波のかたみ

最初保元の乱で、乳母の話(池の禅尼)を読んで、そういえば大河はホモだったおかげであんまりそのあたりを描かなかったなあ、と。
永井さんは乳母のあたりの主張が以前からすごくて、女だからかと思ってましたけど、この信西の話はたしかに朝子ちゃんがごっしーの乳母だったからなので、納得。
イケイケな重盛さんも好みです。
時子さんは私の中ではあまり女女していないので、(参照;大河での「私言い訳にしないで堂々と身受けしなさいよ、そんなに私が小さい女だと思わないで」発言)ごちゃごちゃ他にうませた女がと言い出したときはちょっとうっとうしかったけど、永井さんはそこらへんも女ですね。

平治の乱ではあまりのホモに、ホモとしか感想がなかったのですが、義平が二条帝に「いい女だ」とか言い放ったのは覚えてます。あと重盛と義平の「4つ目の平は我にあり」とかね。
この話を読むと義平×重盛待ったなしです。終始重盛が押され気味とかまじ受けの真骨頂。

時子視点で、しかも永井さんの筆だと、完全に重盛が外子になってこうなるんだけどな…という。
私の中での美しい大河がね…あの二人はちゃんと親子やってたよ…。
ちな、平家物語だと重盛さんがイケイケのガンコ親父なのでそれはそれで私は大好きですw

時子ちゃん知らんうちに(=大河に出てないうちに)八十島祭りなんてやってたんですね。
二条の乳母だったとは。というか時忠さんの流罪とか何回か大河でやってましたが、正直あの小物が何回か適当な理由で流罪されてるわーくらいの勢いでした。
あの小者感を出せる彼もすごいし、彼がジャニーズであることがもっとすごい。

盛子ちゃんまじで幼妻だったのな。大河であまりのロリっぷりに何かに目覚めるかと思ったわ。
でも相手もおっさんじゃなくて若い人だったのねえ。

清盛の病からの出家がうんぬんとかあったなーあの時も鴨川も僧兵も超えてきたごっしーのホモしか目に入らなかったなーとか思い出しました。
看病してたの盛国だしな。時子ちゃんったら。
こっちの(永井さんの)世界でもごっしーは見事なホモでした。というかこの時のごっしーの、直接臣下の家に旅行先から来るってのが前代未聞すぎたんだな。

成親ちゃんが結果的に重盛さんを不幸にしたのは紛れもない事実(だから嫌い)なのですけど、この当時の勢力関係からしたら結構なおうち柄だったのね。
そして重盛さんは息子が打ちすえられた事件でどういう反応したんだっけ…二次創作だったらガチキレして「おまえそれでも武士か恥を知れ」とか言ってた気がするんだけど、私そんなヤンキー重盛さんもとい窪田君みてない見たい(結局それ)。
※思い出したわ…結局時忠ちゃんと清盛が報復して重盛が泣き崩れる話だった…メリバ…

鹿ケ谷のときとかも見てみると、やっぱり滋子ちゃんがいてごっしーに近くなり、徳子ちゃんが高倉帝に嫁いだあたりから、「平家一門は一蓮托生」っていうのは、重盛に限って言えばそうではなかったんだな、となる。なんとなれば東国源氏のようにあっちこっちにつくといういい方も出来るけど、重盛ちゃんのルートは微妙すぎたというか、彼自身が「清盛の息子」「平氏の嫡男」であることでのみ、バランスを保っていたようなところがあって。

徳子ちゃんってそういえばふみちゃんのとっても凛々しいイメージがあったが、もともと永井さんの中ではなんだか知らんがぼーっとした子、という感じでしたね。

波のしたにも都はございます。
清盛の作った都は福原は、波の都だったと、あの映像で(スケール小さかったけど)思いました。
最終的には時子ちゃん一族の子ばっかりってのもすごい話です。

 

波のかたみ―清盛の妻 (中公文庫)

波のかたみ―清盛の妻 (中公文庫)

  • 作者:永井 路子
  • 発売日: 1989/02/01
  • メディア: 文庫