保元の乱

なんかこう色んなところで愛憎劇が繰り広げられていたわけですよ京都狭い。

信西と頼長様
この2人の愛憎がたぶん一番重いです。
昔は信西は頼長様のことを「頼長様の才は古今に比類なきもの」って言ってた(らしい。ノベライズによると。だから最後のオウムのシーンがすさまじい愛憎劇の終結の形なわけだ)。
その二人が同じ孫氏の教えから違う道を選ぶわけですよね。
うんまあ私も「何言ってるかわからん」って言う為朝さんに同調したくなりましたが。
頼長さんは理屈に合わないから行動しなかったし、理屈はともかく動け貴様ら!っていうのが信西さんってことですかね。頼長さんは理屈に合わぬとかなんとか言って政から締め出されたというのにまだわかってないみたいですねそこが可愛いですけど。(しかしこの理屈問答、なんか柳と乾の戦い思いだすな。俺は今からデータを捨てる!いつから俺がデータを捨てたと錯覚していた?ここからはデータなぞない!とかそんな感じ)
あとね…教えがたとえ立派であっても、使う人によってこうなるんだなあっていうのが伝わってきたシーンでもありました。ふ…。切ない。松下村塾を思い出した。

まああのシーンでは本当に源氏はよく働こうと必死だなあというのが伝わりましたが、それに比べて本当に平氏さんは都育ちで人を信じなくなりましたよね!
だって源氏さんはやる気を見せたら恩賞をちらつかされて「いえーい」状態だけど、清盛さんとか「…俺らそう言われて幾星霜…」って感じだもの。もうお前の言うことなんて信じねえって感じ。前回きっぱり言われてるしね。「お前らが政に首突っ込めると思うなよ」と。

・崇徳帝
それで負けたことに対して「おまえを信じた朕が愚かだった」とかおっしゃってましたが、なんだろう、左大臣の策を取るっておっしゃったのあんた!ってなりました。
そんなだから味方がいないんだよおまえさんは!!欲しがるだけ欲しがって相手が出しつくしたところで「もう終わりかおまえは味方じゃないんだな」って言う餓鬼だよ!
ところであの時の頼長様の御足といい手の美しさといい、さすが古今に比類なきものですよね。ホモ的な意味で。

・後白河帝
相変わらず美しいわけですが、いきなり朝廷内のあれこれを言い出してびっくりしたのは私もです。
しかもそれを信頼が超いい笑顔で見てるんですよ信西とか成親様とか渋い顔してるのに。
何故?デブさん帝ともしかして前夜ヤった?ってくらい。
いいけど聞いてる人は絶対人物関係わからんと思う。清盛さんだけだよわかってたの。
あとさ、家成さんの子たちは平氏の味方をしろって言われてても、割と聞いてないよね。いやいいんだけど。

・源氏
一々清盛さんにアイコンタクトをとる義朝ちゃんは一体何があったのかと勘繰ってしまうわけで…。
まあいいや。
今回義朝ちゃんはともかく通清正清と通清が死んだあとです。
だいたい通清は「殿の子供が戦ってる。あなたはそんな世界、見なくてもいい。心まで護るのが私の仕事…」とか言って(若干誇張)いくんだからもう通清×為義だよ。こころまで!護るとか!!!
そして子供を庇って「俺みたいになんじゃねーぞ…」って言って、為義さんとこまできて、「源氏は色々戦ってるけど皆よくやってるよ」と言って為義さんの腕の中で死ぬから!もうどっちがヒロインだかわからんわ!
しかし為義さんは色々素敵な人に見えてきました。これだけ子供作ってそれぞれ立派とか、素敵な奥様を見つける力があったんでしょ。
まあそうだよね。駄目っぽい人に強い女の人はハマるよね。んで通清さんが死んだ後の為義さんの「黙れ!戦を知らぬ者は、耳を塞いで時が過ぎるのを待っておれ!」がね、あの、「才能も無く、努力もせず、そのくせ与えられるものに不平を言って、努力する人間の足しか引っ張れないような奴は、目を瞑ってどっか隅っこに挟まって、口だけ開けて雨と埃だけ食って辛うじて生きてろ」を思い出しました。オサレ。

