覚無くしたの。ワープ後にうっかり破片を見つけて狂った時はFMが助け(てあげたのにホームランでルシファが出来たって)と、まあよくよく癇癪を起こすなこの男。誰だ冷静が封印とか言った王子は。あとキレたのは両親が死んだ時と、ルシファが攫われた時ですね。…そんなO2が愛しいですよ。
「あなたの迷惑、私の喜び」「おまえの困惑、私の楽しみ」「しまいにゃ犯すぞ、この野郎」「いつでもどうぞ、心よりお待ち申し上げるよ。ただし、返り討ちにされた場合の苦情は受け付けないから、そのつもりで」
↑この会話がマジな話になるとはなんたることでしょうか。苦情は受け付けないらしいですよマリリン。
しかしよく考えたらその息子もサラが攫われた時にキレてますからね。あ、教授の時もか?やつは自分で爆発をどっかにやったから偉い子ですねvレッドが止めたとはいえ。
ロヴ君の言葉はものすごく重い。「耐えるのだ。耐えて、傷を思い出にしてまた歩き出せ」
自分と違うものを排除するための、根拠のない優越感。それは今まさに地球でもあるわけで、っていうかやっぱり黄色人種って微妙だよね。真ん中。
そういえばフィラルのラフェールに対する種族的な愛憎については、三千世界ではあっさり目ですよね。出てきているラフェールがニコルだけだからかもしれないけど。
親が子を殺して、子は親から独立する。まさに親殺しの理論。親は子を持った時点である程度諦めているからいいと思うけど、種族でそれやられたらたまんないよ。
あー。O2マリリンにうっかり色々思うところはありましたが、そういえばもう一組ありました。あの姉弟。
あんたを殺して、あたしも死ぬ。私はそこまで肉親のために割り切れないと思うけれど、オルガはすごいな。結局トラウマの解決法としてマイヤは「おまえは悪くない、どんなことがあっても愛してるよ」って言ってほしかっただけとも言える。それから逃げたからオルガは謝ったんだろうな。
悲しむ人がいるからですよ。かつてのCLAMPの提唱した理論だけど、それをなんとなくでも理解したマイヤは優しいねって、オルガだけでも言えてよかったんじゃないかなあ。