悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―

青空文庫で読んだけど本当に中島敦って腐男子

「悟空が自己に対して抱いている信頼が、生き生きと溢れている。」ってまあ確かにそうかもしれないけど悟浄さん悟空のこと好きすぎて胃が痛い。
「強敵と闘っているときの彼を見よ!なんと、みごとな、完全な姿であろう!」大好きすぎだろ。強敵と戦ってるときはお前も力添えしろ悟空に見惚れるな。
確かに悟浄さんって西遊記の中で一番影が薄いし、三蔵何度も殺してその骨を首からかけてるとかお前は蘭兵衛かっていうキャラだけど普通キャラなんだよね。そこよくわからん。

「彼はただ妖怪に捕えられた師父の身の上ばかりを気遣かっていたらしい。」原作の悟空ヒーローっぷりと三蔵姫っぷりは異常。そして八戒の解釈によれば「師父に対する敬愛の中には、多分に男色的要素が含まれている」わけですよね…もういいよ原作ならやっちゃっても問題ないよ。三蔵が女になるくらいだから男色になるほうがよっぽどありうるよ。

 「悟空には自分の運命に対する無限の自信があるのだ」これな。悟空が絶望することは本当にないよね。
そして三蔵はすでにして己の中に生命に対する構えが出来ていて、つまりもう悟りの境地に至っているから。
彼らは常に前をむいていられる存在。

「いつも永遠を見ていられる。それから、その永遠と対比された地上のなべてのものの運命をもはっきりと見ておられる。いつかは来る滅亡の前に、それでも可憐に花開こうとする叡智や愛情や、そうした数々の善きものの上に、師父は絶えず凝乎と愍みの眼差しを注いでおられるのではなかろうか。」ということに気付いて悟浄は三蔵法師の寝顔に欲情していますから本当にもう。
悟空から学びとらねばならぬとか言いながらオチは三蔵だからね。
悟浄お前大好きだろ。一行のことが。

悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―

悟浄歎異 ―沙門悟浄の手記―

  • 作者:中島 敦
  • 出版社/メーカー: ゴマブックス
  • 発売日: 2016/07/20
  • メディア: オンデマンド (ペーパーバック)