・源氏の女たち
由良ちゃんと常盤ちゃんのシーンは百合かと思いました。百合か。百合なのか。
だってさ由良ちゃんの無限の包容力。これ女子校じゃね?
由良ちゃんは常盤ちゃんがいないと殿が駄目ってこともわかってて、その殿を支えるのが私!と。常盤ごと支えてやんよ!っていうこの漢らしさ。
とりあえず百合って電波だけ受信しておきました。

平氏
いやあの…フラグクラッシャーにもほどがあると思いませんか?(真顔
あのですね、前回の離反で叔父上の愛情を感じていた私に叔父上なんとおっしゃいました?
「最後の最後で信じきれなかったのだ、そなたに流れるもののけの血を」
おいこらまて。頼盛さんのお話とかまず清盛さん知らんだろ。あの子が裏切ろうとしていたことまでは知らんだろ!(そりゃあ叔父上と一番親しくて自分から離反する可能性があるって知っていたから今回は「(死ぬから)去れ」って言っただけなんだろ?)
それで平氏がどうにでも生きれるようにとか、そういうツンデレと思っていたのに私は!
どういうこと?今更何を言っているんだ叔父上?
あ、でも一人で叔父上が出てきたあたり、そして皆が近くから見守ってたってところは本当に平氏の絆だなあと思いました。源氏のように絆もクソもないような一族では、信用できませんものね。最初っから総力戦だよね。

しかしこのあたりのおう…ちょっと待て、というあたりをうまく収めてくれました。盛国さんが。
今回お留守番で、わかるけどちょっと盛国さんがいない清盛さんとか大丈夫?って思いましたが、盛国さん相変わらずいい仕事しますよね。
盛国さんって本当に主君の愛憎劇をちゃんと見てて解説してそれでいて主君を信じられるんだから、すごい貴重なキャラですよ。それで彼の家で清盛果てるんだろ?死ぬ。萌えて死ねる。

あと兎丸。平氏のどうしようもないぼろぼろの状態を、ある意味空気読まずにぶち壊せるのはこの人しかいない。

それで最後にね、清盛がかつて母と父とそれから白河帝が愛憎劇を繰り広げた場所に立って、白河院が燃え落ちるのをその目で見ると。
白河の世から新しい世になるんだな、と。
後白河帝の、あの謎のお言葉が胸にしみますよ。
この燃え落ちるのが一つの象徴だったと思うのですが、それでも焼け落ちる絆ってのが痛い。白河の呪いを鳥羽帝は清盛に立ち切ってもらうことでしか解けなかったし、清盛さんはこの白河の院が落ちてもきっとまだ解けない。
解けたのかしら。でもあそこまで叔父上に言われたらきっとまだ無理なんじゃないですか。
叔父上との会話はあの海賊船の時の一件ですが、あの時複雑な心境を吐露した叔父上と、その場にいた信西(通憲でしたね)が今こうしているというのがもう時の流れを感じずにはいられない。
ってか本当に信西何があったんだ。あの時のつぶらな瞳とか理想に燃えるあなたはどこへ!

あとその呪いを断ち切ろうと火を付けたのが義朝ちゃんってあたりがもうね!萌えた!!
義朝ちゃんって、こうやって無意識のうちに清盛ちゃんを救ってきたわけじゃないですか。その関係性に萌えた!!
昔河原で「俺なんて平氏に要らない子なんだ」ってすねてた清盛ちゃんを救ったように!!!ふわあああああ!

ところで最後、清盛ちゃんを止めたの忠清さんですよね。いやあ、単なる馬鹿だと思ってたけど戦では思いのほかイケメンでした。