The MANZAI 6

The MANZAI〈6〉 (あさのあつこセレクション)
 

完結しました。ってあれ、バッテリーとこれくらいじゃないですか、完結したシリーズって。No.6って完結してましたっけ?

歩は秋本に救われてきたので、最後には秋本を歩が救う展開になるんじゃないかと思っていました。でも最後まで秋本は何も詳しいことは語ってくれなかったし、弱音を見せることもなかった。秋本ってある意味では本当に歩が言うようにもどかしい子なんじゃないかと思います。

いつもふざけている子が抱えているうっ屈を、でもあさのさんは書くことはなかったのね、と。ちょっとさみしくもあり、でもこれは歩視点だから仕方がないような気もしたり。

人は他人のことをわからないし、ここで秋本が語って歩の肩を借りて泣いたりしたらそれはそれで青春小説だけどそんなもの求めてないし(あさのさんには)、ラストで「漫才を続けているかなんてわからない」と終わっている(でも「秋本後遺症なんだ」というので希望もある)のも、未来のことなんてわからないという、等身大の歩と付き合えたような気がします。

 

ぼくはぼくを許容する。

それを人は自信と呼ぶと思いますが、なんにせよそれはものすごく大切な考えなんじゃないかと思います。持つのは大変で、ともすれば違う方向に行ってしまうような気がするけれど。