神の棘

完全に善である生命体など存在しない。
完璧に傷のないものはない。
受け入れることが出来ず排除した結果、最終的にはなにもなくなる。
アルベルトがイルゼがいなくなったときに排除される側にまわったように。
あのあたりが、あーってなる。
あと、障害者をシャワー室に押し込むところと、それに対する医療者の、というよりも最初は父親の慈悲であったこと。当初の言い訳かもしれないけど、そこに一部の理解はあったんだと思う。
それをどう利用するかという点だったけど、フライは悪行をなしている気ではまったくなかった。
最近出てきた思想に少し似ている。弱者を切り捨てなければこちらが弱者になるという恐怖からだとは思うけど、人はいつか弱者になる。

ドイツの複雑さやばいな。
正直意味不明なレベルだ。諜報組織は二つもあってしかも敵対しているとか。
一枚岩じゃなかったのか。戦前の日本もそうだしな。
ヒムラーのこと最初はヒトラーかと思ったよ。難しいな。
結局最初に生み出したのは政治的配慮であり、熱狂の支持を作ったのは民衆だし、そこには第一次対戦の敗北があったわけで、「奪われた土地をとりかえす」という目的があった。あと不況な。
ていうかヴィルヘルムⅡはなにやってんのあの人そんなことする人だっけ?(天愛のイメージが消えない人)
日本もそうだよねェ、、、東北の貧困と不況だよね。
不況の原因つくったアメちゃんにだけは連合国としてなんか他に言うことある気もするけど、でもこの不況も世界のどこかの幸せとの引き換えだもんよ。

人をゆるさなくてはいけない。
人の一生を聞く告解。
とても医療者と聖職者が同義とは思えなかったけど、なんとなく同義な気もしてきた。
ユダの話を壊滅の夜よで書いていた須賀さんはやっぱ調べてたのかなあ。天バカの時から。あれWWⅠだったもん。
ヘルマンゲーリングとかいたね。あの頃は可愛い飛行機乗りだったのに最終的に自殺だからな。
しかもラストにユーベルメンシュってきてああああああああああああってなりましたよう!!!!!
行きつく先は火星だね!!!!!!
好きなように生きて誰にも左右されないように死ぬ。

しかしなんでこの途中でローマデートしてんだこの二人とは思ったよねw
それで去って行くとかアルベルトおまえ。

私未だにユダヤという存在があのユダのキリストへの裏切りに基づくというのがよくわからないんだよね。古事記もおとぎ話だけどその中からいくばくかの真実を切り取ることができるように、そういうことだったんですかね?なんかあったの?

サズに関してはもうやられた感しかないよ。すごいよ。ああああああああ。カドカワミステリ。
アルベルトはもうなんつーかマティアスとイルゼとテオ以外の人間に心を動かされないような人生を選んでしまった。
そしてテオはアルベルトが最初滅茶苦茶言うからどんな人間だと思ってたらまじで総受けにふさわしい人間であったとか。フェルシャーめんどくさい攻め様そのものじゃないか。
全てを捨ててイルゼを護るためだけに。
なくなれば本当に一人になる。
誰もおれをさばけない。誰もおれをすくえない。
自由になるということはそういうことなんでしょう。
一人になることで幸せになる。

神の棘II (新潮文庫)

神の棘II (新潮文庫)

 

最後の最後でデレていくとはアルベルトさんたらしすぎる。
アルベルトのいう完璧な人生はマティアスのように信じるものを体現すべくあがき続ける姿だったのかもしれないし、マティアスは神の姿をアルベルトにみたとしたら。