嵐の中の一門

熊野から帰ってきたのが家盛の亡きがらとあっては、そりゃあ宗子さんも「なんで!?」状態だと思います。

確か史実ではもともと病のところに無理してついてったみたいな感じじゃなかったっけ?それなら理由わかるけど、ドラマでは掘られたあとの悟りきった朝の「笑いかけてくださりませ」で去って行ったもんなあ。

この時代ですから確かに神に矢を射かけたお前のせいで神罰が!という一般人の発想はわからんでもないです。(一般人=おじさん。)でも他の人はたぶん色々と違う意味で清盛なんか死ねばいいのにって思ったんだよ…。おじさんだけだよピュアッ子なのは。

 

そして面と向かって死ねばいいのにと言われた清盛さんめっちゃヘコんでました。そりゃあね、ネット上で史ねと言われて騒ぎになるこの世の中ですもの。面と向かって言われたらねえ。

弟亡くしてショックなのはお兄さんも一緒なんですぅー。

そのショックの受け方が屋根の上でいじけているあたり可愛いのですが。そもそもこの屋根ってあの二人の手が放れてしまった屋根なわけでしょう?彼ら兄弟の手がもし繋がっていたら、今こうなってなどいなかったと、そういう思いにふけってしまうのもわかる、気がする。

清盛ちゃんは基本的におセンチな子なので、周囲が思うほど周りのことなんか気にしてないよ!

 

清盛親衛隊であるところの時子ちゃんと盛国さんになってきました。

盛国さんとか思いっきり屋根の上に上ろうとしてましたからね!やめてそれはフラグ!

頼盛君が「あーまたやってるよ清盛兄上」みたいにクールに斬ってくれたのでイタさが和らぎましたが。

しかし「騒々しく事を起こしてはくよくよと悩まれる」って…なんぞそれ…どこの晋作さんなの…。(←

でも「私はそりゃあ母一緒な家盛兄上大好きだしあなたのことは遠まわしに見てたけど、家盛兄が最期に伝えたかった相手に最期の言葉を伝えるのは、家盛兄を愛していた私の務めにござりましょう」というクーデレに萌えた。なにそれ?頼盛×清盛フラグ?

 

清盛は「家盛の供養になる」と思って高野山の再建に着手しているわけです。それにしても高野山ひどいジャングル。

そのジャングルから現れる西行さん。お久しぶりです!!「わ た し だ」ってwwwww

あっとっさに清盛さんを庇おうとする盛国さんに萌えました☆

私は今回の大河、盛国さんの無意識ホモには常に気を配っていきたいと思っております。いや別にね、ホモじゃないのよ?でもほら、行きすぎだろレベルの主従愛って萌えるじゃない?(同意を求めなくとも…)

他が濃いのでここはもう安定の主従でいてほしいのです。これで盛国さんが下剋上を始めたら心が折れるどころの騒ぎじゃない。

 

西行さんは衣川で寒さに震えながら見た美しきものが印象に残っていたようです。

そりゃあね、「おまえはあほかwww」とつっこまれる話ですよ。

そういう人だ。この西行さんはそういう人だ。

にしても相変わらず女の子に追いかけられてるとかお得な人だ…。ここ高野山やで…。まおちゃんキレるよ。

漫画のようにコミカルに清盛さんが邪魔扱いされてるところにまたしっかりと駆け寄っている盛国さんに萌え。

 

時子ちゃんと時忠ちゃんの姉弟関係も好きだー!

弟君はヤンキーだけどさ、お姉ちゃんのこと大事に思ってるんだよ!だから今世間で評判悪い清盛ちゃんを見捨てた方がよくね?って、自分が推薦した手前お姉ちゃん不幸になって欲しくないしーってんで気にかけてるんだと思います。かわいい!!

だけど妄想族のお姉ちゃんは言うことなんにも聞きゃしないし、だからこそ時忠さんはいつも「このねーちゃん俺が見張ってないといつか駄目男にひっかかるわ」と思っていたんじゃないですか。

光源氏と全然ちげーじゃん。おねーちゃんそういうのがタイプって言ってたじゃねーか!」って言う弟に、「うん、全然違う。もっと繊細で、そばにいてあげないと駄目な、愛に飢えた可哀想な男」的なお返事をする姉。

…それって光源氏そのものじゃね??

