アーレシュルフト

次の目的地はAareschlucht(アーレシュルフト)。ライヘンバッハの滝から車で少し行くとあります。
地球の歩き方に「グリンデルワルドが雨の時はここに来てもいい」とか書いてあった、それだけの理由です。

駐車場もかなり広いです。近くに公園があって、ワニ(だとその時は思った)のおもちゃなどがありました。
駐車場の岸壁、ちょっと御厨人窟に似てません?

Aare(アーレ)川を横目に入っていきます。

スイス一豪快な峡谷。豪快かどうかはともかく、最初は両側に岩のある川、といった印象。
岩にとりつけてある道(?)を歩いて行きます(この下は川です)が、上から水が垂れまくるのでレインコート必須です。

途中洞窟(岩の中)を通ってまた外に出たり。そんな道ですので早足に進んでいきます。

こういう秘密基地っぽいところ、好きです。

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そうしたらだんだん桃源郷みたいな場所になってきました。
私はこういうところに来たら、勝手に神様がいるような気がしてくるんですが、欧米人はそうならないのかなあ?
神様というか、楽園。誰も負の感情を持たないで、一人一人で暮らしてて、でも会ったら「やあ」みたいな…。

下を流れるのは雪解け水。空気もなんだか澄んでいるような気がしてきます。

このあたりから風景が素敵すぎて、歩みもゆっくりしたものになります。

少しずつ進んでいくと…
峡谷の終わりが見えてきました!
一体この道は、どこにつながっているんだろう?
少しずつ先が見えてきます。

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この道を歩いている途中から、やけに幸せな気分に包まれていました。

この村を見た瞬間、なんでこんな純度100%の幸せ気分になったのだろう。
本当に小さな村です。
でもあの峡谷の先にこの村があったことで、私の中でここは、スイスで一番の場所になりました。

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歩いてる最中、先が見えてきたあたりから、この幸せ感は直江のものじゃないかなあ、と妄想しながら歩いていたからです。(@ミラージュ)
たぶん、この峡谷の先の村に住んでるのは高耶さんなんですよ。それで、直江は高耶さんに会いに行くんですが、歩く1歩1歩が高耶さんに近づいていく証のようで嬉しいんです。もうお互いがお互いの愛ってものを確信しているので、先に行った高耶さんも待ちながら、直江が少しずつ自分の元に近づいているって思って、なんだかドキドキしています。
なんだろうね、もうすぐ会えるっていう期待感かな。
まああの男のことですから走り抜けて行ってしまうかもしれませんが。そうじゃなくて!甘らぶな感じでの妄想!!
山間の、本当に小さな小さな村で、平和に暮らしているあなたに会いに行く瞬間が、とてつもなくキラキラしていたのです。みたいな(直江口調)。
この峡谷を直高妄想しながら歩いたのなんて、私くらいのもんじゃないかと思います。

ちなみに…
入る口は西と東からあって、私は西から東に歩いたわけでして、車が西にあるので同じ道を帰らなきゃいけないわけです。
東口で気づいたのは、ワニだと思っていたマスコットが実は竜で、看板にはこの峡谷に竜のレプリカがあと3匹いるから探してね!というメッセージが。
結局全然見つけられなかった…笑

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帰り道がまた素敵で。いや行きと同じ場所を通ってるだけなんですけど。妄想中だとこうも楽しいものですかね。
高耶さんを迎えに行って2人で俗世に戻ってくる道なのかなあとも思ったのですが、そうじゃない気がします。あの村に至る道があまりに清浄としていたので、いろんな俗世の垢(笑)を自然と禊できるように思えて、そう思うと高耶さんを再び俗世に戻すのはどうだろう、と…(いや確かにあの村は普通に車も電車も通ってたけど!そこはちょっと無視して!笑)
だからこれはね、もう直高は同居してると。で直江はお買い物とかお仕事の時に、この道を通って出ていくんですよ。でもそれは離れる悲しさとかそういうのはなくて、ずっと一緒に生きていくという確信があるからただひたすら幸福なのです。この道を通ればいつでも高耶さんが待っててくれる、幸せで生きていてくれる、それに自分が関わっていることが、ひたすらに嬉しい。うん、そんな感じ。

