狂骨の夢

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

 

これ最後に読んだのはいつだったかな?最近は持ち歩いてしか本を読めなくなったので(つまり家で落ちついて読む時間がなくなった)、こういうぶ厚い本を読むことがなくなったのです。

夏休みなので読んでみたわけですが。最後に読んだ時間も思いだせないくせに、だいたいのオチは覚えている、そんな自分が嫌になるぜ。趣味は昔から変わってなさすぎ。

ただタケミナカタとかそのあたり(諏訪とか)がわかるようになったのは進化だな。QEDを真面目に読んだおかげかもしれません(結局あれか講談社ノベルズか俺は!)

 

このお話はよく漫画化されたなあと思います。いやいくらなんでも映画化は無理だろうと思うので(骨とまぐ●いとかほんとただの18禁やし)。

でも最初の、朱美二人の夢が交錯していくところとか面白いと思うんだけどなあ。

 

ちなみにまず最初のあたりで朱美さんが二人いるところ(つまりどっちかが朱美さんになりきっていたっつーか)の話は思いだしたよ!なんて頭脳だ私は!無駄遣いにもほどがあるぜ。

 

いさま屋が語るエノさんの風貌に、「剃刀」と呼ばれたとかいう記述があって、この人そんなキレ者だっけ?とおののきました。

いさま屋がこんなひょうたんナマズのような性格になったのもエノさんの影響があると思うと面白いです。二人とも性格は真逆に近いのに。自分は自分だと思っているところが愛しい。死にかけたことで多宗教になるって珍しいねえ。

ところで「あのひとに似てましたのサ」って私そのあとてっきり18禁的な方向に走ったのかと思っていたのですが…。違うのか?ただ熱を本気で出しただけなのか?

 

旗ちゃんもなんつーか木場とエノさん両方に会う少年時代を過ごしたくもなかったでしょうね。

「人は死んだら骨になる」っていう中二病な概念を、誰も中二病だって教えてくれなかったのが不幸ですね。

 

「それは覚えているのですが比較できません」っていうの。あー民江ちゃんそういう人だったわーと思いだしました。

一柳夫人とか、復員服の男が来るあたりとか、覚えすぎててあーあーあーってなりました。でも女の、しかも錯乱した女の力で出来ることなのかなあ?

 

関口さんは相変わらずふいよふいよとしていますね。前回の事件から時間がたってなさすぎですよ。

「すいません」から始まる対人関係はなかなか有用だと思えてしまった。最悪誤り倒せば角は立たないって…あーでも私も昔やった気がする!これ!

「おまえさんが興奮するとロクなことがない」っていう木場の旦那も、なかなか関さん相手にするのに慣れてますね。こいつら。

「遂に心霊にまでいたったか」とか言うけれど、木場の旦那も十分関口に厳しいと思います。簡単にあっち側に行ってしまう人ですから。頑張れ周りのひとたちよ。

 

いさま屋さんと関口の会話は本当に発展性がないですね。よかったエノさんが来てくれて。

「君にわかるか?心の中に暗黒を発見して、それを見つめなければならない人の気持ちが!」

「わからないよ」探偵はそういってから威張った。

「関君はね、多少猿に似ているが君なんかよりよほど心得ているんだ!」

「僕も神だ」

このあたりのエノさん好きです。

 

諏訪の神様についてはQEDでこの間勉強したのでいいわけですが(なんかその勉強方法が激しく間違っている気がする)、思っていたよりも諏訪は中央の言うことを聞かなかったんだなあと思いました。あと出雲で「諏訪」に改名していたとかどんな勢いよ。

っていうか菊って外来植物だったの?

 

「五百年千年と浅ましい思いを残して恥ッかしくないものでしょうか」

「お前なんか大っ嫌いだッ!」

あーだから朱美さん好きなんですよー!!

 

新書よりも文庫の方が色々書いてあるみたいですが、私はやっぱりまず新書から入った人間なので…っていうかこれが学校の図書館にあったことがなんかおかしい気もするが…。