そして光源氏も紫さんを拾って育てたけど女三宮もああなって紫さんもついに出家は許されず、って感じで必ずしも周りの女を幸せにしたわけでも自分が幸せになったわけでもないと思うんだけど、その辺はいいんですか時子さん。

 

さて藤原摂関家は父が弟に摂政を渡せと言い兄は嫌だと言いみたいな感じで争いになっておりますが、あの弟さんの目本当にすごいよ…!やばいよ頼長様の目やばいよ!

お兄ちゃんの前では余裕ぶってにやってしてるけど目の前からいなくなった瞬間のあの真顔。

あの顔をひきだせる相手ってよっぽどのライバルだよね。素敵。(?)

あとどうでもいいけど呈子様と多子様、平安時代的美人ってどっちだったんでしょうね。

 

そんな政権争いから遠ざけられた二人が同居していました。

…は?この二人同居してんの?

天狗が二匹いるとかもうなかなかですね…この家に住む人ストレス溜まってるかどっかおかしいかでしょう。

雅仁さまが♪我を頼めて来ぬ男♪とか歌い出すせいで、ちょ、雅仁様まで!?と思いました。ほらだって、先週から頼長様のターンだったからつい…。誰を待ってるの雅仁様って思っちゃったじゃない…。

そうしたらそこに時の上皇様だってのにまじ暇そうな崇徳帝。

雅仁様に「帝になりたいって思ったことなかったの?」と聞いて、「働いたら負けだと思っている」とニート宣言され、更にもう一回我を頼めて♪と歌われて、まーこの兄弟ちいいいいいっともわかりあえてねえわ…と思いました。

つうかこの二人兄弟なんだよな…。もののけもののけの子供なんだから天狗ーずに決まってるのか。

西行さんがこのタイミングで出てくるから、雅仁様は崇徳帝に向けた嫌味なのかと思ったよ我を頼めて来ぬ男。

崇徳帝はとっくに西行さんが高野山にいることなんて知ってるんだけど、そこで清盛と一緒に喋ってるだけで京都に全然来ないなあみたいになってるし、雅仁様も割とその辺知ってるからこそいやー来ませんねあははははみたいな。

ん?このあと西行さんは清盛さんの家に来るわけで、つまりこの頃は彼は京都にいたんじゃないかな!!そして会いに来たんじゃないですかね崇徳帝に!!

だからこそ日々引きこもりな崇徳帝(今作ったmy設定)が久しぶりに兄弟の会話でもしようかなくらいにうきうきしちゃってお庭に出てくるんですよ。

それを知ってる雅仁様はおまえんとこは来る人いてよかったな、俺なんて清盛も信西も来やしねえよ!!と言う意味を込めていたとかどうですか(キリッ

 

その信西さんは清盛さんに、「雅仁様付きしてた頃のコネがあるから」って曼荼羅描いてくれる坊主を紹介してくれてました。

清盛さん的には雅仁様は「あの風狂な御仁」ともうあの時の長い長い双六遊びの始まりが「犬にかまれた」レベルにまで落ちています。色々あったからな。

 

正倉院にあの鹿のお守りも入れろと言う宗子さん。

すっげー宗子さんがヤンデレになっとる。

大抵の人はヤンデレになると全くもって丑の刻参りのようになって美しくないのですが、これほどじっとりヤンデレが似合う人はいないでしょう素敵。

忠盛さんの鹿の角の志というのは武士の世を作る(朝廷に負けない!)という舞子ちゃんからの教えだと思いますが、宗子さんはなんでその発想から家盛さんが死んだって言えるんだろう。

家盛さんの最期の会話って、「嫡男かそうでないかなんてどうでもよくって、お母さんが舞子ちゃんのことでいつもまでも悩んでるし、嫡男とか位とかで俺が出世したって言っても清盛と舞子のことで普通のお母さんみたいに喜んでくれなくて、それが哀しかった」的なことじゃなかったっけ?