途中にはいくつか小さな滝が見えます。河原もありますが、手前にいくつか石が積んであるのがわかります。ケルンです。
ケルンって登山者の大事な目印とか言いますが、河原で石積みって純日本人の私には卒塔婆にしか思えなかったwwここは賽の河原か!(@雪華懺悔心中といきたいが純粋に地蔵礼賛。おんかーかーかびさんまえそわか
えっと、直高妄想ばっかり書きましたが、純粋に綺麗なところです。こういうとこ好き。
機会があったら、スロヴェニアのシュコツィアン鍾乳洞にも行ってみたい。ヨーロッパ最大級の鍾乳洞なんだもの!

さて、車の右手に青い湖を見つつ、グリンデルワルドに向かいます。途中でインターラーケンを通りつつ。
ユングフラウヨッホに行くならどちらからでも電車は乗れますが、インターラーケンよりグリンデルワルドだ!と主張した人がいたのでホテルはそちらでとりました。

Tschuggenという村中のホテルですが、4人の場合ホテルの隣のお店の2階にあるお部屋に連れて行ってもらえます。道路との間に鍵付きの小さい柵があり、そこを開けて外の階段をのぼって部屋の鍵を開けると到着します。
ここの親父さんが荷物を持ってくれたり(たぶん女性だから)、フロントで息子さんが勉強していたりとアットホームでした。(65CHF/人)
この宿が相当アクロバットな駐車の仕方を余儀なくされたことは忘れません。

あとたぶん私とSさんで使いすぎて、4人分のお湯が3人目にして無くなった。Pりんが途中で水しか出てこないシャワーにびっくり。朝に入ってました。いやー、…外さん奴やな。(だいたい私のせい)

駅前のcoopでお水買って、お土産やを覗いて。お土産やさんでもう一枚上着を買おうとしたPりんは、赤いフリース(スイスの色)を見て「HIGA…」とつぶやいていた。

グリンデルワルドは日本人の溜まり場と聞いていましたが、むしろ中国人や韓国人の方が多かったんじゃないかな。夕飯の場所を探して駅前のスポーツバー(?)のようなところに入った時に、白人のガキんちょに「ニーハオ!」と言われましたからね。怒るより先に中国人何やったんだとびっくりしました。つうかおまえ「こんにちは」なんて言えねーんだろざまあwww(←十分根に持っている)
今回こういうことを言われたのはこの1回きり(中国人に間違われたのもこの1回きり)でしたが、あれかな、子供が素直なだけかな…。
でもお店とかならともかく、交通手段で結構「日本人?行ったことあるよ」みたいな感じで話しかけてくるので、悪意は持たれていないと信じたい。アジアアメリカ圏ならともかく、欧州との付き合いってそんな悪くないよね?それとも皆陽気なだけ?
どうであろうと自国の権利が一番大事で、それを脅かしたら敵になるというか、戦争がどうして無くならないんだろうってそりゃ皆が最上の幸せを求めるからじゃないの?とか、一概に親日反日って言えるわけじゃないし、世界中から好かれる国を求めてるわけでもないけれど、
ちょっと前まで鎖国をしていて、敗戦国ですらあった国が、少なくとも世界の中である程度の地位を認められているというのは、先人の努力の結果だと思うし、
日本にいたら日本の悪い点ばかり目につくけれど、海外を旅行してみると、日本のことが好きになっていきます。
日本に比べて利点がある国だって、その利点がためにどこかで欠点と思えるところがあるわけで、自分たちが目指す国にしようと努力している人たちが世界中にいる、そういうのが時に摩擦を起こすのだけれど、
…うーん、何が言いたかったのかわかんなくなった。でももし神様が箱庭で人を作ったとしたら、結構今の状況は素敵なんじゃないかと思ったりです。はい。