つまり清盛を嫡男として育てた→新しい世を作りたいという忠盛の志のあらわれでした→家盛が苦しんだのはそのためでしたみたいな?

(でも家盛が苦しんだとかその描写あの祇園事件以来じゃないか。それまで兄上ー兄上ーと慕っておったわ!祇園事件の時に宗子さんが鹿の角見つけちゃってそれでキレたのを見てたからじゃないか…)

しかも死んだの確実に自業自得の落馬だろうってんだ。

あ、書いてるうちにわかった。新しい世を作りたい志の象徴清盛さんが神輿に矢を射かけたから家盛は死んだって話か。あれ信じてたのか宗子さん。(所詮一般人か…)

まあそんなこんなで泣きながら鹿の角を折る宗子さん。さらに忠盛さんをぽかぽかと泣きながら殴ります。かわいい。(じゃねえ!

さすがの叔父さんも「…何事じゃ」と若干ドンびきな様子。さらに時子ちゃんなんて「…はあ?」って感じだと思います。

ここまで病んでる人、初めて見る人は多いと思うよ。そりゃあ鳥羽帝とか見慣れてる人は別だけど。

ここで鹿の角を折っちゃうんだなあ…。鹿の角っていうのは、ようはお守りでしょ?そのお守りも手放して、彼らは歩かなきゃいけなくなるわけです。忠盛さんの志が宗子さんの嘆きによって折られていってしまうわけですね。

んで今回そのお守りをその手で折った宗子さんが、将来頼朝ちゃんの助命嘆願をしてしまって、間接的にそのせいで平氏が滅びるとか胸が熱くなる話ですよ。

 

そんな修羅場を見てしまった清盛さんは落ち込み、西行さんに「俺やっても家盛浮かばれねーもん」とぐちりますが、さすがは昔は清盛さんの全てを受け入れた男(←)、さらっといけめんなこと言いました。

要するに耐え忍んだものだけが見える景色がある。頑張れ。よそものって言ってるけど嵐の中にある一門の中ではよそものであるおまえさんが踏ん張らんでどうする!みたいな激励、だと思う。

嵐になった原因は俺なんだーっていうお話に対するお返事として後半はいささかどうだろうと思いますが。

でも炎の中に投げ込んだ高野山の塔の図面を、そっと西行さんが清盛さんに手渡すシーンは萌えた。

つうか清盛さんが西行さんを見上げる目線がまじ受けっぽくてどうしようかと思った。

 

さてと、忠盛さんがばったり頼長さんにお会いするシーン。これやばかったわ。

「知らず知らず、生まれ怪しき兄への鬱屈がたまっておったであろう」

「家盛こそが跡継ぎの器と少しばかりおだててやると、何もかも差し出しおった

家盛と私は全てにおいてしかと結ばれた仲であったゆえ

「私が父なら褒めてやるがのう。家盛、天晴であった。さすが武士の子、見事なる犬死じゃ

…言葉にならない。

いやーこの間の家盛の精神への凌辱もすごいものがあったけど、今回忠盛さんへもその言葉プレイですよ。すっげ。

しかもさあ、頼長さんの後についてきた子がいるんだけど、ああおしい調べればわかる子ですが、その子に向かって「ごめんごめん他の男のこと喋っていて嫉妬した?大丈夫(ここで手を取る)、もう亡くなった者のことゆえ」って頼長様がフォロー(?)入れるわけです。

それから後のその子の頼長様を見る目といったら。

完全調教済みでございました本当に(ry

 

さて自宅で曼荼羅を見てる清盛さん。完成前に描く?って言われて、いいの?うん、きっと弟さんの供養になるよ、ってすっげーいい話だわさすが坊主、っていう流れで清盛さんが描くことになります。

どうでもいいけど、私今回初めて曼荼羅を描く実際のシーンを見たのね。あんなでっかいもん中央から描いてるのかなあと思ってたんだけど、そうかこうやって描くのか。

最初に墨で下書きしといて後で塗り絵するのね。それで自分で汚れないように木の上に乗っかって描くのね。へー。

それで清盛さんは首から誓いのネックレスとか刀とかを盛国さんに渡して(今回本当に盛国さんが清盛さんと一緒におりまして私は幸せでございました)描こうとするんですけど、

凌辱された忠盛さんが乱入してきた。うわびっくりした。なんかテロップまで乱入してきて余計びっくりした。

忠盛さんは「もう俺がのし上がって世の中変えても意味がない、そういう志を持ってお前を可愛がって一生懸命やってきたし宗子や家盛に忍耐させたけどいいと思ってた、だけど所詮武士は王家の犬なんじゃあ!」みたいなこと言ってやめろ!って言うわけです。

なんかね、これが現代感覚なのはわかってるけど、私いままで側室の子のお兄ちゃんが正室の子弟をたてて弟もお兄ちゃんおれ頑張るよみたいな図に異様な美しさを感じて萌えてきたわけです。

だから今回その図が逆転してるわけじゃないですか。逆転して、こんなこと言われても、忍耐をしいてきたって目の前で言われても…みたいな。

最初っから兄がのし上がってたわけでもなくて、お父さんじゃないですか勝手にそう決めてきたの。それで清盛だってなんだかんだと頑張ってきたわけじゃないですか。皆そんな父さんだからついてきたわけじゃないですか!

それに正室の子で嫡男なのに忍耐ってなんだよ!って言われても…えーそれならその他にも嫡男でも正室の子でもない子だっているわけで皆人間なんだぜ…と、現代的な発想で言えばきしみがねえ、私の中に生まれてしまったのです。。

端的に言えば、お ま え が い う な ってやつです。

清盛さんも忠盛さんに八つ当たりされるようになったとか大きくなったと思えばいいんですか?

 

で、私はここから結構好みなんですが。BGMが。遊びを♪のメロディをちょっと低音にして調変えた感じで入ってくるこの曲が。

清盛さんが、「お話はそれだけにございますか」って続けようと反抗してくるので忠盛さんがキレて乱闘(それにとっさに庇って投げつけられる盛国さん)、「父上がどうお考えであろうと、私は家盛の兄でございます!」ってんで頭の血でもって描く曼荼羅

ぼったぼたに曼荼羅に垂れてるけどいいの?

 

あーおっきくなったなーって。

清盛さん的にはもう西行さんに言われたように、ここが一門的に自分が踏ん張らなきゃいけないし、俺は家盛の兄であいつが好きなことには変わりねえ!ってなってるからすっごく軸が定まってる。

対してもう犬でいい、周りの大事な人に報いるためには犬でいいって言いきってしまった忠盛さんは本当にもう、ああお父さんの背中がいつの間にかこんなに小さくなってみたいな気分になってしまった。。

いやそりゃあね、自分の息子が自分の志のせいでスネたところを弄ばれて捨てられて死んだなんて弄んだ相手に言われたらキレますよ当たり前じゃないですか。

でもそうであっても、たとえ周囲の人を不幸にしても、なさねばならぬことはならぬのです。政治ってのはそういうものだ。志が魂が曲っちまった時点でもうダメだ。

やり直すことなんていくらでもできるけど、この判断は駄目だ。清盛さんが成長してくれいていてよかったと思うし、それを見てしまったらもしかしたら役割は終わりだって思ってしまうかもしれんがそれもそれでいい。

 

志を持って走ってきた人が不意につまずいて折れてしまった時に、その志を受け継いだ人が走り出す。

その繰り返しで歴史が作られてきたところが、私が歴史好きな理由です。

 

と真面目な話をちょっとだけ入れてみましたが、宗子さんが曼荼羅如来の顔みて、家盛…って言ってるわけで、そう言えば清盛も同じものみて同じこと言ってるなと思って、つうことは家盛を重ねてるのね?と理解し、その家盛の唇に血で色を入れたとかなんというエロ…と思っていたあたり頭駄目ですね私。

そういえばお兄ちゃんとも普通の兄弟でいたかったと家盛さんも言ってたし、曲りなりにも宗子さんもずっと清盛育ててきたし、清盛に家盛の代わりに笑顔見せたってことでいいかな?

如来のような心を持った家盛さんはまったくよい包容力がございました。これで家盛さんのお話も終わりかな。